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家族が出ていった僕に響いた映画──『つみきのいえ』

お盆を過ぎたある日、妻と子どもたちは家を出ていきました。
あれからの時間を振り返ると、不思議と重なる映画があります。
それが、短編アニメーション映画『つみきのいえ』です。


『つみきのいえ』とは

2008年に公開された、加藤久仁生監督による約12分の短編アニメーション
第81回アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したことで
世界的に注目されました。

舞台は水没しつつある街。
主人公の老人は、海面が上昇するたびに「積み木」のように
家を上へ上へと建て増ししながら、孤独に暮らしています。

ある日、大切にしていたパイプを水中に落としてしまったことを
きっかけに、老人はダイビングスーツを着て水の底へ潜ります。
そこにあったのは、かつての暮らし家族との思い出の断片。
老人は、沈んでいった「家の層」をめぐりながら、
自身の人生を回想していくのです。


見どころとメッセージ

この作品にはセリフがなく、映像と音楽だけで物語が紡がれます。
近藤研二氏の音楽と、長澤まさみさんのナレーションが
静かに彩りを添えています。

  • 家を「積み木」のように積み重ねる構造は、まさに人生や家族の思い出の象徴。

  • 水位の上昇は、過去が少しずつ沈んでいくことを寓意的に描いています。

  • 鉛筆画のような柔らかなタッチと淡い色彩は、懐かしさと切なさを呼び起こします。

やがて老人は拾い上げたワイングラスで一人、静かに乾杯します。
その姿は「失われたものを抱えながらも、生きていく」という
メッセージを示しているように思えます。


僕が感じたこと

『つみきのいえ』を観ていると、
自分自身の生活や記憶と重なる部分が多いと感じました。
家族が出ていったあとに残された
「静かな暮らし」「積み重なった思い出」
それはきっと、誰にとっても普遍的なテーマなのかもしれません。

人生の折々で失うものはある。
それでも、その思い出があったから今がある──。

そんなことを考えさせられる、心に残る作品でした。

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