Photo by
nanjyoushi_zaka
隕石の伯父さん【毎週ショートショートnote】
「ボウズだけに教えてやろう。俺は昔、異世界を救ったことがあるんだ」
「またまたー、ジョージ伯父さん、ウソばっかり」
「本当さ。お前、本好きだろ。『異世界無双旅』って小説、あれ、ほぼ俺の経験談なんだよ」
当然知っている。異世界ものの人気作品だ。
異世界に召喚された主人公が、伝説の極大魔法《メテオストーム》の封印を解き悪のボスを倒す――とてもシンプルな冒険譚だ。
「え、じゃあ伯父さん、隕石落とせるの?」
「もちろん」
「やってみせてよ!」
「それは無理だ」
「なんで? やっぱりウソなんじゃないの」
「あのな。隕石なんかホイホイ落としてみろ、街がいくつも壊滅するぞ」
確かに。
現実の物理法則に則れば、辺り一面タダじゃ済まないことは容易に想像できる。
「だから俺は、小説のハッピーエンドの後、追放されたんだ。あの異世界の三分の一ほどを焼け野原にしちまったからな」
隕石で引責か。そんな後日談があったなんて。
「日本って国なんか、滅亡しちまったしなあ」
