奥羽本線の数奇な経歴をたどる③完
【はじめに】
福島市を起点に山形市および秋田市を経由し、青森市に至る484.5㎞の幹線である。開通当初から福島~秋田間、秋田~青森間の東北日本海側の主要都市を連絡する列車が運行されており、特に夜行列車に於いては上野を出発し福島から奥羽本線を経由し青森まで直通する列車まで存在していた。
しかし軌間や電化設備の変更による輸送形態の変化から、現在では複数区間に分断され全線を通した直通運転は不可能となっている。全国他のJR線では見る事の出来ない特異な経歴を辿った奥羽本線の姿を振り返ってみたい。=今回は最短所要時間の変遷その2についてご紹介します=
【4.ミニ新幹線の開業と延伸】
・1990年9月1日 特急「あけぼの」陸羽東線経由に変更、急行「津軽」仙山線経由に変更
・1991年8月27日 特急「つばさ」仙山線経由(仙台駅発着)に変更
・1992年7月1日 山形新幹線開業
・1997年3月22日 秋田新幹線開業、特急「あけぼの」羽越線経由に変更
・1999年3月11日 山形新幹線新庄延伸工事のため、特急「こまくさ」廃止、翌日から快速「こまくさ」運転開始
・1999年12月1日 山形新幹線新庄延伸開業

1992年7月の山形新幹線の開業により、奥羽本線の列車は山形駅での乗り換えが必須となった。しかし、新幹線車両の乗り入れによる福島~山形間ノンストップ列車の登場により、同区間の所要時間が1時間ちょうどと最短を記録した。一方、奥羽特急列車の代表名称を新幹線に取られた形となった山形~秋田間には特急「こまくさ」が新たに設定され、こちらも同区間最速で2時間59分と3時間を切る列車も登場している。
1997年3月の秋田新幹線の開業により、山形~秋田間を通して運転される「こまくさ」は2往復のみに削減され、秋田駅での奥羽北線⇔奥羽南線両列車(こまち号を除く)との相互接続が考慮されないダイヤとなった為、福島~青森間を通しての特急列車での乗車はできなくなった。一方、福島停車となるこまち号が3往復設定されたため、福島と秋田~青森間各特急停車駅との連絡は1往復のみではあるものの、かろうじて確保されている。
1999年12月の山形新幹線新庄延伸開業により、特急「こまくさ」は普通車両による快速「こまくさ」に格下げとなった。しかし、山形~秋田間の所要時間で見ると、特急「こまくさ」時代と現在の「つばさ」+快速「こまくさ」乗り継ぎとでは、遜色ないダイヤが設定された形となった。
【5.快速列車の廃止と一部電化区間の廃止】
・2002年12月1日 快速「こまくさ」名称廃止し無名快速に、秋田新幹線「こまち」福島駅停車列車廃止
・2006年3月18日 新庄~秋田間快速廃止
・2014年4月15日 特急「あけぼの」定期列車廃止
・2024年7月25日 集中豪雨の影響により新庄~院内間不通
・2025年4月25日 新庄~院内間非電化により運転再開

2006年3月のダイヤ改正で快速列車が廃止となり、全てが普通列車となった。加えて新庄駅でのつばさとの乗り継ぎが悪くなったため、秋田以北の所要時間は掛り増しとなった。
2024年3月のダイヤ改正後、7月25日の豪雨で新庄~院内間は普通となったが、JR東日本では以後の自然災害での路線復旧に際して迅速化を図るため、同区間を非電化とすることに決定した。翌年4月25日から運転を再開したが、下り院内、上り横堀での乗り換えが発生しているものの所要時間的にみると増加していない点は特筆できるであろう。
しかし、現在の各県庁所在地最寄駅間の所要時間で見ると、1965年10月改正レベルに後退していると云え、特急つばさ・白鳥が新設されたサンロクトウの時代が最速であったのが驚きである。
※画像資料:pixta.jp ピクスタ
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