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【宅録ギタリスト&DTMer必見!!】まさかのノイズ源たちとの戦い【MOTU M2】


どうも、キシダです。
ボーカロイドユニット「nomel(ノメル)」で、ギターと作編曲を担当しています。

相方のwocusuri(をくすり)君と二人で、作詞・作編曲・ミックス・マスタリングなどをお互いの得意領域で分業しながら制作を進めています。

今年の8月には「ボカコレ」に新曲を投稿し、現在は9月締め切りの投稿祭「無色透名祭」に向けて、新曲のレコーディング真っ最中です。

さて、今回の記事は宅録でのトラブルのお話です。

原因不明のノイズが発生

宅録ギタリストやDTMに取り組まれている皆さんは日夜理想のサウンドを求めて、終わりなき機材の沼を泳ぎ続けていることでしょう。
ギターを変え、エフェクターを並べ替え…だけでなく、宅録の環境。
アンプシミュレータを弾き比べ、オーディオインターフェイスを買い替え、DIやプリアンプの導入も検討し、果ては電源ケーブルや壁のコンセントの極性にまで…。
その探求の幅は無限と言っていいほど広がっています。
少しでもプラスになればと投資とトライを繰り返すのは全て「いい音」を録るための試行錯誤に他なりませんよね。

ですが、今回は「意外すぎる機材と原因」によってノイズが発生してしまったお話です。

無色透明祭にむけた制作のまっただ中、ミックス・マスタリングなどを担当しているwocusuriさんから、一通のメッセージが届きました。

wocusuri: あーそうだ。ギターrecの時ノイズ気をつけてくれ。参考にもらったやつはガッツリ入ってた。

僕の持っているギターはほとんどがシングルコイル。自然なホワイトノイズが乗るものだし…と一度は言い訳をしたものの
「最近録音時のノイズが確かにひどい。確かに前ここまでではなかったな…」
と自分でも薄々感じてはいました。
そこを制作の仲間に改めて指摘されるといよいよ看過できません。

そこで重い腰を上げ、部屋のどこかに潜む見えざるノイズ源を滅ぼさねばと決意をかため、大捜索が始まったのです。

STEP 1:容疑者たちの洗い出しと、空振りの連続

僕の捜査はまず、常習犯とされる容疑者たちの洗い出しから始まりました。宅録におけるノイズ源の三巨頭。
すなわち、天井の照明、エアコン、換気扇です。

僕はDAWソフトの入力モニターをONにし、耳を澄ませながら、一つまた一つと電源を落としていきました。
照明、OFF。

リモコンでなく、元スイッチから切ってみたものの…


しかし、ヘッドフォンから聴こえる「ジー…」という不快な音は、消えません。

エアコン、OFF。まだ、いる。

まだ昼間っす。熱いっす。

換気扇、OFF。

…なぜだ。
消えません。ノイズは全然消えません。

しかし犯人は、必ずこの部屋のどこかにいるはずです。
今度はケーブルの混線、ギター本体の問題、はてはサブモニターの電源、PCクーラー、外付けハードディスク、スマホを置く位置など細かいポイントをチェックしていきます。

シールドと電源ケーブルが重なったりするとノイズの原因に。

しかし、解消しない。
捜査は、早くも暗礁に乗り上げました。

真っ暗な中、PC周りには抜かれたケーブルが散乱し、エアコンを消したせいで室温は上がり、換気扇もサーキュレータも止まっている。

慣れない静寂の中、ディスプレイの明かりとモニタスピーカーから流れるがザーッというノイズだけが部屋を満たし、僕は一人途方に暮れてしまいました。

STEP 2:科学捜査と、犯人への肉薄

万策尽きた僕がwocusuriさんに相談すると、的確なアドバイスが貰えました。

wocusuri: このまえ入れたスペアナ(スペクトラムアナライザー)とか見つつギター持って動いて変化あるかだな。

なるほど。そういえば先日、非常に視覚的にわかりやすいスペクトラムアナライザープラグイン「TDR Prism」が無償配布されていることを知り、インストールしておいたのでした。

※TDR Prismについてはこちらの記事が詳しかったため気になった方はチェックしてみてください。


というわけで、手順はこうです。

1.ノイズの乗りやすいシングルコイルギターのリアチャンネルをオーディオインタフェイスにつなぎ、インプットゲインを高めにしておく
2.DAWにギタートラックを作成し、モニターモードをONにする
3.トラックにTDR Prismを挿入する
4.ギターを持って部屋を歩き回る。

こうすることで、ノイズの帯域や音量を可視化できます。
要は、ノイズ源に近づくほどノイズ音量が上がるだろうから、その周辺にあるモノがノイズの原因である可能性が高い、というわけです。
さながらノイズ探知機ですね。

僕はギターを抱えてゆっくりと部屋を歩き回りました。

1.5k~20kに大きな盛り上がりを検出

すると、ある法則性に気づきます。
ギターのピックアップを色々な角度に向けてみると、ちょうど僕がいつも椅子に座っている高さで、ノイズが最大になるのです。

その他、同じ高さでも向きによってノイズの大小に差があることに気が付きました。

STEP 3:衝撃の逮捕劇と、事件の全貌

「この高さにある家電って何だ…?」
改めて見渡しますが、PCでもない、テレビでもない…。

そして見つけたのは一台の除湿機。

今年の梅雨の時期に新しく購入したアイリスオーヤマの除湿機。
そういえば、8月のボカコレ曲に向けてレコーディングをしている最中に、除湿機についているサーキュレーターが動作しているとノイズが発生することに気が付いたのでした。
それ以来録音の際には毎回、電源を切ってあります。

今回ももちろん沈黙していました。どの機能もオフです。
ランプも一切点灯していません。

ですが、除湿機から離れるとノイズが減衰していく。
どういうことなのか。送風機能を消せばノイズは解消するはずではなかったのか。

お ま え か ?


色々と考えましたが、今の状態からできることはもうただ一つ。

僕は半信半疑のまま、コンセントに刺さっていた除湿機の電源プラグに手をかけ、引き抜きました。
その瞬間 モニタスピーカーを支配していたジー…というノイズが、嘘のように消え去ったのです。
スペアナの波形も一般的なホワイトノイズそのものです。

こちらがノイズ発生中の波形
コンセントを抜くと…

そう、犯人は「電源はOFFでも、コンセントにプラグが刺さっているだけの除湿機」でした。
どうやら待機電力を消費する過程で、僕のギターサウンドを汚すほどのノイズをこっそり撒き散らしていたようです。

宅録をしている皆さん。
原因不明のノイズに悩んだら、部屋中の家電のプラグを逐一抜いてみることを強くお勧めします。
あなたのサウンドを汚している犯人は、電源OFFでひっそり佇んでいる、意外な家電かもしれません。

まだ戦いは終わらない。最後の刺客。

こうして最大のノイズ源は断たれ、僕のギターサウンドは劇的にクリアになりました。

しかし、僕の戦いはまだ完全には終わっていなかったのです。

ビーーッと言う、先ほどとは質の違うビープ音のようなノイズが定期的に鳴る。
しかも、インプットゲインをゼロにしても、なんならインプットチャネルに刺さっているケーブルそのものを抜いても鳴り続ける。そしてフッと消える。

このノイズが鳴っているタイミングでTDR Prismで確認してみますと7k帯あたりに明らかにピークがあります。

こちらが平時の波形
突如7k付近に現れる東京スカイツリー。

こいつの正体は特定するに至っていないものの、何を隠そう毎日お世話になっているオーディオインターフェースのMOTU M2の可能性を疑っています。

というのも、実はこのMOTU M2、ユーザーから指摘されている問題点が主に2つあります。

一つ目が、「ヘッドホンチャンネルのアウトプットボリュームを一定以上上げると、インプットチャンネルに歪みが発生することがある」という挙動です。
二つ目は、先述した7k帯に突如現れるビープ音です。これはユーザーコミュニティ等で議論されていますが、M2そのものの仕様によるものか、周辺環境の影響があるものなのかは明確化されていません。

ただ、これまで使用してきたYAMAHA AG03やAG03 mkIIでは生じていなかったノイズなので、M2となにかの組み合わせで発生する、といった事は考えられます。

記事公開後、国内正規代理店の株式会社ハイ・リゾリューション様からご連絡をいただき、この件に関する公式な見解として、2024年4月26日にXで公開されたポストを参照するようご案内いただきました

ポストから核心部分を抜粋して引用させていただきます。

(前略)
現在インターネット上で流布されている、MOTU M2のヘッドホンレベルの可変に伴うインプット信号の変化について当社とMOTU社の見解をご報告いたします。

この現象を確認・体感するためには、小さくない音量レベルで、倍音を含まない1KHzサイン波などの持続的な信号を入力し、その上でヘッドホンボリュームを、相当の増幅操作することでのみ発生するもので、想定する用途となるマイクでの音声入力や、音楽データの取り扱い環境では全く体感できないレベルでの挙動であり、通常のご使用に支障をきたすものと認知しておりませんので、既に製品をご使用中のお客様、音楽制作や収録、配信等で製品のご導入をご検討のお客様におかれましてはご安心いただきたく存じます。

指摘されている現象は下記の特殊な条件においてのみ発生することを確認しています。
・テストトーンなど一定の持続的な波形をM2の入力端子へ送信
・ヘッドホン端子にヘッドホンを接続している状態
この接続状態でM2ならびにM4のアウトプット端子から計測ツールに接続し、ヘッドホンボリュームを増幅に可変させていくことで入力信号の倍音成分に変化が生じることを確認したため、開発元である米MOTU社へも既に報告・共有を致しました。
そのうえで当社ならびにMOTU社見解として、楽曲データや音声を含むオーディオ素材等を取り扱われる、本来想定するニーズにおけるお客様の環境下においては全く影響しない現象であると認識しました
(以下略)

株式会社ハイ・リゾリューション High Resolution co.,ltd. on X
午後6:03 · 2024年4月26日

ポストの全文は、以下よりご確認いただけます。

代理店様からご見解は以上です。

私の制作環境においては、これら2つの挙動が録音時のノイズや歪みとしてだいぶ気になるというか、痛い部分ではあります。
出音はすごくいいインタフェイスなんですけどねえ…。

M2を通したモニタリングだけを目的にしている打ち込み系のDTMerにはさほど問題にならないでしょう。
ただ、私のようにM2を経由して歌声や演奏を録音しようとしているみなさんにとっては、これらが場合によっては大きなネックになりかねませんので、慎重に検討することをおすすめします。

参考までに、海外の動画ですがさまざまメーカーのオーディオインターフェースのインプット・アウトプットで生じる歪みを詳細に検証している動画がありますので気になる方は是非チェックしてみてください。

代理店様のご見解と、私個人の体験、双方の情報を元にご自身の用途に合うかどうかを判断する材料としていただければ幸いです。

主犯(除湿機)を逮捕しても、まだスタジオに居座り続けるさまざまなノイズたち。 僕らのノイズとの戦いは、これからも続いていきそうです。

出音はすごくいいインタフェイスなんですけどねえ…

最後に宣伝!

こんな風に日々見えない敵とも格闘しながらも、僕たち「nomel(ノメル)」は楽曲制作を日々続けています。
記事公開時点での最新曲は、ボカコレ2025夏 TOP100に投稿した新曲「夏、彩る」です。

そして、11月に開催予定の投稿祭「無色透名祭」にむけ、ノイズ対策をバッチリ施して、レコーディングを進めています。
9月末の締切に間に合えば、11月に新曲をお届けできるはずです!

僕たちの最新情報や楽曲は、X(旧Twitter)やYouTube、ニコニコ動画で発信していますので、ぜひフォロー&チャンネル登録をお願いいたします!

nomel(ノメル) 配信曲: https://www.tunecore.co.jp/artists/nomel_nomel?lang=ja

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wocusuri X (旧Twitter): https://x.com/wocusuri

今回の記事が、同じようにノイズと戦う誰かの助けになれば嬉しいです。 それではまた次回の記事で!

【補足】wocusuriくんが本記事に関して記事を追加で書いてくれてます!


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