株価暴落が怖い人へ―狼狽売りを防ぎ、優良株を安く買う長期投資の思考法「大暴落の夜に長期投資家が考えていること」を小学生でも分かるように説明します
大暴落の夜に長期投資家が考えていること
著者 ろくすけ
はじめに
このnote記事は、無料部分の「小学生でもわかる解説」だけでも十分にご理解いただけます。
有料エリアには「音声考察(日本語版・英語版)」と本のエッセンスをより深く理解するための「大人向けの解説」を用意しております。
なお、この記事は無料・有料・音声考察のすべてにおいて、原著の引用は一切使用しておりません。すべて、私自身の言葉のみで構成したものです。

今回の記事は、株式投資に20年以上取り組み、なんと3億円もの資産を築いた「ろくすけ」さんという方の考え方をお話しします。
株式投資と聞くと、なんだか難しそう、大人がパソコンの画面をにらみつけてお金儲けをしている、というイメージがあるかもしれません。
でも、ろくすけさんの投資のやり方は、世の中の多くの人がやっている方法とは少し違います。
ろくすけさんが大切にしているのは、目先のお金ではなく、企業の本当の価値を見抜いて、長い時間をかけて応援することです。
この記事を最後まで読めば、きっと株式投資へのイメージが大きく変わり、世の中の仕組みが少し違って見えるようになりますよ。
株価の大暴落はピンチじゃなくてチャンス!
みなさんは株価の大暴落という言葉を聞いたことがありますか?
株価というのは、会社の価値に付けられた値段のことです。
この値段が、ある日突然、ものすごい勢いで下がってしまうことがあります。
これを大暴落と呼びます。
最近で一番大きな暴落は、2024年8月5日の月曜日に起きました。
この日、日本の代表的な株価である日経平均株価は、3万5249円でスタートしたあとどんどん下がり続け、最終的にはたった1日で4451円も下がってしまいました。
割合で言うと12.4パーセントのマイナスで、これは1987年に起きた出来事に次ぐ、歴史上2番目にひどい下落でした。
この時は、アメリカの景気が悪くなるかもしれないという不安や、為替が急激に円高になったことなど、いろいろな要因が重なって起きたと言われています。
こういう大暴落が起きると、多くの大人の投資家たちはパニックになります。
自分の持っている株の値段が毎日どんどん下がっていくのを見て、「これ以上お金が減ったらどうしよう!もう嫌だ、今すぐ売ってしまおう!」と恐怖にかられて、慌てて株を手放してしまいます。
これを狼狽売りと呼びます。
しかし、ろくすけさんは、この狼狽売りこそが絶対にやってはいけない一番の失敗だと強く言っています。
なぜなら、株価の暴落というのは、実は3年から5年に一度、必ずと言っていいほどやってくるものだからです。
過去にも、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災の時の急落、2016年のチャイナショック、2020年のコロナショックなど、株価が大きく下がる出来事は何度も起きています。
では、ろくすけさんのような長い目で投資をする長期投資家は、大暴落の夜に何を考えているのでしょうか。
実は、「やった!これは大チャンスだ!」と考えているのです。
普段は高くてなかなか買えない素晴らしい会社の株が、世の中のパニックにつられて、ありえないくらい安い値段で投げ売りされているからです。
大暴落の時こそ、狼狽売りをするのではなく、冷静に買うことを考えるべきなのです。
資本主義の世界では、リスクを取らなかった人から、リスクを取った人へと富が移動する仕組みになっています。
みんなが怖がっている時に勇気を出してリスクを取った人が、後になって大きな利益を得られるのです。
「株価」と「企業の本当の価値」は違うもの。
大暴落の時に慌てないためには、株価と企業の本当の価値は全く別のものだということを、しっかりと理解しなければなりません。
ろくすけさんは、株価を影に、企業の本当の価値を実体に例えています。
企業の本当の価値というのは、その会社が将来にわたってどれくらいお金を稼ぐ力があるか、ということです。
この実体に、人々の欲や恐怖という光が当たることで、株価という影ができます。
人々が「もっと儲けたい!」と欲張っている時は、光の当たり方が変わって、影である株価は実体である本当の価値よりもずっと大きく、長く伸びてしまいます。
これがバブルと呼ばれる状態です。
歴史を振り返ると、17世紀のオランダではチューリップの球根1個で家が1軒買えるほど値段が上がったチューリップバブルというおかしな出来事もありました。
人間は欲深くなると、悪いニュースを無視してでも株を買い続けてしまうのです。
逆に、人々が「お金が減るのが怖い!」と怯えている大暴落の時は、影である株価は実体よりもずっと小さく縮んでしまいます。
パニックになって投げ売りが起こり、本来の実力よりもはるかに安い値段がついてしまうのです。
だから、毎日変わる株価という影ばかりを見ていてはいけません。
株式市場には、ミスターマーケットという、毎日気分がコロコロ変わる不思議なおじさんがいると想像してみてください。
このおじさんは、株価が上がっている時は「今買わないと損するぞ!」と耳元でささやき、株価が下がっている時は「今売らないと大変なことになるぞ!」と脅してきます。
テレビの番組などで「外国人観光客が増えるから、この会社の株が上がるはずだ」といった連想ゲームで株を買う人がいますが、それも結局は他人がどう動くかを予想しているだけで、企業の本当の価値を見ていません。
ミスターマーケットのささやきや、世間の連想ゲームに惑わされず、自分自身の頭で「この会社には本当に稼ぐ力があるのか?」と、実体を見つめることが大切なのです。
応援したい会社を見つける「投資ストーリー」
では、実体のある素晴らしい会社はどうやって見つければいいのでしょうか?
ろくすけさんは、数字の計算が苦手な人でもできる方法を教えてくれています。
まず大切なのは、直感と言語化です。
お店で買い物をしたり、ニュースを見たりして、「この会社、なんか面白いな」「すごいことをしているな」と思ったら、どうしてそう思ったのかを言葉にしてメモに書いてみましょう。
例えば「商品に他にはない特徴がある」とか、「大きなサイズの靴がいつも揃っている」といった簡単な言葉で構いません。
企業が自分の目指す姿を言葉にしていることもあります。
例えば、前田工繊という会社は「混ぜる会社」というメッセージを出していて、色々な技術や人材を混ぜ合わせて新しいものを生み出しています。
また、エスプールという会社は、企業や自治体の切実な困りごとを解決しながら社会の役に立つ事業を展開しています。
こういった企業の思いを自分の言葉で書き残しておくことが大切です。
次に、少しだけ数字を確認します。
上場企業が必ず出している有価証券報告書という書類を見ます。
この書類の最初の方にある表を見て、過去5年や10年の業績をチェックします。
ここで確認するのは次の3つです。
1つ目は、売上や利益が安定して成長していること。
一時的にドカンと儲かる会社より、毎年着実に利益を増やしている会社の方が安心です。
例えば、薬やスキンケア商品を作っているロート製薬という会社は、過去10年間で売上を着実に伸ばし、利益に関しては2020年から倍以上に増やしていて、稼ぐ力があることがわかります。
2つ目は、少ない投資でたくさん現金を稼げているかを確認します。
これも、ロート製薬は事業で得た現金の範囲内で上手に投資を行い、しっかり現金を手元に残していることが数字から読み取れます。
3つ目は、借金が多すぎないかを確認する自己資本比率と、株主のお金を効率よく使って利益を出しているかを確認するROEをチェックします。
さらに、3C分析という方法を使って、その会社がライバルにどうやって勝っているのかを調べます。
例えば、オートバイのヘルメットを作っているSHOEIという会社は、コストを安くするために海外で生産する会社が多い中、メイドインジャパンであることに強いこだわりを持っています。
品質を絶対に落とさないという強い意志が、世界中のお客さんから愛されるブランド力につながっているのです。
こうした情報を集めたら、最後に自分だけの投資ストーリーを作ります。
その会社が独自の強みを生かして、5年後、10年後にどんな素晴らしい未来を作っていくのか、自分なりに想像して物語を描くのです。
このストーリーがあれば、株価が暴落しても、「いや、この会社の未来は明るいから大丈夫だ」と信じ続けることができます。
計算してみよう!自分だけの目標株価。
投資ストーリーができたら、次はいくらならその株を買っていいのかを計算します。
ろくすけさんは、これをマイ目標株価と呼んでいます。
他の誰かが決めた数字ではなく、自分で考えたストーリーをもとに計算するからマイ目標株価なのです。
少しだけ算数を使いますが、難しくありません。
まず、その会社の5年後の1株あたりの利益を予想します。
過去の成長のスピードや、これからの市場の広がりを考えて、5年後にはどれくらい利益が増えているかを計算します。
次に、その会社がどれくらい株式市場から期待されているかを示す株価収益率という数字を使います。
アルファベットでPERと書きます。
順調に成長している会社は、このPERが高くなる傾向があります。
そして、5年後の1株あたりの利益にPERを掛け算します。
これで、5年後の予想株価が出ます。
最後に、その予想株価を半分にします。
つまり2で割るのです。
これがあなたのマイ目標株価です。
例えば、メガネのレンズなどで有名なHOYAという会社の例を見てみましょう。
ろくすけさんの計算では、HOYAの5年後の1株あたりの利益は803円、PERを35倍と予想しました。
803円に35を掛けると、2万8105円になります。
これを半分にすると、1万4052円です。
これがマイ目標株価です。
もし、今の本当の株価がこの1万4052円よりも安ければ、それはお買い得だから買うチャンスということです。
逆に、今の株価がこれより高ければ、今はまだ高いから買うのはやめておこうと判断できます。
大暴落の日は、多くの会社の株価がこのマイ目標株価を大きく下回ります。
だからこそ、普段から気になる会社を見つけて買い物リストを作っておき、目標株価を計算しておくことが大切なのです。
そうすれば、暴落が来た時に慌てずにチャンスを掴むことができます。
最初は一番少ない単位で少しだけ買ってみて、1年くらいじっくりとその会社を観察し、本当に自分のストーリー通りに成長しているかを確認しながら、少しずつ買い増していくのがろくすけさんのやり方です。
会社を応援する「推し活」としての株式投資。
株式投資は、ただお金を増やすための手段ではありません。
ろくすけさんは、株式投資を推し活のようなものだと考えています。
好きなアイドルやアニメのキャラクターを応援するのと同じように、大好きな会社を見つけて、その会社の成長を心から応援するのです。
ろくすけさんが心から推している会社の一つに、ダブルエーという婦人靴の会社があります。
この会社は、婦人靴のユニクロと呼ばれるほど、効率よく靴を売る仕組みを作りました。
靴は服と違ってサイズがたくさんあり、箱も大きくてかさばるので、在庫の管理がとても難しい商品です。
しかしダブルエーは、中国の工場と直接やり取りをして、必要な分だけを少しずつ、高い頻度でお店に届けるという素晴らしい仕組みを作り上げました。
さらに、ダブルエーは働く人の7割が女性で、役員も女性がたくさん活躍しています。
お客さんの気持ちが一番わかる女性たちが中心になって会社を動かしている点も、ろくすけさんがこの会社を高く評価している理由です。
新型コロナウイルスが流行して大変だった時も、すぐに医療関係者に靴をプレゼントしたり、思い切った広告を出したりと、スピード感あふれる対応をしたことで、ろくすけさんはますますこの会社にのめり込んでいきました。
推し活の醍醐味は、実際に推しに会いに行くことです。
株式投資の場合は、株主総会に行くことがそれにあたります。
株主総会とは、会社の経営者と株主が直接話し合う年に一度のイベントです。
ろくすけさんは、モーターを作っているニデックの株主総会に参加した時のことを熱く語っています。
創業者の長森会長は、株価が下がって文句を言う株主に対して、「今が株の買い時ですよ!投資すべき時には投資しないとダメだ!」と、ものすごい熱量で語りかけました。
配当金を増やしてほしいという声に対しても、「配当に回すお金があるなら、新しい事業に投資して会社を成長させた方が株主のためになる。
それが理解できないなら、うちの株は持たなくていい」とはっきりと言い切りました。
このような経営者の本気の言葉を直接聞くことで、ますますその会社を応援したくなるのです。
ただし、推し活だからといって、盲目になってはいけません。
もし、その会社が自分の思っていた方向と違う行動をしたら、きっぱりとお別れすることも大切です。
例えば、リログループという会社は、ろくすけさんが長く応援して利益を出してくれた会社でしたが、ある時、自分たちの身の丈に合わないアメリカの会社を高い値段で買収して失敗してしまいました。
ろくすけさんは「これは自分の投資ストーリーと違う」と判断し、持っていた株をすべて売却しました。
どれだけ儲かっていても、損をしていても、過去の買値にはこだわらず、今の会社の価値を見て冷静に判断することが重要なのです。
株は会社を応援する「リレーのバトン」
ここで、少し根本的な話をしましょう。
そもそも株とは何なのでしょうか?
株式市場で私たちが株を買う時、払ったお金は直接その会社に入るわけではありません。
前にその株を持っていた別の投資家に渡るだけです。
それなのに、なぜ株を買うことが会社を応援することになるのでしょうか。
ろくすけさんも、昔はこのことが不思議でモヤモヤしていたそうです。
その疑問を解決してくれたのは、株はリレーのバトンであるという考え方でした。
会社というのは、社会の役に立つために、100年以上も続くことを目指して事業を行っています。
しかし、私たち人間の命には限りがありますし、急にお金が必要になることもあります。
だから、一人の人が最初から最後までずっと会社を応援し続けることは不可能です。
そこで、会社を応援する気持ちを株というバトンにして、次の投資家へと渡していくのです。
私はここまで応援したから、次はあなたがこの会社を支えてあげてねというように、過去から現在、そして未来へとバトンをつないでいく長いリレー。
それが株式投資の本当の姿なのです。
株式市場は、そのバトンを渡す相手を見つけるための場所です。
いつでもバトンを渡せる場所があるからこそ、投資家は安心して新しい事業にお金を出すことができ、世の中を良くする新しい技術やサービスが生まれるのです。
最近は、インデックスファンドという、たくさんの会社の株をまとめて少しずつ買う投資信託がとても人気です。
毎月決まった額を自動で積み立てていくので、株価を気にしなくていいというメリットがあります。
しかし、ろくすけさんは、インデックスファンドだけを買うことは、ある意味で考えることを諦めた降伏だと言っています。
なぜなら、数百、数千という会社がまとめられているため、一つ一つの会社がどんな事業をしていて、どんな社会の役に立っているのかに全く興味を持たなくなってしまうからです。
それはとてももったいないことです。
自分が投資しているお金が、どんな人たちの努力によって利益を生み出しているのかを知らずにただお金が増えるのを待つよりも、自分の頭で調べ、心から応援したい会社を見つけて直接株を持つ方が、ずっとワクワクして、資本主義の本当の恩恵を受けられるはずだと、ろくすけさんは考えています。
投資で目指す本当のゴールとは?
ろくすけさんは現在、会社員を辞めて、自分の好きな企業に投資をして生活しています。
しかし、ただ楽をしてのんびり暮らしているわけではありません。
ろくすけさんには、新しい目標、本当のゴールがあります。
それは、日本の素晴らしい上場企業の岩盤支持層を作ることです。
岩盤支持層とは、ちょっとやそっと株価が下がったり、悪いニュースが出たりしたくらいでは決して揺るがず、長い目で会社を信じて支え続ける強い株主のことです。
世の中には、将来に向けて素晴らしい挑戦をしているのに、株価という影ばかりを見る投資家が多いせいで、正当な評価を受けていない会社がたくさんあります。
特に、規模がまだそれほど大きくない中小型の会社は、プロの機関投資家がなかなか買えないため、個人投資家が売り買いの中心になっています。
しかし、目先の利益だけを狙ってすぐ株を手放す人が多いのが現実です。
だからこそ、個人投資家が自ら学び、会社の本当の実力を見抜く力をつけることが大切なのです。
ろくすけさんは、スパークスアセットマネジメントのような、しっかりとした哲学を持って企業を調査しているプロの投資信託のレポートを読むことを勧めています。
プロの視点から学びつつも、情報を鵜呑みにせず、最後は自分で決める主体性を持つことが重要です。
自分で描いた投資ストーリーを持ち、時間という強い武器を持った個人投資家が増えれば、企業は目先の株価を気にすることなく、安心して10年、20年先を見据えた大きな事業に取り組むことができます。
ろくすけさんは、そんな企業と投資家の架け橋になりたいと活動しています。
ろくすけさんが尊敬する投資家に、武田和平さんという方がいます。
たまごボーロで有名な会社を作った方ですが、投資家としてもたくさんの会社を応援し、最後は大型の会社に投資先を絞り込んでいきました。
ろくすけさんもいずれは同じように、投資先を日本の素晴らしいグローバル企業にシフトしていくかもしれないと考えています。
そして、投資の最後の出口について。
ろくすけさんは、自分が応援し続けてきた日本の素晴らしい企業の株を、自分の子どもや家族に遺せる株として残したいと考えています。
歴代の経営者や社員の思いが詰まったリレーのバトンを、次の世代に託すこと。
その気持ちを家族に分かってもらうことが、ろくすけさんがたどり着いた長期投資の理想の姿であり、大暴落の夜に一人で静かに考えていることなのです。
みなさんも、もし街で面白い商品を見つけたり、ニュースですごい技術を知ったりしたら、この会社はどんな思いでこれを作っているんだろうと想像してみてください。
その好奇心が、未来の社会を良くする企業を応援する第一歩になります。
いつか大人になった時、みなさんが素敵なリレーのバトンを握る立派な投資家になっていることを願っています。

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