宇宙喫茶で会いましょう。|第6話|やる気を待っていた
ギア
「今日はやけに眠そうだな、人間。」
人間
「……また今日も何もできなかった。」
「……ぜんぜんやる気が出なくて、何にもしたくないんだ。」
ギア
「そりゃ最高じゃないか。」
人間
「え?」
(コメタが、ふわっと現れる。)

コメタ
「ぽぺ〜〜〜? やる気って、どこから出るの〜?」
ギア
「煙みたいに出てくるのか?」
コメタ
「どんな色なんだろう〜〜〜。」
人間
「え?」
コメタ
「木になるのかな〜?」
「それとも、コーヒーに入れると出てくるの〜?」
「どこで採れるの〜? ぽぺ〜〜〜☁️」
ギア
「探したことあるが、見つからなかったな。」
コメタ
「それって、食べられる〜?」
人間
「まさか、食べられないよ。」
コメタ
「ぽぺ……残念。」
コメタ
「僕、一度も『やる気』を見たことないんだもん。」
人間
「うーん……そういうものじゃないんだよ。」
ギア
「じゃあ今はどこにある?」
人間
「……どこかへ行っちゃった。」
ギア
「どこかへ?」
コメタ
「迷子かな〜〜〜?」
ギア
「よし、探すか。」
(コメタが店の外へ飛び出そうとする。)
「ぽぺ〜〜〜〜〜!!」

人間は慌てて言った。
人間
「……いや。」
「そういうんじゃないんだ。」
「……やる気っていうのは、気持ちみたいなものかな。」
「やる気がないと……何だか、何もしたくなくなるんだ。」
キール
「何もしないことを、人間は許さないのか。」

コメタ
「僕、『やる気が出たからやる』って考えたことないな〜〜〜。」
人間
「……え?」
ギア
「俺も同じだ。」
「面白そうだから宇宙を飛び回る。」
「それだけだ。」
コメタ
「ぽぺぽぺ〜〜。」
「あれれ、僕はきっと、やる気を出したことがないんだね。」
「お腹がすいたからご飯を作るし、美味しそうだから食べるし、お客さんが来たらコーヒーを淹れるんだよ〜。」
「まぁ、これでも飲んでさ〜〜〜☕️ ぽぺ〜。」
人間は湯気の立つカップを受け取り、一口飲んだ。
(しばらく静かな時間が流れる。)
人間
「……。」
「……僕、やる気を待ってたのか。」
キール
「君は、もうコーヒーを飲んでいる。」

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