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【洋書・要約】「フックポイント 3秒の世界で目立つ方法」を日本人向けに要約&解説します。なぜあなたの発信は読まれないのか?―3秒で心をつかみ、“伝わる・選ばれる”発信に変える方法


フックポイント

3秒の世界で目立つ方法

著者 ブレンダン・ケイン




はじめに

このnote記事は、無料部分の「小学生でもわかる解説」だけでも十分にご理解いただけます。

有料エリアには「音声考察(日本語版・英語版)」と本のエッセンスをより深く理解するための「大人向けの解説」を用意しております。

なお、この記事は無料・有料・音声考察のすべてにおいて、原著の引用は一切使用しておりません。すべて、私自身の言葉のみで構成したものです。



みなさんは、普段スマホでYouTubeやTikTok、Instagramを見ているとき、どうやって見る動画を決めていますか?

おもしろそうな写真や、ワクワクするタイトルがあったら、思わず指を止めて動画を再生しますよね。

逆に、つまらなそうだなと思ったら、一瞬で次の動画へスクロール(画面をスライドさせること)してしまうはずです。

実は、この「思わず指を止めてしまう瞬間」に、世界中の大企業や有名クリエイターたちが命をかけて戦っているのを知っていますか?

この本を書いたブレンダン・ケインさんは、ネットの世界でたくさんのファンの心をつかむためのスーパープロフェッショナルです。

彼はなんと、たった30日間で100万人のファン(フォロワー)を集めることに成功しました。

この記事ではそんな彼が教えてくれる「一瞬で人の心を引きつけて、ファンになってもらうための秘密」をみなさんにもバッチリわかるように解説していきます!


3秒で決まる!どうして今の世界では「最初の3秒」が一番大事なの?

まず、私たちが生きている今のネットの世界が、どれだけおどろくべき状態になっているかを見てみましょう。

みなさんは毎日、何時間くらいスマホやタブレット、パソコンなどのデジタル画面を見ていますか?

世界中の平均を調べると、大人はなんと毎日11時間もデジタル画面と関わっていると言われています。

さらに、スマホの画面を指でスクロールする長さをすべて合わせると、毎日なんと約90メートル(300フィート)分もスクロールしているのです。

これは、学校のプールの何往復分にもなる、ものすごい長さですね。

さらに、驚くべきデータを紹介します。

Facebook(フェイスブック)では、たった1分間のうちに、約14万7000枚の写真がアップロードされ、5万4000個のリンクが共有され、31万7000件のつぶやき(ステータス)が更新されています。

Instagram(インスタグラム)では、毎日約9500万枚もの写真や動画が投稿されています。

YouTube(ユーチューブ)では、たった1分間に500時間分以上の動画が新しくアップロードされています。

Spotify(スポティファイ)という音楽サービスには、毎日約4万曲もの新しい歌が登録されています。

これだけたくさんの情報が、毎日、毎秒、ネットの海に流れ込んでいます。

デジタル全体でいうと、毎日なんと600億件以上のメッセージが飛び交っているのです。

さらに、私たちが普段生活している中で目にする広告の数も、昔に比べてものすごく増えています。

1970年ごろのアメリカでは、1人が1日に目にする広告の数は約500件でした。

しかし今では、毎日なんと4000件から1万件もの広告を目にしていると言われています。

これだけ情報があふれていると、人間の脳はすべての情報をていねいに見ることができません。

そのため、脳は「自分に関係があるか、おもしろいか」を、一瞬で判断するようになりました。

その判断にかかる時間が、なんと「たった3秒」なのです。

SNSを開発しているFacebookという会社も、動画が再生されてから「3秒間」見続けられたら、それは「この人はスクロールを止めて、自分の意志で動画を見ようとしている」と判断してカウントする仕組みにしています。

つまり、最初の3秒間で相手の心をギュッとつかむことができなければ、どんなに素晴らしい動画や、おいしいお菓子、便利な道具を作ったとしても、誰にも気づかれずにスルーされてしまうのです。

だからこそ、この最初の3秒で相手を引きつける技術が、今の世界で一番大切だと言われています。


人の心をつかむ魔法「フックポイント」ってなに?

では、最初の3秒で相手を引きつけるための「フックポイント」とは、一体どのようなものなのでしょうか?

「フック」とは、お魚を釣るときの「釣り針」のことです。

ネットの海を泳いでいるたくさんの人たちに、自分のメッセージという釣り針(フック)をカチッと引っかけて、立ち止まらせる場所のことを「フックポイント」と呼びます。

フックポイントは、ただの派手な文字だけではありません。

次のようなさまざまなものを工夫して作られます。

短い言葉や、おどろくようなタイトル(キャッチコピー)

気になるデータや、専門家の特別な意見他のみんなが考えたこともないような、新しいアイデアや考え方おもしろい動画の映し方

特別なデザインの写真、その人自身の魅力的なキャラクターや、すごいパフォーマンス

他のどこにもないような、新しいサービスや商品そのものこれらを組み合わせて、

「えっ、それってどういうこと!?」と相手に思わせることができれば、フックポイントは大成功です。

ここで、フックポイントを使って大成功した有名な例をいくつか紹介しましょう。

【例1:お風呂に入れないくらい冷たい靴?】

ティンバーランドという頑丈なブーツ(靴)を作る会社が、昔、新聞に出した広告にこんなタイトルをつけました。

「あなたの目は凍りつき、肌は真っ黒になりました。あなたは医学的にはもう死んでいます。……さあ、ブーツの話をしましょう。」

これを見た人は、思わず「えっ!?死んでるってどういうこと!?」とびっくりして、続きを読むのを止められなくなりました。

実は、これは凍えるほど寒い冬の山で起きる「低体温症」の症状をドラマチックに説明したものでした。

この恐ろしい寒さからあなたを守るために、どれだけこのブーツが優れているかを説明するための素晴らしいフックだったのです。

【例2:世界最大の映画レンタル店を倒した、小さな会社のフック】

昔、アメリカには「ブロックバスター」という、世界中に何千ものお店を持つ巨大なビデオレンタル屋さんがありました。

今のみなさんでいうゲオやTSUTAYAのようなお店です。

そこに「ネットフリックス」という、当時はまだ誰も知らない小さな会社が立ち向かいました。

ネットフリックスが使った強力なフックポイントは、「返却期限(返す日)がありません。遅れても、遅延金(罰金)はゼロです」というものでした。

それまでのビデオ屋さんは、返すのが1日でも遅れると、高いお金を払わなければなりませんでした。

これがみんなの大きな不満(ペインポイント)だったのです。

ネットフリックスはこの不満を解決するフックを使うことで、一気にみんなの注目を集め、最終的にはあの巨大だったブロックバスターを倒して、世界最大の動画サービスへと成長したのです。

【例3:ナイキのフックは、靴ではなく「あの有名選手」】

スポーツ用品で有名な「ナイキ」のフックポイントは、実は「かっこいいスニーカー」そのものではありません。

ナイキは、マイケル・ジョーダン選手やレブロン・ジェームズ選手、セリーナ・ウィリアムズ選手といった、世界で一番強くてかっこいいスーパーアスリートたちをサポート(スポンサー)しています。

この「憧れの選手がナイキのマークをつけて戦っている姿」こそが、ナイキの一番のフックポイントなのです。

これによって、みんなが「あの選手みたいになりたい!」とナイキに注目し、ブランドのファンになっていきます。

このように、ただ「この商品は良いですよ」とアピールするのではなく、相手が思わず気になってしまう切り口を見つけることが、フックポイントの魔法なのです。


魔法のフックポイントを作る「5つのステップ」

フックポイントがどんなものか分かったところで、「じゃあ、どうやって自分だけのフックポイントを作ればいいの?」と思いますよね。

著者であるブレンダン・ケインさんは、誰でもフックポイントを作ることができるようになるための「5つのステップ」を教えてくれています。

このステップを一つずつクリアしていくことで、みんなもプロのようなフックを作ることができます。

【ステップ1:うまくいっているものをマネして学ぶ】

まずは、世の中で人気があるものや、思わず自分が指を止めてしまったタイトルや写真をたくさん集めて、リスト(表)を作ってみましょう。

例えば、おもしろい本のタイトル、雑誌の表紙、YouTubeのサムネイル(最初の画像)、街で見かける看板などを探します。

そして、その成功しているフックポイントの一部を、自分の紹介したいものや、自分のテーマの言葉に置き換えてみる練習をします。

(※もちろん、そのまま盗んで使ってはいけません。あくまで「どうしてこれが魅力的なのか」を理解するための練習です。)

【ステップ2:うまくいっていないものから学ぶ】

今度は逆に、あまり人気がない動画や、誰も見ていないネットのページ、つまらなそうな看板などを探してみましょう。

そして、「どうしてこれは人気がないんだろう?」「どうして自分の心に響かなかったんだろう?」と、原因を考えてみます。

文字が多すぎて、読むのがめんどくさい。

なにを言いたいのか、意味がよくわからない。

昔からみんなが何万回も言っている、ありきたりな表現になっている。

見る人のことではなく、自分の自慢話ばかりしている 。

このような「失敗の原因」を知ることで、自分が同じ失敗をするのを防ぐことができます。

【ステップ3:自分だけのオリジナルを作る】

いよいよ、自分だけのフックポイントを作ります。

ここで、楽しい想像(イマジネーション)をしてみましょう。

「あなたは、たくさんの人でごった返す、うるさい街の中を歩いています。車はプップーとクラクションを鳴らし、魅力的な人たちがすれ違い、みんなが肩をぶつけ合っています。その街角に、雑誌が30冊も並んでいる本屋さんがあります。忙しい人がその前を通り過ぎるとき、思わず足を止めて、その雑誌を手に取って買いたくなるような『おどろきのタイトル(見出し)』を考えてください。」

このくらい、ライバルがたくさんいて、みんなが忙しくしている厳しい状況をイメージしながら、アイデアを考えます。

コツは、頭の中に浮かんだアイデアを、とにかくたくさん紙に書き出すことです。

50個でも100個でも、思いついたものを全部書きましょう。

最初はありきたりなものしか出ませんが、限界を超えて書き続けることで、今まで誰も思いつかなかったようなおもしろいフックが生まれます。

たくさん書いた中から、最高の3つを選び抜きます。

【ステップ4:作ったフックを、ライバルと比べる】

ステップ3で選んだ最高の3つのアイデアを、ステップ1で見つけた「世の中の素晴らしいフックポイント」と横に並べて見比べてみましょう。

そして、友達や家族、周りの人に見せて、「どっちが気になる?」と聞いてみます。

もし、自分の作ったフックが、すでに成功しているプロのフックに負けていると思ったら、勝てるようになるまで何度も言葉を書き直して磨き上げます。

【ステップ5:テストして、やり直して、繰り返す】

最後に、実際にフックを使ってみて、みんなが本当に注目してくれるかをテストします。

ネットの世界では、これを「A/Bテスト(エービーテスト)」と呼びます。

これは、例えば「タイトルA」と「タイトルB」の2つのパターンを用意して、どちらの方がたくさんの人にクリックされるかを科学的に比べる実験のことです。

もし思ったよりうまくいかなくても、がっかりする必要はまったくありません。

何度も言葉を少しずつ変えたり、写真を入れ替えたりしながら、一番反応が良いものを見つけ出すまで粘り強く繰り返すことが、もっとも大切です。


相手を夢中にさせる「ストーリー」の伝え方と話し方の秘密。

最初の3秒間でフックポイントを使い、相手を「立ち止まらせる」ことができたら、次にやるべきことは何でしょうか?

それは、立ち止まってくれた相手に「素晴らしいストーリー(お話)」を伝えて、最後まで楽しんでもらうことです。

いくら最初の3秒が面白くても、その後に続くお話がつまらなかったら、相手はすぐに逃げてしまいます。

相手を最後まで夢中にさせるために、この本では特別な「伝え方の秘密」が紹介されています。

【相手の「心の言葉」に合わせた6つのタイプ(PCM)】

みなさんは、友達と話しているとき、「この子とは話がすごく合うな」とか、逆に「なんだか話がかみ合わないな」と感じることはありませんか?

実は、人間にはそれぞれ「世界をどうやって感じているか」という、心の特徴が大きく分けて6つのタイプあります。

これを「プロセス・コミュニケーション・モデル(PCM)」と呼び、アメリカの宇宙開発チーム(NASA)や、大統領の選挙、アニメ映画で有名な「ピクサー」でも使われています。

その6つのタイプを紹介します。

論理(シンカー・考える人):

データや筋道が通っていることが大好き。「何リットル」「何%」などの数字で説明されると納得します。

意見(パーシスター・信念の人):

自分の考えや価値観を大切にします。信頼できることや、「これは正しい」と思える話に耳を傾けます。

感情(ハーモナイザー・思いやりの人):

気持ちや心のつながりを大切にします。「うれしい」「気持ちいい」「ワクワクする」といった感情に響く言葉が大好きです。

想像(イメージャー・想像する人):

頭の中で自由なイメージを膨らませるのが得意。静かにじっくり考えるのが好きです。

反応(レベル・反抗する人):

ユーモアや楽しいリアクションが大好き!おもしろいギャグや、ノリが良い話にすぐに飛びつきます。

行動(プロモーター・行動する人):

とにかく今すぐアクションを起こすことが大好き。魅力的な話や、スリルがある話に引きつけられます。

大統領の選挙で勝ったビル・クリントンさんは、スピーチをするときに、この6つのタイプすべての人が満足するような言葉を、バランスよく混ぜて話す天才でした。

例えば、 「この車は、1リットルで何キロ走るという素晴らしい性能を持っています(論理の人向け)。

私たちは、この車こそがお客様の生活を一番豊かにすると信じています(意見の人向け)。

とっても乗り心地が良くて、家族みんなでドライブすると本当に幸せな気持ちになれますよ(感情の人向け)。

これに乗ったら、クラスのみんなも『すげえ!かっこいい!』と大はしゃぎするはずです(反応の人向け)」 というように話すのです。

これを聞くと、どのタイプの人も「わあ、このお話は自分にぴったりだ!」と感じて、最後まで夢中で聞いてくれます。

発表会や作文でも、この「6つのタイプみんなに届く言葉」を意識すると、クラス中を感動させることができますよ。

【お話を「おとぎ話」の形にする】

もう一つのコツは、お話を「おとぎ話(お姫様とドラゴンの話)」の形にすることです。

世界中で何百年も語り継がれているおとぎ話には、決まった形があります。

「むかしむかし、あるところに平和な国がありました。」(平和な日常)

「ある日、恐ろしいドラゴンがやってきて、国をめちゃくちゃにしました。」(問題の発生)

「そこに勇者が現れて、剣を抜いてドラゴンを退治しました!」(ヒーローの解決)

「そして、みんなは幸せに暮らしましたとさ。おしまい。」(ハッピーエンド)

これを自分の話や、商品の紹介に応用するのです。

例えば、 「むかしむかし、みんなはただ一生懸命に英語を勉強していました(日常)。

しかし、いくら勉強しても、テストばかりで全然英語が話せるようにならないという『大きなドラゴン(問題)』が立ちふさがりました(問題の発生)。

そこに、ゲーム感覚で楽しくおしゃべりできる新しい学習アプリという『勇者』が現れました(ヒーロー)。

これを使ったみんなは、あっという間に英語がペラペラになり、世界中に友達を作って楽しく暮らしました(ハッピーエンド)。

」このようにストーリーを組み立てると、聞いている人はハラハラドキドキしながら、最後までお話を一気に楽しんでくれるのです。


ウソは絶対にダメ!「信頼」と「本物であること」の大切さ。

ここで、ものすごく重要で、絶対に守らなければならないルールを説明します。

それは、「絶対にウソをついてはいけない(本物=オーセンティックでなければならない)」ということです。

最初の3秒で人の心をつかむために、大げさなウソや、だますようなタイトルをつけることを「クリックベイト(クリック詐欺・釣りタイトル)」と呼びます。

みなさんも、「超おどろきの結末!」と書いてあるからクリックしたのに、中身を見たら全然つまらない動画で、がっかりしたことはありませんか?

そのとき、「このチャンネルはもう二度と見ないぞ!」と怒ったはずです。

クリックベイトは、一瞬だけ人の目を引くことはできても、相手の「信頼」を完全に失ってしまいます。

今の世界で一番大切なのは、立ち止まってくれた人と「仲良くなって、ずっと信頼してもらうこと」です。

【本物だからこそ、人の心に響く】

フックポイントは、必ず「本当のこと(本物のストーリー)」につながっていなければなりません。

例えば、この本の中で、著者のブレンダンさんの友達が、Katie Couric(ケイティ・クーリック)という有名なジャーナリストの動画をネットで大ヒットさせたときの話があります。

一番ヒットしたのは、Brandon Stanton(ブランドン・スタントン)さんという、街の人の写真を撮ってネットに載せている「Humans of New York」のクリエイターにインタビューした動画でした。

この動画は、なんと2000万回以上も再生されました。

なぜ、そんなに大ヒットしたのでしょうか?

それは、ブランドンさんがインタビューの中で、自分の熱い思いや、本当の気持ち(本物=オーセンティックな姿)を、ものすごい真剣な表情と声で語ったからです。

その姿を見た人たちは、「この人は本気で話しているんだ!」と感じ、心を強く動かされて、自分の友達に「この動画、本当にすごいから見て!」とどんどんシェア(共有)していきました。

【ウソをついた会社は、一瞬でつぶれてしまう】

逆に、フックポイント(見せ方)だけがものすごく上手で、中身がウソだったプロジェクトは、最悪の結果を迎えます。

アメリカで起きた「Theranos(セラノス)」という医療の会社は、 「たった1滴の血液だけで、あらゆる病気の検査ができる」という、夢のようなフックポイントをアピールして、何千億円という大金を集めました。

社長のElizabeth Holmes(エリザベス・ホームズ)さんは若くして大金持ちになりましたが、実はその技術は真っ赤なウソ(偽物)でした。

結局、ウソがばれて会社はつぶれ、彼女は裁判にかけられてしまいました。

どんなに人を引きつけるフックポイントを作っても、中身がウソであれば、最後にはすべてが崩れ去ってしまいます。

「自分の言っていることは本物か?」「相手に約束したことを、ちゃんと届けられるか?」を、常に自分に問いかけ続けることが、世界一流のプロフェッショナルでい続けるための最大の秘密なのです。


自分の価値をタダで配る?「ファン」をどんどん増やす方法。

さて、フックポイントと本物のストーリーが準備できたら、次はそれをどうやってたくさんの人に届けて、自分の「大ファン」になってもらうかを考えましょう。

そのために効果的なのが、「最初に、最高の価値をプレゼントする(ギブする)」という考え方です。

多くの人は、「自分をアピールしたい!」「自分の商品を売りたい!」と、もらうこと(テイク)ばかり考えてしまいます。

しかし、ネットの世界にはおもしろい動画や素晴らしいサービスが無限にありますから、最初から「これ買って!」と売り込まれると、人は嫌がって逃げてしまいます。

そこで、一流の人は「えっ、こんなに素晴らしいものをタダでくれちゃうの!?」というおどろきのプレゼントを最初にします。

【最高のアイデアを、100%タダでプレゼントする】

ビジネスの天才と呼ばれるGary Vaynerchuk(ゲイリー・ヴェイナチャック)さんは、普段からネットで、自分が必死に考えたビジネスの作戦やアイデアを、すべて無料でみんなに教えています。

あるとき彼は、普通なら15万円以上払わないと教えてもらえないような、超一流の「ネット作戦マニュアル(88ページ)」を、完全にタダでネットに公開しました。

これを見た人たちはどう思ったでしょうか? 「こんなにすごい情報をタダでくれるなんて、この人は本物だ!信頼できる!」と感動し、みんながゲイリーさんの大ファンになりました。

そして、もっと詳しいアドバイスが欲しいと思った大企業が、今度は何千万円、何億円という高いお金を払って、彼の会社に仕事を依頼するようになったのです。

【心が動くから、人はシェアしたくなる】

40億回以上も動画が見られている大人気クリエイターのJ Shetty(ジェイ・シェティ)さんも、みんなの生活が豊かになるような「知恵のアドバイス動画」を無料でたくさん投稿しています。

彼が言うには、動画が世界中に広まる(バイラルする=ウイルスのように一気に拡散すること)のは、次の5つの感情のテーマがあるときです。

冒険(アドベンチャー)

おもしろさ(コメディ)

感動(エモーション)

やる気が出る(インスピレーション)

おどろき(サプライズ)

人は、「頭で考えたこと」ではなく、「心で強く感じたこと」があるときに、初めて「これを誰かに教えたい!」と思ってシェア(共有)ボタンを押します。

だからこそ、最初に相手の心を動かす最高の価値をプレゼントすることが、ファンをどんどん増やして、自分をスケール(拡大)させていく一番の近道なのです。


ずっと人気者でいるために!「フックの寿命」と進化し続ける秘訣。

最後に、無事に大成功を収めて人気者になったあとの話をします。

実は、どんなに素晴らしいフックポイントを作って大ヒットしたとしても、それで終わりではありません。

なぜなら、フックポイントには「寿命(じゅみょう)」があるからです。

これをおすすめの言葉で「フック・ファティーグ(フックの疲労・飽きられること)」と呼びます。

フックポイントが飽きられてしまう理由は、大きく分けて2つあります。

【理由1:他の人がすぐにマネをするから】

おもしろいアイデアを思いつくと、必ず他のみんながそれをマネして、同じような動画やスニーカーを作り始めます。

先ほど紹介した「Toms Shoes(トムズ・シューズ)」という会社は、 「あなたが靴を1足買うごとに、くつの買えない貧しい国の子供たちに、もう1足靴をプレゼントします」という、素晴らしい「1対1(ワンフォーワン)」のフックを使って大急ぎで成長しました。

しかし、このやり方があまりにも大成功したため、世界中の他の会社が同じ仕組みをマネし始めました。

すると、最初は新しくて特別だった「1対1」のフックが当たり前になってしまい、だんだんと輝きを失ってしまったのです。

【理由2:人間は、同じものを見続けると飽きるから】

いくら大好きな大人気アトラクションでも、毎日10回、何年も乗り続けたら、いつかは飽きてしまいますよね?

それと同じで、どんなに衝撃的だったフックポイントも、何度も見ているうちに、人間の脳は慣れてしまって、指を止めなくなってしまいます。

ディズニーランドやディズニーシーが、何年かに一度、何百億円ものお金をかけて新しいエリア(例えば、スター・ウォーズの世界など)を新しく作るのは、みんなに飽きられずに、いつでも新鮮なフックポイントを届けるためなのです。

【進化し続ける「テストと学び」のサイクル】

だからこそ、プロフェッショナルは「一度うまくいったからこれで安心だ」とあぐらをかくことは絶対にしません。

常に「次のみんなが困っていることはなんだろう?」「次のおもしろい切り口はなんだろう?」と考え続け、新しいフックポイントを作ってはテストし、磨き上げ続けています。

スニーカーで有名な「ナイキ」も、 「最高のランニングシューズ」という最初のフックが古くなってきたら、「超一流のプロアスリートをサポートする」という新しいフックを進化させました。

さらに最近では、「オリンピックで禁止されるかもしれないくらい、速すぎる革新的なシューズ(ズームヴェイパーフライ)」というニュースを新しいフックポイントにして、常に世界中をワクワクさせ続けています。

ナイキの「世界をスポーツでひとつにする」という中心にある魂(なぜやるのか=Why)はずっと変わりませんが、みんなに注目してもらうためのフックポイントは、時代に合わせてどんどん進化させているのです。


みんなの未来を変える「伝える力」を身につけよう!

さて、たくさんのお話をしてきましたが、最後に一番大切なことを振り返りましょう!最初の3秒で、忙しい相手の心をギュッとつかむこと。

相手の困りごとを解決する、自分だけのフックポイントを見つけること。

聞く人のタイプ(PCMの6つの心)に合わせて、本物のストーリーを伝えること。

もらうことより先に、相手がよろこぶ最高の価値をタダでプレゼントすること。

飽きられないように、常に新しくテストして進化し続けること。

この本が教えてくれるテクニックは、ただの「ネットの裏ワザ」ではありません。

本当に大切なのは、目の前にいるお父さんやお母さん、学校の先生、クラスの友達、そして将来出会うたくさんの人たちのことを「思いやり(エンパシー)」を持って見つめ、その人たちのために何ができるかを一生懸命に考えて、伝えることです。

皆さんも、今日からさっそく「どうやって話したら、友達がびっくりして面白がってくれるかな?」と考えて、自分だけの小さなフックポイントを作ってみてください。

きっと、世界がもっともっと楽しく、キラキラ輝いて見えるようになりますよ!

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