25年3月26日東北新幹線強風見合せ影響総括
【はじめに】
3月26日(水曜日)発達した低気圧の影響により、栃木・福島・宮城・岩手各県では最大瞬間風速30m/sを超える暴風が吹き荒れ、東北新幹線は午前9時過ぎから順次運転を見合わせた。また強風のほか、架線への異物の付着や停電が断続的に発生した事から、全面運転再開は午後6時過ぎまでにずれ込み、利用客76,500人に影響した。当日の列車運行状況を、JR東日本アプリの列車在線位置情報により追ってみる。
【福島駅構内架線ビニール付着】
午前9時18分頃、福島駅構内の架線にビニールが付着しているとの情報から、付近の列車は順次運転を見合わせた。のちにビニールが付着していたのは、山形新幹線が発着する⑭番線と判明したため、上り線やつばさ以外の下り列車の運転は再開された。しかしビニールの撤去には、郡山~白石蔵王間の架線電気を停止させる必要があったため、列車の運行を一時停止し10時15分から10分程度掛けて撤去作業を行った。
【強風規制&運転見合わせ】
しかし午前10時28分頃、白石蔵王~仙台間にある風速計の値が規制値に達ししたため、東京~仙台間で運転見合わせとなり一部の列車内では、運転再開見込みが11時と案内された。その後10時43分に、運転見合わせ区間は東京~盛岡間まで拡大し、東北新幹線の各列車は大宮~盛岡間の最寄り駅にて運転再開を待つ形となった。
【相次ぐ停電の発生】
午前10時頃福島~仙台間で停電が発生、その後再送電は成功したものの11時までに同じ区間で3度も同事象が発生、更に11時30分前後に新白河~福島間でも2度に亘って停電が発生している。これらの事象は、補助架線等が強風によって煽られ架線吊架アームなどに接触し、地絡によって付近の変電設備のブレーカーが落ちたものと推測される。このような強風下に於いては列車の運転再開は見込めず、この時点で新白河~くりこま高原間は強風による運転中止区間とされたのであった。
【駅間停車列車の駅収容】
最寄り駅ホームに停車できず、駅間に止まった下り列車が正午現在3列車があった。これらの列車を近くの駅ホームに収容するため、別の3列車を区間運休させることとした。
まずは郡山~福島間に停車していたはやぶさ・こまち7号を救済するため、福島駅⑬番線に停車中のやまびこ205号か⑭番線に停車中のつばさ128号を移動させなければならない。今回はやまびこ205号を当駅で打切り、福島~仙台間を区間運休とした。乗客をホームに降車させ列車を回送にて福島~白石蔵王間に進出する。空いた⑬番線に後続のはやぶさ・こまち7号を入線させた。
続いて大宮~小山間に停車していたやまびこ207号、および小山駅下り通過線に停車していたはやぶさ13号の救済である。現在小山・宇都宮・那須塩原各駅には、小山駅手前にやまびこ207号、小山駅①に番線やまびこ・つばさ133号、下り通過線にはやぶさ13号、⑤番線にやまびこ55号、宇都宮駅①番線になすの255号、那須塩原駅①番線にはやぶさ11号、②番線にやまびこ・つばさ131号がそれぞれ停車し下り列車が入線可能なホームは全て塞がってている。
最初に那須塩原駅①番線停車中のはやぶさ11号を当駅にて打切り、那須塩原~新青森間を区間運休とした。列車は那須塩原電留線に回送する。次に宇都宮駅①番線停車中のなすの255号郡山行きを、空いた那須塩原駅①番線に進める(最終的になすの255号も当駅で打ち切り電留線に回送)。更に小山駅下り通過線に停車中のはやぶさ13号を、空いた宇都宮駅①番線に収容する。
最後に小山駅⑤番線に停車中のやまびこ55号を当駅にて打切り、小山~東京間を区間運休とした。列車は小山~宇都宮間に回送進出させ、空いた⑤番線に機外停車していたやまびこ207号を収容する。これらの手順によって列車の駅間停車は解消されたが、これら列車の移動は宇都宮~北上間に設定された、160㎞/hまたは70㎞/h速度規制下による徐行運転により実施されたものである。
【再開見込み発表と運転再開後の対応】
午後0時30分頃より、山形新幹線はつばさ132・135号から福島駅地上5番線を使用、また秋田新幹線はこまち16・19号から盛岡駅地上8・9番線を使用しての折り返し運転が開始された。2時45分頃になり、運転再開見込みが5時と発表された。しかし当該時刻を過ぎたころ、6時に再開見込み時刻が延長となり、強風規制が解除された6時10分に全面運転再開となった。最大で9時間弱にも亘る、長時間の運転見合わせ事象となった。
山形新幹線つばさ号は上下最終となる159・160号のみ東京直通運転が開始されたものの、秋田新幹線こまち号は終日盛岡駅折り返し運転が継続された。上り列車の最終列車として東京駅に翌日午前1時1分に到着したやまびこ70号のお客様救済のため、E7系12両編成使って列車ホテルが解放されている。また、27日に運行されたつばさ123号はE3系から座席数の少ないE8系車両に運用が変更され、指定全座席の振替えが不能となったことからグリーン車以外全車自由席として運行された。
【臨時列車の運転】
ダイヤ乱れによるお客様救済のため、下記の臨時列車がグランクラス・グリーン車以外全車自由席、各駅停車として運転された。(発着時刻は計画ダイヤで、実際にはかなりの遅れをもっての運転)
・やまびこ545号:E5系10両、東京14:36発盛岡17:54着
・やまびこ547号:E2系10両、東京17:28発仙台19:37着
・やまびこ549号:E5系10両、東京18:00発仙台19:59着
・やまびこ539号:E5系10両、東京18:35発盛岡20:48着
・はやて541号:E5系10両、盛岡12:10発新青森13:15着
・はやて543号:E5系10両、仙台14:35発新青森16:55着
【運休列車~確定】
・はやぶさ33本:東京~仙台間2本43・108号、東京~盛岡間6本16・105・107・110・111・112号、東京~新青森間17本19・20・21・22・23・24・25・26・27・28・29・30・31・32・37・40・42号、東京~新函館北斗間1本34号、那須塩原~新青森間1本11号、仙台~新青森間1本17号、盛岡~新青森間4本7・33・36・96号、新青森~新函館北斗1本30号
・やまびこ52本:東京~仙台間34本135・136・137・138・139・140・141・142・143・144・145・146・147・148・149・150・151・152・153・154・155・156・157・209・211・13本56・57・58・59・60・61・62・63・64・65・66・67・68号、小山~盛岡間1本55号、郡山~仙台間1本129号、福島~仙台間2本127・205号、仙台~盛岡間1本99号
・なすの12本:東京~那須塩原間4本267・269・279・281号、東京~郡山間6本257・259・261・276・278・280号、那須塩原~郡山間2本255・274号
・つばさ25本:東京~福島15本132・135・136・137・138・139・140・141・143・145・146・149・153・154・156・157号、東京~那須塩原間1本158号、福島~山形間4本127・129・142・148号、福島~新庄間4本131・133・144・150号
・こまち21本:東京~盛岡間14本16・18・19・23・24・25・29・30・32・37・39・40・41・42号、東京~秋田間3本20・21・28号、盛岡~秋田間2本7・28号、仙台~盛岡間1本35号、仙台~秋田間1本34号
【120~499分・500分以上遅延列車~確定分】
・はやぶさ19本:14号東京+572分、106号東京+565分、12号東京+537分、15号新青森+527分、13号仙台+521分、7号盛岡+514分、10号東京+510分、9号新青森+506分、500分未満11本
・やまびこ19本:132号東京+622分、134号東京+561号、52号東京+554分、54号東京+549分、131号仙台+530分、207号仙台+520分、53号+盛岡+519分、130号東京+518分、500分未満11本
・なすの7本:500分未満7本
・はやて1本:543号新青森+165分
・つばさ6本:131号仙台+530分、500分未満5本
・こまち11本:14号東京+572分、15号秋田+541分、12号東京+537分、9号秋田+518分、7号盛岡+514分、10号東京+507分、500分未満5本
・はくたか1本:東京+126分
【120分未満遅延列車~確定分】
・はやぶさ5本、やまびこ8本、はやて1本、なすの4本、つばさ3本、こまち3本
・とき12本、たにがわ7本、かがやき5本、はくたか4本、あさま6本
【付録1:秋田駅不審物騒ぎ】
3月25日(火曜日)、秋田駅新幹線ホーム喫煙所脇に当日朝から置かれていた銀色のキャリーケース(縦54㎝×横32㎝×幅10㎝)を清掃員が見つけたため、午前10時25分頃に駅員に知らせ、駅員が警察に通報した。このため午前11時17分から、新幹線および在来線全列車の秋田駅発着を見合わせた。警察による不審物の検査及び撤去作業を行い、午後1時40分に全面運転再開となった。
その後の捜査で、不審物に事件性は無く遺失者に引き渡された。
・区間運休列車4本:盛岡~秋田間こまち19・24号、秋田~大館間スーパーつがる1・2号
・秋田駅手前で抑止列車3本:こまち3号+153分、つがる42号+120分、いなほ1号+101分延着
・秋田駅発車抑止列車1本:こまち20号東京駅+112分延着
・その他奥羽・羽越・男鹿線8本運休・11本遅延発生、3,000人に影響
【付録2:つばさ138号異音感知】
乗車していた知人からの情報によると、3月25日(火曜日)午前11時23分頃、つばさ138号は赤湯駅到着の際に異常な音を感知したため車両点検を行った。異常は見られなかったため15分後に運転を再開したが、米沢~関根間走行中再度異音を感知したため点検を行った。12時半過ぎに運転を再開したものの原因が不明のため、当列車は福島駅地上5番線に収容し運転は打ち切られた。乗客は後続のやまびこに乗車し、東京方面へ向かった。
・区間運休列車2本:東京~福島間つばさ138・141号
・その他:450人に影響
※運休・遅延列車はデータ記録詳細集計後掲載予定。
※画像資料:photolibrary フォトライブラリー
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