【残業20時間削減!】Google AIで議事録と期日管理を自動化してみた話(ケアマネの実践例) #働き方を変えるツール
介護の現場で「AIなんて使えない」と思っていた私が、Google AIを使って月20時間の残業を削減しました。
今では、議事録も期日管理も、ほぼ自動。この記事ではその仕組みと注意点を紹介します。
実は、今回は投稿コンテスト「#働き方を変えるツール」のために書いた記事です。コンテストのルール上、無料で書いているので、私の記事のサンプルと思って読んでいただければと思います。
1. 筆者の行動と経験:Google AIを利用して業務を自動化!
私が日常的に活用しているのがGoogleの「Gemini」と「NotebookLM」です。
巷では「AIでプレゼン資料一発作成!」といった記事をよく見かけますが、私の本業である介護業界のケアマネジャー(介護支援専門員)業務では、そんな資料作成やデータ分析はほとんど行いません。私がAIに求めるのは、より実務的で日々の負担を軽減する機能です。
業務効率化を実現した具体的なAI活用法
私がGeminiを活用しているのは主に以下の2点です。
①定型フォーマットでの議事録作成(Gemini Gem活用)
ケアマネジャーは月末になると、連日、時には1日に複数回の会議(サービス担当者会議など)が発生し、そのたびに議事録作成が必要です。議事録には会社や自治体で定められた必須項目があるため、ただ音声をテキスト化するだけでは不十分です。
そこで、私はGeminiの「Gem(カスタム指示)」機能を活用しています。
プロンプト登録: 議事録の必須項目(出席者、検討項目、検討内容、結論、残された課題)を盛り込んだプロンプトをGemとして登録。
音声入力: 会議中、PCを開き、Geminiのチャット入力欄に音声認識で会話をそのまま入力(PCがない場合はスマートフォンでも同様)。
自動整形: 会議終了後、1クリック(テキストをGeminiに送信)だけで、Geminiが登録したプロンプト(フォーマット)に沿った議事録を自動で作成してくれます。
これにより、ご利用者のお宅を出る時には議事録の下書きが作成できている、というわけです。
「下書き」とあえて書きましたが、これは手直しが必須だからです。「自動じゃないじゃないか」と聞こえてきそうですが、やはり最低限の手直しは必要で、ただ、それでも白紙から議事録を作るより圧倒的に早いです。詳しくは第2部で書きます。
② 期限管理の自動化のため、コード作成への活用(スプレッドシートとGmailを連携させる)
ケアマネジャー業務は、介護保険の有効期限やケアプランの目標期限(長期・短期)など、遵守すべき「日付」が多く存在します。これらを40人程度の利用者分管理するのは、まさにカオスです。
この管理のため、ほとんどのケアマネジャーはExcelなどで一覧表を作って管理していると思いますが、ズボラな私は業務が多忙になると、その一覧表をチェックすること自体が抜けてしまうということがありました。
私はこの課題に対し、Geminiにコード作成を依頼し、スプレッドシートとGmailの連携を使うことにしました。
データ一覧: Googleスプレッドシートにご利用者名と各種期限を一覧で管理。
コード生成:Geminiに「スプレッドシートの特定の日付(例:期限の1ヶ月前)をチェックし、期日が迫ったものを、Gmailから業務用のアドレスへ自動送信する」ためのコード作成を指示。
システム構築: 生成されたコードをスプレッドシートに導入し、AIを使わない通知システムを構築。
私はこのシステムで毎朝メールを受け取るようにしています。
その結果、比較的業務が落ち着いている朝一番に毎日メールで通知が来るため、期限の見落としリスクがほぼゼロになりました。AIを管理そのものではなく、「システムを作るための道具」として活用した例です。
③正確な根拠抽出のための情報抽出(NotebookLM活用)
効率化とは少し変わりますが、適切な業務ために使っているのがNotebookLMです。介護保険制度は国の保険料を使って運用されているため、法律や制度の判断基準が非常に強力です。グレーゾーンが発生した際、事業所や一般の利用者と話すときには、明確な根拠を示す必要がありますが、通常のブラウザやAIによる検索では、世間的なまとめ記事が上位に来てしまい、公的根拠としては扱いにくい場合があります。
そこでNotebookLMを活用しています。
資料登録: 老計10号や厚生労働省や区のQ&Aなど、行政資料や介護保険法関連のPDFなど、公的機関の資料のみをNotebookLMに登録。
正確な根拠検索: 質問を投げかけると、登録した資料の中からのみ情報を抽出して回答してくれるため、「厚生労働省のこの資料のこの部分」といった行政が定めた明確な基準を根拠として提示できるようになりました。
2. 筆者の考察:GoogleAIを選ぶ理由と、AIを使う目的の整理について
私がこれらのGoogle AIツールをメインで使っている理由は以下の通りです。
①無料枠の大きさと他アプリとの親和性
Geminiを選んでいる最大の理由は、無料で使える枠が大きいことです。ChatGPTやその他の多くのAIは、質問回数や生成量に応じて消費されるトークン制を採用していたり、回数で無料枠が管理されていることが多くあります。そのため、無料で提供される分を使い切ると、別のAIに切り替えるか、有料プランへ移行する必要があります。日々の業務で日常的にAIを利用する場合、無料枠切れの問題は頻繁に発生します。
その点、Geminiは無料でできる範囲が広く、少なくともFlashを使う分には「使い切ったら次へ」という手間がほぼないため、日々の業務に組み込みやすい点がメリットです。さらに、GoogleカレンダーやGmailなど他のGoogleアプリとの連動性が極めて高い点も、業務効率化において無視できない強みです。
※原稿執筆中に無料・有料の違いが公式から発表されたようです。
Flashは無料でも永久利用可、画像生成は1日100枚とのことです。ここま ではいいのですが、DeepResearchが月5回までという話もあるので、そこは注意です。
②最新情報へのアクセス能力とAIの弱点
また、AIを使う際に見落とされがちなのが、「すべてのAIが常に最新情報を使っているわけではない」という点です。多くのAIは、そのAIが開発された時点までの情報しか持っておらず、検索能力がないと古い情報に基づいて回答してしまいます。
Geminiは検索能力を備えているため、基本的に新しい情報を使って動作していると判断できます。特に制度や法律が頻繁に改正される介護業界では、この「最新情報へのアクセス」は極めて重要な選定基準となります。
③AIは「道具」であることへの理解
議事録作成とは対照的に、期限管理の自動化(1-②)では、AIにコードを作らせ、システム自体はAI抜きで稼働させる形を取りました。これは、AIを無理に使う必要がないと判断したためです。
かつて、このような自動化はExcelのマクロで実現されていましたが、マクロには「作成には専門的な知識が必要」「作成者が異動すると管理ができなくなる」という欠点がありました。しかし、AIにコード生成を依頼することで、マクロの専門知識がなくても、自分専用のシステムを構築できるようになり、「属人化せず、かつ勉強時間をかけずに」業務の枠を広げることが可能になったのです。
AIを使うこと自体が面白い時は、AIは万能だといろいろやらせたがりますが、AIはあくまで道具ですので、まず、自分がやりたいことを明確にして、その目的のために、手段としてAIを使った方がいいのか、他の手段を使った方がいいのか、そこを判断するのは人間の能力です。
④個人情報の取り扱いについて
また、AIの弱点の一つに「個人情報など機密情報の取り扱い」があります。これはどのAIでも言われるところで、特に無料版では入力情報が学習に使われてしまうため、個人情報の流出と捉えられてしまいます。
まだ裁判などにはなっていないと思うのですが、考え方として、AIに情報を入れた(質問した)時点で、個人情報流出になる可能性があるようです。
また、そもそもAIについて考えた際、意識から抜けがちですが、音声認識、文字認識もAIを使っていますし、よく病院の入り口に置いてある体温計(顔を判別して体温を計るアレ)もAIを使っています。
文字認識がAIなら、介護業界ではよくある、介護保険証を写真で撮る、というのも、文字認識を使ったらアウトです。
そういう意味では、議事録作成で音声認識を使うのはどうなんだ、という話にもなりますが、私は会議の最初に「会議中、名前をフルネームで言ったり、住所を全部言わないように」と言わせていただいています。
正直、普通に会議をしていれば、そのような発言は意識しない限り出ません。サービス担当者会議の場合、最初に自己紹介をするケースがあるのですが、そこだけは音声認識しないようにしています。
また、AIによっては、文字起こし後、発言者の名前が登録できるものもありますが、それもアウトだと思うので、そのような便利な機能はあえて使わないようにしています。
そのため、出来上がる議事録は第1部で書いたように、手直しが必要なものになりますが、コンプライアンス遵守が最優先される時代ですので、そこは致し方ないかと思います。
AIを会社で使うと、特に年齢層の高い方たちからは理解が得られないケースがあると思いますが、そこに負けずに、ルールをしっかり守って有効利用していきたいですね。
3. 当時の社会情勢(番外編:過去のAI)
通常の記事では、ここで過去の社会情勢などを書くつもりです。第1部、2部で扱う内容が、私の経験、つまり過去の話なので、当時の状況を解説する予定なのですが、今回は1部2部で現代の話を扱っているので、AIの歴史について、私の経験も踏まえて書いてみたいと思います。
※第3部は介護関係の話に触れていませんので、興味のない方は読み飛ばしてください。
今、話に出るAIは「生成AI」というものでして、それ以外にもAIはあるわけです。
私が初めてAIという言葉を聞いたのは、おそらく中学生の時、ドラクエⅣがファミコンで発売された時です(急に俗な話になってしまい、申し訳ないです)。発売日は1990年2月11日のようです。
この時、ドラクエの戦闘システムで初めて「ガンガンいこうぜ」などの作戦が導入されました。この時の触れ込みが「仲間たちがAIで敵の弱点などを学習する」という内容だったと思います。
それともう1つ、こちらはアニメ(OVA、劇場版)ですが、マクロスプラス(1994-1995年)という作品にヴァーチャロイドアイドルのシャロン・アップルが人工知能で動いているという話でした。
それ以外は生活上聞かなかった気がします。ネット環境も一般化されていなかったことも関係していたかもしれませんが、テレビのニュースや新聞は目に入れていたので、世間的な認識もその程度だったんだと思います。
そんな社会情勢でしたが、実はAIという言葉が初めて使われたのは1956年のダートマス会議だそうで、概念としてはもう少し前からあったようですが、この会議で「人工知能(Artificial Intelligence)」という言葉が初めて提唱され、AI研究が本格的にスタートしたそうです。
その後、ブームと停滞を繰り返し、今は第三次AIブーム(2000年代以降)なんだそうです。言われてわかる身近なAI技術をご紹介します(あまみや調べです。間違いなどあればコメントでご指摘ください)。
①家電:掃除を自動化する「最も身近なロボット」
・事例:ロボット掃除機(ルンバなど)
AI要素: 部屋の形状や障害物をセンサーで認識し、効率的なルートを判断する「探索・ナビゲーション技術」がAIの要素です。
登場時期: 初代ルンバが発売されたのは2002年だそうですが、個人的には夢の家電でしたし、そもそも当時は一人暮らしで狭い部屋に住んでいて必要ありませんした(笑)。今は1台ありますが、コロナ禍の時の給付金で買ったものです。ルンバはマンションなら1回で全部行けるのが羨ましいですね。我が家は2階建てですが、2階で使うときは自力で運べば、一応使えます。
②スマートフォン:人との対話を実現した音声アシスタント
事例:Siri(iPhone)
AI要素: 人間の自然な言葉(自然言語)を理解し、質問の意図を推論して適切な操作を実行する「自然言語処理」技術の集大成です。
登場時期: Appleの公式音声アシスタントとしてiPhone 4Sに初搭載されたのは2011年です。私、実はiphoneは3G(2008年販売開始)でデビューしており、それからずっとiphoneです。ただ、これも「わからないことがあった時にその場で調べらるのは便利」という感じでした。なにより新しい物好きだったんですね。ただ、これも情報が少ない時代だったので、どこまで有効利用できてたかは不明です。
③移動・交通:「渋滞を避ける」賢いルート案内
事例:地図・ナビゲーションアプリ(Googleマップなど)
AI要素: リアルタイムの交通状況、事故情報、過去の統計データといったビッグデータを分析し、「最適なルートや所要時間を予測する」部分にAIが使われています。
AIによる予測ルート提案の強化は、ディープラーニングの進歩とともに2010年代半ば以降に加速したそうです。この辺りは、知らず知らずのうちに使っていたという感じだと思います。
④ 医療:人の目をサポートする「AI診断」
事例:医療画像診断支援
AI要素: MRIやCTなどの膨大な医用画像を機械学習で分析し、人間の目では見逃しがちな小さな病変を自動的に検出・マーキングすることで、医師の診断を補助します。
実用化時期: 基礎研究は古くからありますが、ディープラーニングによる画像認識技術が向上し、日本で薬事承認を得た製品が登場し始めたのは2010年代後半からだそうです。このあたりはよくわからないのですが、コロナ禍以降、病院などの入り口にある体温計はAIで顔を認識しているようですね。
このように、私たちが意識せず使っていた「ちょっとした便利さ」の多くは、すでに過去のAI技術によって実現されていたようです。
私自身、調べてみて驚きました。
4.現在の変化(番外編:現在、そして今後について)介護業界で AIを使う際の注意点
ここも通常の記事であれば、私が経験した当時から現在までどんな変化があったか、という内容にするのですが、第3部でも書いた通り、元々の話が現在のものなので、こちらも例外的に、現在の問題と今後考えられることを書いていきたいと思います。
介護は「人」へのケアや尊厳・安全性が極めて重要な分野なので、AI導入には特有のリスクが伴います。考えられる中から、特に私が気になる点をあげていきたいと思います。
個人情報・健康データの管理
前述の通り、介護保険を扱う事業所は、氏名、住所、生年月日などの個人情報をはじめ、利用者の健康状態・生活情報・会話記録など、極めて機微な個人データを扱うため、個人情報を特定し得る情報を大量に扱っています。通常の業務については、個人情報の取り扱いについて、書面で同意を得ているケースが多いと思いますが、その書面の中に、AI利用は入っていない可能性が高いです。内容をよく確認し、AIを使う際には、同意を得るか、個人情報は伏せて入力するなどの対応が間違いないと思います。誤作動や誤判断、それに対する責任所在のリスク
自動車の自動運転でも言われているようですが、AIのミスは誰の責任?という議論があります。介護の場合、AIが「体調正常」と誤検知したり、「転倒リスクが低い」と誤判断した結果の事故は、誰の責任になるのか、ということです。AIはサポート役であり、最終判断は必ず人間が行うべきという原則を、少なくとも現時点(2025年)では忘れてはいけないと思います。現場職員の教育と理解不足
今の私の職場でも、私自身もそうかもしれませんが、生成AIやAI機器の操作や目的を理解できていないケースはあると思います。この状態では、現場が混乱し、むしろ業務が非効率になるケースが出てくると思います。しかし、人不足の介護業界では、今後のAI利用を避けていくとはできません。会社側、スタッフ側がお互いにそのことを理解して、新システム導入について、努力していく必要があると思います。
それ以外の一般生活や他産業でも、同じことは言えると思います。
特に個人情報の取り扱いなどは全く同じでしょうし、他産業の場合、介護に比べると業界や企業の規模がけた違いに大きいこともあると思います。そうなるとトラブルになった時の被害も大変なことになりますので、意識は常に持っておく必要があるでしょう。
まとめ
webサイトやyoutubeを見ていると、「今、AIを使おうとしないのは、PCや携帯電話が出たばかりの時に使おうとしなかった人と同じ」という意見を見ます。
私もまったく同意見で、特に携帯電話が出始めた当時、「ポケベルはまだいいけど、携帯はどこにいてもつかまっちゃうから嫌」と言っていた人が結構な人数いたわけで、宅配ピザなども固定電話からでないと注文できない(いたずら防止のため)なんてこともあったわけですが、今となっては皆さんご存じの通りになっています。
AIを使う際の注意点は当然ありますが、それは調理器具だって自動車だって同じです。使い方をしっかり学んで、安全に便利に、私自身も使っていきたいと思います。
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