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コイスルオトメ/いきものがかりで小説書いてみた 「君に恋して、まだ私。」

第1章:はじめての恋の音

大学のキャンパスは、秋の風に包まれ、どこか物悲しげに見えた。
そんな中、私は彼に出会った。彼の名前は、慎一。クラスメートで、最初はどこにでもいる普通の男子だと思っていた。特別な印象はなく、話すこともなかった。むしろ、周りの友達と一緒にいることが多くて、目立たないタイプだと思っていた。

それでも、ある日、私たちは意外な形で話すことになった。

その日は、授業が終わった後に図書館で勉強していたんだけど、私の席の隣に座ったのは慎一だった。
私は何気なく、「あれ、慎一もこの本読んでるんだ?」と声をかけた。普段、私はあまり積極的に話しかけるタイプではなかったけれど、その時の私は、何か無理にでも会話をしたくて、無意識に声を出していた。

「うん、ちょうどこの本に興味があってさ。」
彼は少し照れたように笑って答えてくれた。
その笑顔が、なんだか私の心に引っかかった。何てことない会話だったけれど、慎一のその表情が、いつも見ていた彼と少し違って、初めて意識し始めた瞬間だった。

その日から、私たちは少しずつ話すようになった。最初は、クラスでの課題や授業の内容をきっかけにして。でも、いつの間にか、それが日常的な会話に変わっていった。
慎一の言葉の端々には、優しさが滲んでいた。それがとても心地よくて、毎回彼と話すことが楽しみになった。

気づけば、私は彼のことを無意識に考えている自分に気づくようになった。
彼と会話をするたびに、ドキドキして、胸の奥が少し熱くなる。まるで、「コイスルオトメ」の歌詞に出てくるような気持ちが湧き上がってきた。
でも、私はそれを認めたくなかった。
恋をしている自分なんて、まだ信じられなかったから。


第2章:言葉にならない想い

ある日の放課後、私は慎一と一緒にカフェでお茶をすることになった。
勉強の話をしていたはずが、いつの間にか、恋愛や将来のこと、人生について語り合うようになっていた。彼が話す未来のビジョンに、私は思わず引き込まれた。

「結局、やりたいことをやって、幸せになりたいんだよね。」
慎一が目を輝かせながら語った言葉に、私は少し驚いた。
普段は真面目で、あまり感情を表に出さない彼が、そんな風に夢を語ることに、私は胸が熱くなるのを感じた。

その時、ふと彼が言った一言が私の心に深く残った。

「でもさ、自分が幸せでも、周りを大切にしないと結局は意味ないと思うんだ。友達とか家族とか、そういうものも大事にしたいよね。」
その言葉が、私の中で響いた。
慎一は、どこか遠くを見ているようだったけれど、心の中ではとても純粋で温かい人なんだと気づいた。

その日は、会話が楽しくて、時間があっという間に過ぎてしまった。
お互い、笑いながら過ごした時間は、何だか幸せで満たされていた。
でも、帰り際、ふとした瞬間に彼が照れくさそうに言った一言で、私の気持ちは急速に膨らんだ。

「また、今度一緒に勉強しようね。」
その言葉に、私は思わずドキッとしてしまった。
それはただの約束だったのに、なぜか私には、恋の予感がした。
その瞬間、私は「これが恋なんだ」と感じた。
初めて、心の奥深くに小さな波が立つのを感じた。


第3章:恋をしている自分に気づいた日

それから、私たちはますます仲良くなり、一緒に過ごす時間が増えた。
彼との会話の中で、私は自分の気持ちがどうしようもなく溢れていることに気づいた。

ある日、彼から「映画を見に行こうか?」と誘われて、私は心臓がドキドキしていた。
映画館で並んで座って、映画が始まると、私は自然と彼の方に肩を寄せていた。それが何気ない仕草だと分かっていても、私にとってはとても大きな意味を持っていた。
映画の内容なんてあまり覚えていない。ただ、彼との距離が近づいていく感じが、私をどんどん引き込んでいった。

映画が終わった後、二人で歩いて帰る道の途中、慎一が少し照れたように言った。

「今日は楽しかった。ありがとう。」
その言葉に、私はドキッとした。それが、私の想いに気づかせてくれたから。

その帰り道、突然彼が立ち止まり、私を見つめた。
「彩香、俺…君のこと、好きだよ。」
その言葉は、私の心を震わせた。
やっぱり、彼も私と同じ気持ちだったんだ。
「私も、好きだよ。」そう言って、私はその瞬間に心から笑った。

私たちは手を繋ぎ、街の明かりがゆっくりと照らす中で歩き続けた。
あの時、私は初めて、自分の気持ちが本物だと確信した。


第4章:変わり始めた二人の距離

それから数ヶ月が経ち、私たちは順調に関係を深めていった。
でも、ある時から、慎一の様子が少し変わり始めた。

最初は忙しさを理由にして、彼は私との約束を守れないことが増えてきた。
最初は「仕方ない」と思っていたけれど、だんだんとその理由が納得できなくなってきた。
彼が会うことを避けているのか、それとも私の存在に冷めてしまったのか、わからなかった。

ある日、私は我慢できなくなり、慎一に聞いてみた。
「どうして最近、連絡が減ったの?約束も守れなくなってるし…」
慎一は少し黙り込んだ後、ゆっくりと口を開いた。

「彩香、ごめん。でも、最近、自分の気持ちがよくわからなくなってきてるんだ。」
その言葉に、私は胸が締め付けられるような気持ちになった。
「好きだよ。でも、でも…」と彼は続けた。「お互い、違う方向に進んでいる気がする。」

私はその時、何も言えなかった。
ただ、心の中で「こんなはずじゃなかった」と呟いていた。
私たちの関係は、終わりに向かっているんだと、痛いほど感じていた。


第5章:別れの予感

その後、私たちはしばらく距離を置くことになった。
私がもう一度彼に連絡してみたとき、彼から返ってきた言葉は、予想していたものだった。

「やっぱり、彩香には素直に言わなきゃいけないと思って。俺、もう君と一緒にいるのが辛くなってきた。」
その言葉に、私は本当に何も言えなかった。
泣いてもどうしようもない。
ただ、心の中でその事実を受け入れるしかなかった。

私たちは、お互いの未来に対するビジョンが違っていた。そして、どうしてもその違いを乗り越えられなかった。
お互いを大切に思っていたけれど、愛情の形が少しずつずれていった。
彼との思い出は、今も私の中で色あせずに残っているけれど、それでも、私はそれを手放さなければならないのだと思った。

最後に会ったとき、慎一は言った。
「ありがとう、彩香。君との時間は、俺にとって大切なものだったよ。」
でも、それと同時に私は感じていた。
もう、私たちの関係は戻らないということを。

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