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「リアルも推しも、壊れてる。」【推しの子】感想考察 〇幼年期


・キャラクター描写から見える作品の方向性

 漫画を描くにあたって、現実との整合性を考えすぎてしまっては、読者は読んでいられない。しかし、やりたいことをやりすぎても読者はついてこない。そのため、
ある程度取捨選択をすることはとても重要であり、それによって作品の方向性や、作家性が見えてくる。
 第1話では、研修医のリアリティーのなさ、病院の描写の雑さを代償に、ゴローのファンとしての複雑な気持ちがアイの天然でゆがんだカリスマ性によって、いい意味で納得させられる様子描いている。アイドルの魔力というのもテーマの一つだろう。

 また、全体的に、キャラクターを糾弾するような毒のあるボケツッコミが多く、そこに作者の自己批判的な思いを感じる。
そもそもウエストランドにしろ、そういうのが流行りなのかも。かぐや様でも同じようなものを感じたため、これは赤坂アカ先生の作家性か。

 アイドルに対する疑似恋愛(ゴローに関してはさりなと重ねた疑似応援である)の話もあり、アイドルとファンの関係という、内容を攻めようと思えばいくらでも攻められる、ある意味センシティブな要素に踏み込むであろう期待感をみせる。

 そして、SNSの炎上という要素にも言及をする姿勢をみせる。ルビーの「免罪符」というキャラの発言として違和感のある言葉遣いは、冷たく打ち切られることの多いジャンプ漫画の連載形態のなかで、
「打ち切られたとしてもこれだけは伝わってくれ」という執念で、何とかそのメッセージを1巻目に閉じ込めるために多少変なものになってしまったのだろう。


・転生

 オタクの妄想をそのまま形にしたような展開。そういう意味では、アイのおっぱいを吸うか吸わないかの話は、その妄想を表現するにあたり、避けて通れなかったのかもしれない。
ちなみに、本誌ではないにしろジャンプでそんなエロ同人誌みたいな話をするのかと、私はちょっとひいちゃった。

 終盤でアイは子供への愛を確信しながらも死に、ルビーは母のようなアイドルに、アクアは仮面をかぶり(本心を隠しながらという意味)復讐鬼になる。有馬との出会いもあり、役者としての活躍の期待感も膨らませながら、物語はスタートを切る。


余談

 完璧なアイドル「アイ」と言いながらも、所属するグループ(b小町)の名前のセンスと、アイの圧倒的人気だけでドームまで行くのが、いまいちピンとこなかった。
有馬の子役時代はすごく既視感がある分、b小町関連は、あまり「ああ、現実でいうところのあれね!」感はない。
モーニング娘。なのかな?でもバックにつんく♂がいたもんね。
私の世代のアイドルが、数の暴力感のあるAKB48だからなのか。父に連れられてともちんの卒業ライブに行き、双眼鏡で米粒サイズのたかみなをみて、悲しくなった思い出があります。

 ちなみに、私はアイドルのよさが全く分からないので、「推し」の意味も分からない。人への執着や依存にいい名前を付けて、商売にしたのが「推し」ということなのか。

 ただ、最近よく使用される、自分の好きな作品、キャラクターという意味の「押し」や「押し活」に関しては思うところがある。

 そういう意味での「推し」とは、好奇心に従って、
自身を「オタク」だったり、または別のなにかとして具体的に考え、その思いを深めるために行動するための言語化能力がない人がふわっと使う言葉であると私は考える。コスパ(笑)を重視する人たちが考えそうな、広義でなんにでも使える便利な言葉遣いだ。そんなこんなで幼年期感想考察終わります。

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