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変人式【毎週ショートショートnote】

今年の新変人として、私は『変人式』に出席した。

「本日から皆さんは、変人としての自覚を持って――」

そんな祝辞を述べられても、私の顔は晴れない。

「新変人おめでとう」
「先輩! ありがとうございます」

憧れの先輩がお祝いに来てくれた。

「あまり嬉しくなさそうだね」
「はい。新変人になったといっても、全然、未熟ですし」

先輩は一流の変人で、私の憧れだ。
普通とは言えない面も多いが、でも、カッコいい。
それは、決してブレないから。
きっと、自分はこうあるべきだと、はっきりイメージがあるからだろう。

「先輩の隣に並ぶには、まだまだ、変人力が足らないなって」
「うーん……それなら、さ。『変人』としてだけじゃなく、『恋人』として隣にきてくれないか」
「えっ」

それって――

「一人よりペアのほうが、人間社会に適応しやすそうだなって」

ああ、やっぱり、先輩は一本芯が通っている。
常に「人間のふりをして社会に溶け込む任務」が最優先。
心も、変身姿も、ブレないな。



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