ペアローンを選ばなかった理由|我が家の住宅ローン体験談

はじめに:ペアローンを「検討していた」話
我が家が住宅ローンを組んだのは約6年前。当時は妻も正社員で働いていたため、ペアローンも選択肢の一つでした。
住宅ローンを組むとき、「二人分の収入があるなら借入額を増やせますよ」とすすめられることは多いと思います。我が家も同じでした。担当者から「奥様の収入も合算すれば、もっと大きな物件も視野に入りますよ」と言われたのを今でも覚えています。
結果として、我が家は単独ローンを選びました。今回はその理由と、6年住んで感じたリアルをまとめてみます。
※その前段階で、私が住宅ローンの審査でも一度つまずいた経験がありますが、その信用情報の回復までの経緯はこちらの記事でまとめています。
そもそも「ペアローン」って何?
ペアローンとは、夫婦や親子がそれぞれ個別に住宅ローン契約を結ぶ仕組みです。
通常の住宅ローンは1人が契約する「単独ローン」ですが、ペアローンでは2人がそれぞれ主債務者となり、お互いが相手のローンの連帯保証人になります。
わかりやすく言うと:
単独ローン → 夫が1本・4,000万円のローンを組む
ペアローン → 夫が1本・2,000万円 + 妻が1本・2,000万円、合計2本のローンを組む
上記は同じ4,000万円という金額を例にしていますが、実際に勧められるのは2人分の収入を合わせて、1人では届かない物件にも手が届くようにするケースです。共働き世帯(いわゆるパワーカップル)の間では特に人気のある選択肢で、住宅価格が高騰する都市部では特にすすめられやすい方法です。
「収入合算」という似た仕組みもありますが、ペアローンは2人がそれぞれ独立した契約を持つ点が異なります。
ペアローンの主なメリット:
借入額を大きくできる — 2人分の収入で審査するため、1人では届かない物件にも手が届く
住宅ローン控除を2人分受けられる — それぞれが控除を申請できるため、年間最大40万円の減税効果がある
団体信用生命保険(団信)がそれぞれにつく — 万が一の際、その人の借入分が免除される
我が家が組んだ住宅ローン
実際に我が家が組んだ住宅ローンは、借入額 約4,000万円。変動金利・35年返済で、月々の返済はおよそ10万円ほどです。
2019〜2020年当時は歴史的な低金利が続いており、変動金利の実質的な金利は0.5%前後という時代でした。「今が借りどき」という雰囲気が市場全体に漂っていて、少し浮かれた空気感があったのを覚えています。
ペアローンにしていたら、借入額は倍近くになっていた
当時の妻の収入状況を考えると、妻も私と同じくらいの額を借りられた可能性があります。つまり、ペアローンを選んでいれば、借入額は今より大幅に増えていたかもしれません。
試しに数字で考えてみると、こうなります。

当たり前ですが、月々の返済が10万円と21万円では、生活の感覚がまったく違います。当時の我が家では「21万円を毎月返し続ける」という生活は、現実的ではないと判断しました。
住宅ローンは「借りられる額」と「安全に返せる額」が必ずしも同じではありません。実際に我が家の家計で検証した返済比率の話はこちらにまとめています。
単独収入だと返済比率38%、世帯だと25%
ここが、正直いちばんリアルな部分です。
私の収入だけで考えると、住宅ローンの返済比率は手取りで約38%ほどになります。これだけ見ると「かなり厳しい」数字です。家賃のように毎月消えていく固定費が4割近いとなると、生活の余裕はほとんどない計算になります。
ただ、実際は妻も働いているので、世帯収入で見ると返済比率は約25%まで下がります。これくらいになると、貯蓄や投資に回す余力も生まれてきます。
この「単独38%・世帯25%」という構造こそが、単独ローンを選んだ理由のひとつです。妻の収入を「ローン返済に充てる義務のある収入」にするのではなく、「将来のための余白」として残しておきたかった。ペアローンを選んでいたら、その選択肢が消えていました。
もうひとつの理由として、私は妻より10歳年上というのがあります。統計的に見ても、私が先に亡くなる可能性は高い。そのとき、妻にローンの借金を残したくなかった。
単独ローン(夫名義)であれば、夫が亡くなった瞬間に団信によってローン全額が免除され、妻には「借金のない家」が残ります。でもペアローンだと、夫の分しか免除されません。残された妻には自身のローンがそのまま続く。それが嫌でした。
加えて、そもそも私の収入だけで4,000万円の借入が可能だったことも大きかったです。無理して妻を巻き込む必要がなかった、というのが正直なところです。
6年住んで感じたこと
実際に6年生活してみると、住宅ローン以外の支出も思った以上にあります。
子どもの習い事は、ピアノ・英会話・こどもちゃれんじを合わせると、月に2〜3万円はあっという間です。今はまだ年中さんですが、小学校に上がればさらに増えていくのは目に見えています。
車の維持費も地味に大きい。車検のたびにタイヤやバッテリーの交換が重なって、一度に20〜30万円の出費になることもあります。これは月々の返済とは別枠で積み立てておかないと、資金が一気に底をつきます。
外食や旅行も、家族が増えるにつれて単価が上がります。当時は「ローン以外の固定費がここまでかかるとは思っていなかった」というのが正直なところです。
具体的にはこちらの記事にまとめています。
もしペアローンで月21万円の返済を抱えていたら、こうした出費のたびに家計が綱渡りになっていたはずです。
ペアローンの注意点
メリットは冒頭で触れた通りですが、借りる前に知っておきたいリスクもあります。
注意点
借りすぎやすい — 「二人で返せばいい」という楽観的な気持ちになりやすく、生活費や将来の支出を見落としがち
片方が働けなくなっても、それぞれのローンは残る — 育休・病気・転職などで収入が減ったとき、家計が一気に苦しくなる
団信は「自分の借入分」にしか適用されない — 片方が亡くなっても、もう一方のローンはそのまま続く
離婚した場合、名義の解消が非常に難しくなる — 共有名義のまま売却できない・借り換えが通らないというケースも多い
変動金利が上昇した場合、元本が大きいほど影響も大きい
特に団信の仕組みは見落とされがちです。単独ローンなら、万が一のとき全額が免除されて家族に「借金のない家」が残りますが、ペアローンでは残された側のローンが続きます。年齢差がある夫婦や、子どもが小さい家庭は特に意識しておいてほしい点です。
団信についてはこちらに書いています。
健康診断にひっかかる私でも通った、という話なのですが、普通に説明もありますので、よろしければご覧ください。
まとめ
ペアローンは借入額を増やせる便利な仕組みですが、その分だけリスクも大きくなります。
我が家は単独ローンを選びましたが、今振り返ると「慎重な判断だったな」と思っています。月々の返済が10万円に収まっているおかげで、子どもの習い事も車の維持も、想定外の出費も、なんとか乗り越えられています。
「いくら借りられるか」ではなく、「いくらなら一人でも返し続けられるか」。そこを起点にローンを考えたことが、6年後の今になって正解だったと感じています。
これから住宅購入を考えている方の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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