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ゲイツ×ワクチン陰謀論を笑う前に——公開文書が暴くゲイツ財団20年の権力支配

最良の貧者は決して感謝などしない。彼らは不満を抱き、不従順で、反抗的である。そして彼らはまったく正しい。

——オスカー・ワイルド(劇作家・思想家)

はじめに

ニュースやSNSで「ビル・ゲイツ」という名前を目にしたとき、あなたはどんな印象を抱くだろうか。慈善家、革新者、あるいは世界を救おうとする億万長者——多くの人がそう答えるかもしれない。だが、パンデミック以降、彼の名前は別の文脈でも語られるようになった——ワクチン政策への介入、人口抑制の陰謀、グローバル・エリートによる支配。こうした「陰謀論」は、確かにインターネット上に溢れている。

しかし、ここで立ち止まって考えてみてほしい。陰謀論として片付けられがちな批判の中に、学術的に検証された正当な懸念が埋もれてはいないだろうか。もちろん、直接的な証拠がないからといって、批判そのものが無効になるわけではない。しかし、センセーショナルな噂が先行するあまり、ゲイツ財団の実際の活動——その資金の流れ、政策への影響力、利益相反の構造——が見えにくくなっているのではないか。

本書『NO SUCH THING AS A FREE GIFT(ただより高いものはない)は、まさにその「見えにくくなった批判」を、膨大な資料と現地調査に基づいて明らかにする。著者リンジー・マクゴーイ(Linsey McGoey)は、エセックス大学の社会学者であり、慈善事業と権力の関係を研究する第一人者だ。彼女が描き出すのは、善意の仮面をかぶった権力装置としてのゲイツ財団である。この記事では、陰謀論の真偽ではなく、公開された事実と学術的分析に基づいて、ゲイツ財団が実際に何をしてきたのかを探っていく。あなたのゲイツに対する印象を、より深く、より複雑なものにする一助となれば幸いだ。


書籍・著者について

書誌情報

  • タイトル:『NO SUCH THING AS A FREE GIFT: The Gates Foundation and the Price of Philanthropy』

  • 著者:Linsey McGoey

  • 出版:Verso Books, 2015年

  • ページ数:約350ページ(注釈・索引含む)

著者プロフィール
リンジー・マクゴーイは、エセックス大学社会学部の准教授(当時)であり、慈善事業と不平等の関係を専門とする研究者である。本書以前にも、意図的無知(strategic ignorance)の概念を用いた研究で注目を集めた。彼女の研究は、権力者がいかに「知らないこと」を戦略的に利用するかを明らかにするものだ。本書は、その視点をゲイツ財団という巨大な慈善組織に適用した初の包括的批判である。

本書の位置づけ
2015年の刊行当時、ゲイツ財団を正面から批判する学術書はほとんど存在しなかった。賞賛一色のメディア報道の中で、本書は異例の存在だった。マクゴーイは、19世紀の「強盗男爵(robber barons)」——カーネギー、ロックフェラーといった初期の産業資本家兼慈善家——との歴史的連続性を示しながら、現代フィランソロピーの構造的問題を浮き彫りにする。

なぜ今この本なのか
パンデミックを経て、ゲイツ財団への注目は急激に高まった。しかしその多くは、検証困難な陰謀論か、無批判な称賛のいずれかに偏っている。本書は、その中間に位置する冷静な学術的批判を提供する。財団の教育政策、医療介入、農業プログラムに関する具体的なデータと証言を通じて、「善意」がいかに権力と利益に奉仕しうるかを示している。

読者層
本書は、政府やメディアの公式見解に疑問を抱き始めた中間層——会社員、自営業者、専門職——に最適である。パンデミック期に「何かがおかしい」と感じた人々、しかし「陰謀論はどうもなあ」と考える人々にとって、本書は貴重な羅針盤となるだろう。


慈善という名の権力——ロックフェラーからゲイツへの系譜

最も偉大な慈善家でさえ、その生涯で寄付した実質的な金額は、44歳時点のゲイツの寄付額に及ばない。

——ジーン・ストラウス(ジャーナリスト、ニューヨーク・タイムズ)

現代の慈善事業を語る上で避けて通れないのが、その歴史的起源である。ビル・ゲイツは、しばしば「史上最大の慈善家」として称賛される。だが彼の前にも、同じように称賛され、同時に激しく批判された人物たちがいた。アンドリュー・カーネギー、ジョン・D・ロックフェラー——彼らは「強盗男爵」と呼ばれた19世紀末から20世紀初頭の実業家であり、同時に巨額の寄付を行った慈善家でもあった。

アンドリュー・カーネギー、ジョン・D・ロックフェラー

マクゴーイは、ゲイツ財団を理解するためには、この歴史的文脈が不可欠だと主張する。カーネギーは鉄鋼業で、ロックフェラーは石油業で独占的地位を築き、莫大な富を蓄積した。その過程で、労働者は低賃金と劣悪な労働環境に苦しんだ。1892年のホームステッド・ストライキでは、カーネギーの工場で労働者と雇われた警備員との間で銃撃戦が起き、双方に死者が出た。ロックフェラーのコロラド燃料鉄鋼会社では、1914年のラドロー虐殺事件で、ストライキ中の労働者とその家族が州兵に襲撃され、女性と子供を含む20名以上が死亡した。

こうした「原罪」を背負いながらも、彼らは巨額の寄付を通じて、公共図書館、大学、医学研究所を設立し、社会的名声を取り戻していった。カーネギーは「富の福音(Gospel of Wealth)」と題した一連のエッセイで、富裕層には自らの富を社会のために使う道徳的義務があると説いた。しかし、その「義務」は、労働者への適正な賃金支払いや労働環境の改善ではなく、図書館や大学への寄付という形で果たされるべきだとされた。つまり、富の再分配ではなく、富裕層が決定した「適切な」用途への支出である。

Gospel of Wealth

当時の批判者たちは、この論理の欺瞞を見抜いていた。神学者ウィリアム・ジューエット・タッカー(William Jewett Tucker)は、カーネギーの慈善論を「慈善に正義の仕事をさせようとする試み」だと批判した。慈善は、構造的不正義を覆い隠す化粧品に過ぎないという指摘だ。また、米国司法長官ジョージ・ウィッカーシャム(George Wickersham)は、ロックフェラー財団の設立を「莫大な富を永続化させる仕組みであり、公益と完全に矛盾する」と非難した。

ゲイツ財団は、この伝統の現代版である。ゲイツもまた、マイクロソフトでの独占的地位確立の過程で、数々の反トラスト訴訟に直面した。1998年、米国司法省はマイクロソフトを独占禁止法違反で提訴し、裁判所は同社が市場支配力を濫用したと認定した。欧州委員会も2004年、同社に約5億ユーロの罰金を科した。マクゴーイが指摘するように、ゲイツ財団の巨額の寄付金は、少なくとも部分的には「不当に得られた手段」によって蓄積されたものである

ビル・ゲイツ、マイクロソフトのリーダーであり国民的アイコンが、1998年に上院司法委員会で証言した。:ニューヨーク・タイムズ

では、現代の慈善事業は、100年前とどう違うのか。あるいは、何も変わっていないのか。マクゴーイの答えは明確だ。規模と影響力において、ゲイツ財団は過去のどの財団をも凌駕している。そして、その透明性と説明責任においては、過去よりも劣っている可能性さえあると彼女は指摘する。


「フィランソロキャピタリズム」という新語——市場原理が慈善を飲み込む時

市場と道徳は別々の現象ではなく、釣り合いの取れた財である。市場の力を利用することで、フィランソロキャピタリズムは必然的により広いコミュニティの福祉に貢献する。

——マシュー・ビショップ&マイケル・グリーン(『フィランソロキャピタリズム』著者)

フィランソロキャピタリズム(philanthrocapitalism)」——この造語は、2008年の金融危機の直後に登場し、急速に普及した。提唱者のマシュー・ビショップとマイケル・グリーンは、この概念を「ビジネスの手法を慈善活動に適用すること」と定義する。つまり、効率性、測定可能性、スケーラビリティ(拡張可能性)といった企業経営の原則を、非営利セクターに持ち込むというわけだ。

一見すると、これは合理的な提案に思える。従来の慈善団体が非効率で、成果が不透明だという批判は、確かに一理ある。だが、マクゴーイはこの「新しさ」そのものに疑問を投げかける。実は、ビジネス的手法を慈善に適用するという発想は、まったく新しいものではない。ロックフェラーの慈善顧問だったフレデリック・T・ゲイツ(Frederick T. Gates。ビル・ゲイツとは無関係)は、すでに1890年代から「効率性運動(Efficiency Movement)」の信奉者であり、慈善活動を科学的に管理しようとしていた。カーネギーも、自らの寄付を「ビジネスのように」組織すると公言していた。

では、何が本当に新しいのか。マクゴーイによれば、それは利益追求と慈善活動の境界線が曖昧になった点である。従来の慈善家は、少なくとも表向きは、寄付によって直接的な金銭的利益を得ようとはしなかった。しかし、現代のフィランソロキャピタリストは、「社会的価値」と「経済的価値」を同時に追求することを公然と掲げる。

具体例を見てみよう。ゲイツ財団は、ボーダフォン(Vodafone)傘下のボーダコム(Vodacom)に対し、タンザニアでのモバイル決済サービス「M-PESA」展開のために、合計約780万ドル(約8億円)の無償助成金を提供した。M-PESAは、携帯電話を使った送金・決済システムで、銀行口座を持たない人々にも金融サービスを提供するとされる。表面的には、これは貧困層支援の素晴らしい事例に見える。

だが、ボーダフォンは世界第2位の携帯電話事業者であり、2011年時点で時価総額約890億ポンド(約14兆円)を誇る巨大企業だった。なぜこのような企業が、慈善財団から無償の助成金を受け取る必要があるのか。しかも、M-PESAの初期開発費用は、実は英国の国際開発省(DFID)が2003年に提供した約100万ポンドの助成金によって賄われていた。つまり、公的資金で開発されたシステムを使って巨額の利益を上げている企業に、さらに民間財団が助成金を出しているのだ。

さらに皮肉なことに、ボーダフォンは2010年に約60億ポンド(約9,000億円)の税金を回避したとして批判を浴び、2012年から2014年まで3年連続で英国の法人税をまったく支払わなかった。同社は年間約594億ポンド(約8兆9,000億円)の税引後利益を計上していたにもかかわらずである。

この構造を整理してみよう。ボーダフォンは、①英国政府の助成金で技術を開発し、②ゲイツ財団の助成金で市場を拡大し、③その利益は株主に還元され、④その一方で英国政府には税金を支払わない。ゲイツ財団の寄付は米国で税控除されるため、米国の納税者も間接的に負担している構造だ。これは慈善なのか、それとも公的資金を使った民間企業への補助金なのか。

マクゴーイは、このような事例が決して例外ではないと指摘する。ゲイツ財団は、コカ・コーラ、モンサント、ゴールドマン・サックスといった企業と「パートナーシップ」を結び、これらの企業のアフリカ市場への進出を支援してきた。財団はこれを「持続可能な開発」や「農業生産性向上」と呼ぶが、批判者は「市場開拓のための慈善の道具化」と呼ぶ。

米国教育の実験場——小規模校からテスト至上主義へ

全体的な影響、特に私たちが最も重視する指標——大学進学率——は、あまり変わらなかった。大きな影響を与える道筋が見えなかったので、私たちはその件について過ちを認めた。

——ビル・ゲイツ(ウォール・ストリート・ジャーナル、2008年)

ゲイツ財団の影響力が最も顕著に現れた領域の一つが、米国の公立教育改革である。2000年代初頭、財団は「小規模校(small schools)」運動に約20億ドル(約3,000億円)を投じた。この構想は、大規模で官僚的な高校を、より小さく、生徒一人ひとりに目が届く学校に再編するというものだった。全米で2,602校が設立され、約80万人の生徒が影響を受けた。

Small Schools Project

だが、2008年、ゲイツ夫妻はシアトルの自宅に教育関係者を招き、驚くべき発表をした。小規模校プロジェクトは失敗だった、と。大学進学率は期待したほど上がらず、投資に見合う成果が得られなかったというのだ。財団は方針を転換し、新たな重点領域として「教師評価システム」「成果給(performance pay)」「全国共通学力基準」を掲げた。

この急転換は、多くの教育現場に混乱をもたらした。コロラド州デンバーのマニュアル高校では、財団の資金で3つの「学習コミュニティ」が設立されたが、財団が撤退を決めると、学校は閉鎖された。元生徒たちは市内の他校に散り散りになった。コロラド大学の研究によれば、閉鎖時に最終学年だった生徒のうち、卒業できたのはわずか52%だった。閉鎖前の卒業率は68%だったから、財団の介入は逆効果だったことになる。

教育活動家のジュリー・ウースターホフ(Julie Woestehoff)は、マクゴーイに対してこう語った。「小規模校が良い戦略だという、かなり良い証拠が実際にあったんです。ゲイツの小規模校投資の失敗は、学校の文化を無視したり、コミュニティや教師が変化の一部になる機会を与えなかったことに関係していました」。つまり、問題はアイデアそのものではなく、トップダウンで急速に押し付けられた実施方法にあった。

では、次に財団が注力した「教師評価」はどうだったのか。2010年代、ゲイツ財団は「付加価値モデル(Value-Added Modeling, VAM)」と呼ばれる統計手法を推進した。これは、生徒の標準テストの点数の伸びから、個々の教師の「効果」を算出しようとするものだ。財団は、この手法を用いた大規模研究「MET(Measures of Effective Teaching)」に4,500万ドル(約68億円)を投じた。

だが、多くの統計学者がこの手法の信頼性に疑問を呈した。カリフォルニア大学バークレー校のジェシー・ロスステイン(Jesse Rothstein)教授は、METの結果を再分析し、「VAMは教師を最大26%の確率で誤まって分類する」と結論づけた。つまり、4人に1人の教師が実際とは異なる評価を受ける可能性がある。

この誤差は、教師の人生を左右する。2010年、ロサンゼルス・タイムズ紙は、市内のすべての公立学校教師の名前とVAMスコアをオンラインで公開した。リゴベルト・ルエラス(Rigoberto Ruelas)という教師は、「平均以下の効果」と評価された。彼は生徒たちから慕われ、放課後も無償で補習を行っていた。だが、公開から1ヶ月も経たないうちに、彼の遺体がロサンゼルス郊外の森で発見された。自殺だった。家族は、低い評価が彼を深く傷つけたと述べた。

9月に捧げられた追悼。南ロサンゼルスのミラモンテ校で教鞭をとったリゴベルト・ルエラ氏に。:ニューヨーク・タイムズ

ゲイツ自身は後に、教師評価の公開を「大きな間違い」と批判した。だが、彼は自らの財団が2000年代を通じてVAMを推進してきた事実には触れなかった。財団は、Stand for Childrenという団体に520万ドル(約7億8,000万円)、NewSchools Venture Fundに3,000万ドル(約45億円)以上を助成したが、これらの団体はいずれも、教師評価を州法で義務化するロビー活動の最前線にいた。

2014年、財団はようやく方針を再び転換し、「教師評価と標準テストの結果を結びつけることについて、2年間の猶予期間を設けることを支持する」と発表した。だが、この時点で、全米の多くの州では、すでにVAM型の評価システムが法制化されていた。

批判者のアンソニー・コディ(Anthony Cody)はこう問いかける。「教師は『悪い教師』として説明責任を問われます。学校と生徒も説明責任を問われます。しかし、ビル・ゲイツ自身は?彼と財団の従業員を、彼らの改革がもたらした壊滅的な影響について、誰が説明責任を問うのでしょうか」。

WHOを従属させる民間財団——グローバルヘルスの権力地図

私たちの財団について初めて耳にしたとき以来、私たちの核となる価値観は変わっていません——そして決して変わることはありません。私たちは不平等を憎むがゆえに、そしてイノベーションの力で問題を解決できると信じるがゆえに、この仕事をしています。

——メリンダ・ゲイツ(世界保健総会、2014年)

メリンダ・ゲイツのこの発言は、一見すると誠実で揺るぎない信念の表明に聞こえる。だが、マクゴーイはこの「変わらない」という言葉に注目する。変わらないということは、批判に耳を傾けず、方針を修正しないということでもある。

ゲイツ財団は、世界保健機関(WHO)にとって最大の単独資金提供者である。2013年、財団のWHOへの拠出額は米国政府を上回った。WHOの全予算の約10%がゲイツ財団から来ている。だが、WHOは193の加盟国政府に対して説明責任を負う一方、ゲイツ財団はビル・ゲイツ、メリンダ・ゲイツ、ウォーレン・バフェットの3人の理事にしか説明責任を負わない。

この構造は、根本的な民主主義の問題を孕んでいる。財団は資金の使途を細かく指定する「ひも付き拠出(earmarked funding)」を行うため、WHOは財団が優先する分野に資源を集中せざるを得ない。

元WHO研究政策協力部長のティッキ・パンゲストゥ(Tikki Pangestu)は、マクゴーイのインタビューにこう答えた。「彼(ゲイツ)は特にアフリカの問題に焦点を当ててきました。道徳的には、それに異論を唱えることはできません——HIV/AIDS、結核、マラリアはアフリカで依然として大きな問題です。しかし、当然ながら、マイナス面として、彼は資金が必要な場所の不均衡を助長しています。将来の主要な問題は感染症ではなく、アフリカでさえも慢性疾患なのは明白です」。

ティッキ・パンゲストゥ

実際、データはこの懸念を裏付けている。2008~09年、WHOの「任意拠出金(voluntary contributions)」の約60%が感染症に割り当てられた一方、非感染性疾患(NCDs)——がん、心臓病、糖尿病など——への配分はわずか4%未満だった。だが、今日、低・中所得国での最大の死因はNCDsであり、感染症ではない。

ポリオ撲滅キャンペーンは、この歪みの象徴的な事例である。財団はこれまでに約15億ドル(約2,250億円)以上をポリオ対策に投じてきた。2012年の時点で、世界のポリオ患者数はわずか223人だった(1988年の35万人から99%減少)。

だが、このキャンペーンには大きな代償が伴っている。天然痘撲滅キャンペーンを率いた伝説的な疫学者ドナルド・ヘンダーソン(Donald Henderson)博士は、マクゴーイに対し、ポリオ撲滅への過度な集中が他のワクチン接種プログラムを犠牲にしていると警告した。「インド、パキスタン、ナイジェリアでは、ポリオワクチンは接種されていましたが、ジフテリア・破傷風・百日咳(DPT)ワクチンや麻疹ワクチンは接種されていませんでした」。

インドでは、ポリオ撲滅キャンペーンの過程で、子供たちが短期間に何度もポリオワクチンを接種された。その結果、非ポリオ性急性弛緩性麻痺(non-polio AFP)の症例が急増した。インドの研究者たちは、ポリオワクチン接種回数の増加とAFP症例の増加に相関関係があることを発見した。

非ポリオ急性弛緩性麻痺(NPAFP)は、15歳未満の子供に突然発症する弱さ、麻痺を特徴としている。

さらに深刻な問題は、HIV/AIDS治療をめぐる論争である。複数の匿名情報源によれば、2000年代後半から2010年代初頭にかけて、ゲイツ財団はWHOに圧力をかけ、抗レトロウイルス薬(ARV)の早期投与を推奨する技術ガイダンスの発行を遅らせたとされる。

2011年、国際エイズ学会のローマ会議で、WHOは血清不一致カップル(一方がHIV陽性、もう一方が陰性)に対するARV早期投与のガイダンスを発表する予定だった。だが、発表は突然延期された。多くの参加者は、ゲイツ財団が反対したためだと考えた。財団は当時、曝露前予防(PrEP)の研究に多額の投資をしており、ARV早期投与の推奨は、PrEP研究の重要性を相対的に低下させる可能性があった。

南アフリカの治療活動キャンペーン(Treatment Action Campaign)など7つの団体は、WHOに公開書簡を送り、「WHOは、HIV感染を96%削減することを示したHPTN 052試験を含む10年以上の証拠の後、血清不一致カップルのHIV検査と治療に関する技術ガイダンスの発行を中止したようだ」と抗議した。

2003年2月、議会へのTAC行進の写真 - 治療行動キャンペーン(TAC)ウェブサイトより

ゲイツ財団はこれらの疑惑を否定している。だが、マクゴーイが取材した複数の情報源——WHOに出向していた上級科学者、ヒューマン・ライツ・ウォッチのスタッフなど——は、財団が水面下で影響力を行使したと証言している。ある情報源は、匿名を条件にこう語った。「今、あなたと話していることが怖くてたまりません。偏執的だと思われるかもしれませんが、ゲイツ財団からの反発が本当に怖いんです」。

この「ビル・チル効果(Bill Chill Effect)」——ゲイツ財団を批判することへの恐れ——は、グローバルヘルス・コミュニティに広く浸透している。財団は多くのメディア、大学、NGOに資金を提供しているため、批判的な報道や研究は抑制される傾向がある。ガーディアン紙の「貧困問題(Poverty Matters)」ブログさえも、ゲイツ財団から資金提供を受けている。

モンサントとコカ・コーラ——農業と健康の利益相反

寛大さは非常に利益になり得る。

——フランク・ギストラ(資源開発実業家、クリントン・ギストラ持続的成長イニシアチブ共同創設者)

ゲイツ財団の利益相反は、農業と食品の領域でさらに露骨になる。2006年、財団はロックフェラー財団と共同で「アフリカ緑の革命同盟(AGRA)」を設立した。その目的は、1960年代にインドやメキシコで展開された「緑の革命」をアフリカに拡大することだった。緑の革命は、高収量品種の導入と化学肥料・農薬の使用により、食糧生産を劇的に増加させた。推定1億5,000万人が慢性的な飢餓から救われたとされる。

だが、その成功には暗い裏面があった。新しい高収量作物は、広大な土地、灌漑設備、高価な種子と肥料を必要とした。小規模農家は競争に敗れ、土地を失い、都市のスラムに流入した。農薬の過剰使用は環境を破壊し、土壌を劣化させた。インドでは、借金に苦しむ農家の自殺が急増した。多くの農家は、借金を返せなくなると、自分たちを破産させた農薬を飲んで命を絶った。

ゲイツは、この歴史にもかかわらず、緑の革命をアフリカに拡大すべきだと主張している。2008年、財団はモンサント(Monsanto)と提携し、「アフリカの水効率的トウモロコシ(WEMA)」プロジェクトを開始した。モンサントは、世界の種子遺伝子の約90%を支配する巨大企業である。同社の遺伝子組み換え(GM)作物は、高い収量と病害虫への耐性を約束する。だが、農家は毎年新しい種子を購入しなければならず、伝統的な「種子の保存と再利用」はできない。

ウガンダの野党保健大臣マイケル・ルルメ・バイイガ(Michael Lulume Bayigga)は、国連人道問題調整事務所の報道機関IRINのインタビューで、こう警告した。「これらのGMOの所有者は、アフリカで市場を探している米国、ヨーロッパ、中国の白人です。彼らは市場を作り出し、自分たちを力づけようとしているのです。私たちのアフリカの科学者によって開発され、改変され、テストされたものであれば、慎重にGMOを支持します。しかし、この遺伝子工学は心配です」。

マイケル・ルルメ・バイイガ

批判者の懸念は、経済的なものだけではない。GM作物の長期的な安全性は、いまだに不明である。なぜなら、モンサントなどの企業が独立した研究を妨げてきたからだ。GM種子を購入する際、農家は使用許諾契約に署名しなければならず、その中で、種子を使った独立した科学研究を禁止する条項が含まれている。つまり、企業が承認した、または企業自身が実施した研究のみが、査読付き学術誌に掲載される。科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』の編集者たちは、「科学者は遺伝子組み換え作物について独立した研究を発表する前に、企業に許可を求めなければならない。この制限は終わらせなければならない」と訴えた。

2012年、フランスのカーン大学の研究チームは、モンサントの「ラウンドアップ・レディ」GM トウモロコシを2年間食べさせたラットが、通常のトウモロコシを食べた対照群よりも多くの癌性腫瘍を発症したという研究結果を発表した。ロシア政府はこのGMトウモロコシの輸入と使用を一時停止し、フランス政府も食品安全機関に迅速な調査を指示した。フランスはまた、モンサントのMON810(害虫抵抗性トウモロコシ)の国内栽培を禁止する独自の法律を制定した。

ゲイツ財団は2010年、モンサントの株式を約2,300万ドル(約35億円)分購入した。その後、財団はこれらの株式を売却したが、カーギル(Cargill)との提携は継続している。2010年、財団はカーギルと共同で、モザンビークで「大豆バリューチェーンの開発」を支援すると発表した。カーギルは世界最大の農業生産企業であり、穀物取引市場の75~90%を、ADM、ブンゲ、ルイ・ドレフュスとともに支配している。

ウォーレン・バフェットの息子、ハワード・バフェット(Howard Buffett)は、アフリカの農業プログラムへの長年の寄付者であるが、最近になってゲイツのアプローチを批判した。CBSの『60ミニッツ』のインタビューで、彼は次のように述べた。「高価な米国製の肥料や遺伝子組み換え種子をアフリカの農業問題の解決策として重視するゲイツのアプローチは機能しないと思います。私たちはアメリカでやるようにやろうとするのをやめる必要があります」。彼はゲイツを「父の次に世界で最も賢い男」と称賛しつつも、メッセージは明確だった。高価な技術介入を押し付けることは、アフリカの農家にとって最善の解決策ではない

ハワード・バフェットが農機具を運転するシーン。CBSの番組『60 Minutes』でウォーレン・バフェットの息子が紹介されたときのもの。

コカ・コーラとの提携は、さらに露骨な利益相反を示している。2010年、メリンダ・ゲイツはTEDトークで「非営利団体がコカ・コーラから学べること」と題した講演を行った。彼女は、コカ・コーラが遠隔地にも飲料を届ける流通システムを称賛し、開発専門家がそれを模倣すべきだと提案した。

表面的には、これは合理的な提案に見える。だが、コカ・コーラの流通システムが「効率的」なのは、一部には、同社の子会社が労働組合員を脅迫し、殺害するために極右準軍事組織を雇ったという疑惑があるからだ。2000年代、ニューヨーク大学やラトガース大学を含む多くの大学が、コロンビアでのこれらの疑惑を理由に、キャンパス内でのコカ・コーラ製品の販売を禁止した。

そして、コカ・コーラは肥満と糖尿病の世界的流行の主要な推進力の一つである。WHOの2014年の報告書によれば、低・中所得国における非感染性疾患(NCDs)による死亡は、感染症による死亡を上回っている。NCDsの主要なリスク要因の一つは、砂糖入り飲料の過剰摂取だ。

にもかかわらず、ゲイツ財団は2010年、TechnoServeという非営利団体に750万ドル(約11億円)の助成金を提供した。その目的は、「地元の農家にコカ・コーラの地元生産・販売されるフルーツジュース用の果物を栽培する新しい市場機会を創出する」ことだった。つまり、貧困農家をコカ・コーラのサプライチェーンに組み込むことを、財団は「慈善」と呼んでいるのである。

南アフリカ、ケープタウンのニャンガ・イーストにある輸送コンテナ内の小さな店舗で、コカ・コーラ製品を手にするマニャティ・ハベ。デビッド・ハリソン

ゲイツ財団は、バークシャー・ハサウェイへの投資を通じて、コカ・コーラの大株主でもある。バフェットは、コカ・コーラの最大の個人株主であり、約4億株(約170億ドル、約2兆5,500億円相当)を保有している。バフェットが生涯にわたって財団に寄付を完了すれば、ゲイツ財団は世界最大のコカ・コーラ株主になる可能性があると、健康学者デビッド・スタックラー、サンジェイ・バス、マーティン・マッキーは指摘した。

2014年末、財団はコカ・コーラとマクドナルドの株式を売却した。コカ・コーラ株2,140万株(約9億1,400万ドル、約1,370億円)とマクドナルド株1,090万株(約10億ドル、約1,500億円)である。売却の理由は公表されていない。批判への対応なのか、それとも単なる投資戦略の変更なのか。いずれにせよ、財団はバークシャー・ハサウェイへの投資を通じて、間接的にこれらの企業への投資を継続している。

特許という名の独占——医薬品アクセスをめぐる闘い

知的財産システムは、私たちの投資を保護するために非常にうまく機能してきました。それが豊かな国で使用されるとき、私たちは見返りを得ます。そして、最も貧しい国々にとって財政的負担にならないようにするコントロールを持っています。

——ビル・ゲイツ(世界保健総会後の記者会見、2011年)

ゲイツの特許に対する立場は劇的に変化した。1991年、マイクロソフトが小規模だった頃、彼は内部メモで「当時特許が広く付与されていたら、業界は完全に停止していただろう」と書いた。当時マイクロソフトは8つの特許しか保有していなかったが、2004年には3,780件の特許を出願し、ゲイツは特許権強化を推進する側に転じた。

この変化は、1996年のWTO「貿易関連知的所有権協定(TRIPS)」発効と重なる。TRIPSは発展途上国にも厳格な知的財産法を義務付けた。これは、ファイザーやモンサントなどの企業CEOが設立した「知的財産委員会」の積極的なロビー活動の結果だった。

TRIPSは発展途上国、特にHIV/AIDS治療薬へのアクセスに深刻な打撃を与えた。1990年代後半、南アフリカ政府が安価なジェネリック薬を輸入できる法律を可決すると、39の製薬会社が提訴した。クリントン政権の副大統領アル・ゴアは南アフリカに圧力をかけ、貿易制裁で脅した。だが国際的非難を受け、製薬会社は2001年に訴訟を取り下げた。同年のドーハ宣言で、各国が公衆衛生のために特許を無視できる「強制実施権」が確認された。

アル・ゴア、気候変動対策がなければ悪天候は「さらに悪化する」と警告

インドのシプラ社CEOユスフ・ハミエドは、HIV治療薬を年間350ドル(西側では10,000ドル以上)で提供すると表明し、何百万人が治療にアクセスできるようになった。

ゲイツはこの展開に抵抗した。2001年、ハーバード大学研究者らが富裕国による医薬品購入・配布基金設立を提案すると、ゲイツ財団は記者会見でこれに反対した。ゲイツは治療への資金提供がワクチン開発から資金を奪うと主張し、財団顧問は薬剤耐性株のリスクを警告した。

だが2011年、HPTN 052試験が早期治療によるHIV感染96%削減を証明し、財団の懸念は誇張だったことが示された。現在、財団は世界エイズ・結核・マラリア対策基金への最大の民間寄付者だが、活動家たちは財団が10年以上治療拡大に抵抗したことを忘れていない。ある政策分析家は「ビル・ゲイツは、人々が命を救う医薬品を手に入れる上での障壁だった」と語った。

忘れ去られた慈善の原罪——終わりなき権力の再生産

慈善に正義の仕事をさせようとすることほど、宗教にとって、そして場合によっては社会にとって、大きな間違いで破滅的なことはない。

——ウィリアム・ジューエット・タッカー(神学者、ダートマス大学元学長)

F・スコット・フィッツジェラルドは『グレート・ギャツビー』の中で、こう書いた。「トムとデイジーは不注意な人々だった——彼らは物事や人々を打ち砕いてから、お金や広大な不注意、あるいは彼らを結びつけていた何かの中に後退し、彼らが作った混乱を他の人々に片付けさせた」。

ビル・ゲイツのシアトル郊外の邸宅——40,000平方フィート、5エーカーの敷地、100人収容のレセプションホール、ボウリング場、バスケットボールコート、30台収容のガレージ——の図書館には、この小説からの引用が天井に刻まれている。「彼はこの青い芝生に長い道のりを歩んできた。そして彼の夢はとても近くにあるように思えたので、彼はそれをつかむのに失敗することはほとんどなかっただろう」。

ビル・ゲイツの豪邸を垣間見る

スティーブ・ジョブズは、マイクロソフトの問題は、ゲイツが「第一にビジネスマン」であり、「人文科学とリベラルアーツがそのDNAにない」ことだと述べた。おそらく、ジョブズは正しい。なぜなら、ギャツビーは決して夢をつかむことはなかったからだ。彼の贅沢な支出は、デイジーの忠誠を確保できなかった。もし何かあるとすれば、彼のお金が彼の失われた野望の根源だった——病んだバラを傷つける虫、彼の早すぎる死の源。

ゲイツ財団は、自らを「史上最も効果的な利他主義者」と位置づけている。哲学者ピーター・シンガー(Peter Singer)は、2013年のTEDトークで、ゲイツ財団のウェブサイトの「すべての命は平等な価値を持つ」というスローガンを指して、「これが、彼らを歴史上最も効果的な利他主義者にしている合理的理解です」と述べた。

ピーター・シンガー、ビル・ゲイツ

だが、この本が示すのは、効果性そのものが疑わしいということだ。小規模校への20億ドルの投資は失敗し、学校閉鎖と生徒の中退を引き起こした。教師評価システムへの数億ドルの投資は、教師の士気を破壊し、自殺さえ引き起こした。ポリオ撲滅への執着は、他の治療プログラムを犠牲にし、非ポリオ性麻痺の増加を招いた。モンサントとの提携は、アフリカの農家を借金と種子依存に陥れる危険性がある。コカ・コーラとの提携は、肥満と糖尿病の流行を悪化させる可能性がある。

最も深刻な問題は、失敗しても説明責任を問われないことだ。ゲイツ財団は、米国の納税者による多額の税控除を享受しながら、ビル、メリンダ、バフェットの3人の理事にしか説明責任を負わない。プロジェクトが失敗すれば、財団は単に「教訓を学んだ」と発表し、次のプロジェクトに移る。その間、影響を受けた生徒、教師、農家、患者は、自分たちで補わなければならない。

フランスの詩人シャルル・ボードレール(Charles Baudelaire)は、19世紀の短編小説で、ある乞食に偽造硬貨を施す男の話を書いた。男は、自分がどれほど「寛大」であるかを自慢する。語り手は驚愕する。最も許しがたいのは、男が自分の行為を本当に善行だと信じていることだ。ボードレールは結論づける。「卑劣であることは決して許されないが、自分が卑劣であることを知っていることには何らかの功績がある。最も修復不可能な悪徳は、愚かさから悪を行うことである」。

シャルル・ボードレール

ゲイツ財団は、偽造硬貨を配っているのだろうか。それとも、本物の硬貨だが、間違った場所に、間違った方法で配っているのだろうか。あるいは、硬貨を配ること自体が、より深い構造的問題——税制、特許法、貿易政策——から目をそらす煙幕なのだろうか。

エマーソンは、慈善を「邪悪なドル」と呼んだ。それは受け取る者を、ブーツの下ではなく、依存の網の中に置く

真の平等は、同情や憐れみではなく、「自律性の尊重」を要求する。もし贈り物が本当に与えられるなら——つまり、寄付者がその贈り物に対するさらなる主張を手放すことを意味するなら——受取人は独自の独立性に値する。

権力がないところに陰謀はない

慈善は死んだ。もう誰も慈善をしたくない。慈善は機能しない。

——ビクター・ダラント(Social Edgeエグゼクティブディレクター、2010年)

ゲイツについての「陰謀論」——人口抑制、世界支配、ワクチンを介した監視——の多くは、状況証拠であり検証困難である。だが、それらの噂が広まる理由は理解できる。なぜなら、公開されている事実だけでも、十分に憂慮すべきものだからだ

ビル・ゲイツが2017年2月18日、第53回ミュンヘン安全保障会議で演説を行う。ロイター/ミヒャエラ・レーレ

ゲイツ財団は、選挙で選ばれたわけではない3人の個人によって運営され、年間数十億ドルを支出し、国家政策に影響を与え、国際機関を従属させ、説明責任をほとんど負わない。これは民主主義の問題であり、権力の集中の問題であり、透明性の問題である。

この問題の重要性は陰謀論に先行する。説明責任のない富と権力の極端な集中がなければ、ゲイツの陰謀論も成立しないからだ。

そして私たちは、慈善を無批判に称賛することをやめるべきだ。贈り物は、それが誰から来て、どのような条件で、誰に利益をもたらすのかを問うべきである。エマーソンが言ったように、真の平等は、受取人を依存の網の中に置くのではなく、彼らの自律性を尊重することを要求する。

贈り物は、返礼の義務を生み出す。そして、その義務は、しばしば受取人の自律性を奪う。人類学者マルセル・モース(Marcel Mauss)は、「贈り物の交換」が、実際には権力関係を構築する手段であることを示した。トロブリアンド諸島の「クラ」交換では、贈り物を受け取ることを拒否するのは、名誉を失うことを意味した。「寛大さは義務である」とモースは書いた。

ゲイツ財団の贈り物も、同じ構造を持っている。問題は、彼の独断的なイデオロギーであること——人々の生殺与奪件に及んでいること——そして、その規模が桁違いに大きいこと——である。

財団が学校や政府に数百万ドルを「寄付」すると、受取人は財団の優先事項に従わざるを得なくなる。教師は、財団が承認した教育方法を使わなければならない。農家は、財団が推奨する種子を買わなければならない。政府は、財団が支持する政策を採用しなければならない。

私たちが必要としているのは、より多くの慈善ではない。私たちが必要としているのは、「慈善を不要にするシステム」である。公正な賃金。普遍的な医療。無償の教育。強力な労働組合。累進課税。これらは、贈り物ではない。これらは、「権利」である。

そして、権利は、慈善によって達成されたことはない権利は、闘争によって勝ち取られてきた。ホームステッドとラドローで死んだ労働者たちは、カーネギーとロックフェラーの図書館が欲しかったのではない。彼らは、公正な賃金と安全な労働条件が欲しかったのだ。

ゲイツについて考えるとき、私たちは単に彼の動機だけを問うべきではない。私たちは、彼の権力そのものを問うべきである。なぜ、一人の人間が、そのような権力を持つべきなのか。なぜ、3人の個人が、何百万人もの人々の生活を決定すべきなのか。答えは、彼らはそうすべきではない、ということだ。

極端な権力」がないところには、「極端な陰謀」もない。
怪物を生み出す「仕組み」に目を向けるかどうかは、私たち次第である。


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