家から家族が消えた日
ある日、仕事から帰ると、
自宅はもぬけの殻になっていました。
家電も、家具も、カーテンさえも、
生活の痕跡がまるでなかった。
頭が追いつかないまま、
ぼーっとした気持ちでお風呂に向かいました。
……すると、バスマットがない。
バスチェアがない。
ボディソープがない。
まるで「誰かの暮らしだった場所」に足を踏み入れたような感覚。
お風呂から出たあと、バスタオルもないことに気づき、
脱いだ服で身体を拭きました。
隣の部屋には、要介護の父がいます。
声を殺して泣きました。
情けないけど、どうしようもなかった。
あの日の夜は、一生忘れないと思います。
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