みずいろのはね(絵本)
この絵本を
ひらいてくださった皆さまへ
そして
いつもやさしく
支えてくださる皆さまへ
この場所に
立ち寄ってくださり、
本当にありがとうございます。
感謝の気持ちでいっぱいです。
この物語は、
自分の羽を
好きになれなかった
小さなことりの
お話です。
風や光に
そっと包まれながら、
ほんとうの気持ちを
思い出していきます。
読んでくださった方の心にも、
あたたかい光と
やさしい風が
ふわりと届きますように🌿

あるしずかな森のなかに
みずいろの はねをもつ
ちいさな ことりが
いました
じぶんの 色を
すきに なれずに
つばさは あるのに
飛べないと
思い込んでいました

ことりは ときどき
空を みあげては
みんなが 飛んでいくのを
しずかに みていました
高く 飛べたら
きれいな はねだったら
だれかの
役に立てるなら
なにか 変わるかもしれないと
いっしょうけんめい
いろんなことを やってみました
でも
なにかが ちがう
うまく いえないけれど
こころの どこかが
しずんだまま
なにも
変わらなかったのです

ある日 はじめて
ことりは
すこしだけ 遠くへ
でかけてみることにしました
水の ながれる ほとりで
たちどまっていると
川の うえのほうから
そっと
風が ふいてきて
くるくると
ことりを
やさしく つつみました
なんだか
すこし 切なくて
なつかしい
ふしぎな ぬくもり

なにもしていないのに
そのままで
やさしく つつまれていました
すこし
こわいくらいに
「 あれ…
この かんじ
どこかで… 」
ずっと 前から
あったのかもしれない
でも
しらなかった
知ってしまったら
もどれない 気がして
それでも
風は
いつも
そこに いました
なにも いわずに
ただ
そこに あるように

いつものように
おひさまは
今日も
かわらず
ことりの はねを
あたためていました
森は
なにも きかずに
ただ
やさしく
ゆれていました

その夜
ことりは
ちいさく まるくなって
ほんとうの 気持ちは
かくしたまま…
「 飛べなくても…
なにも 困らない 」
そう 思いながら
ねむりに つきました

朝になると
おひさまが
そっと
ことりの はねを
あたためました
つぎの日も
また そのつぎの日も
まいにち かわらず
その ぬくもりは
すこしずつ
ことりの からだに
しみこんでいきました

日々が すぎるなか
きらいだった はねの 色も
かたちも
大きさも
少しづつ ちがって
見えはじめてきたのです
「 ぼくの はね…
よくみたら
そんなに へんじゃないのかも 」
そう おもえる 日が
ふえていきました
すると…なんだか
好きなほうへ うごきたくなって
ときどき とまって
ときどき もどって
きもちのいい日は
たのしく
みずあびを したり
そして
はねの お手入れも
するようになりました
風に はねを ゆらされて
ちょっとだけ
くすぐったそうに
うれしそうに
わらう 日もありました

それから
ことりは すこしずつ
じぶんの こころの声に
耳を かたむけはじめました
ときどきは
「 ほんとうは
なにも 変わっていないのかも… 」と
迷う 日もありましたが
それでも 何かに
そっと ひかれるように
目には みえないけれど
やさしくて
つよい ちから

すると
世界が すこしだけ
ちがって 見えはじめたのです
川の せせらぎが
きらきらと ひかって
雲が ながれていく ようすも
どこか やさしくて
森の 木々も
花も
虫たちも
「 きみが
ただ ここに いるだけで 」
そんなこえが
きこえたような 気がしました
光を ふくんで
きらきらと ゆれて
ことりは
しばらく
じっと みていました
その なかで
なにかが
しずかに
ひろがっていったのです

そんな ある日
ことりは
空を みあげながら
おもいました
「 ぼく
ほんとうは
飛んでみたかったんだ 」
ことりの むねは
どきどきしていました
心のおくは
とても
こわかったのです
でも
ことりは
そっと
つばさを ひらきました
そして
はじめて
感じたのです
「……ぼく
飛べるのかもしれない 」

そんな ことりを
おひさまは やさしく てらし
風は
そっと ふいていました
みずいろのはね は
ひかりの なかで
ふわりと ゆれながら──

あとがき🌿
ここまで
読んでくださり、
本当にありがとうございます。
この小さなことりを
描きながら、
わたし自身も
少しずつ
羽をひらいていた気がします。
風も
光も
森も、
ずっと
なにも言わずに
そこに ありました。
この絵本が、
あなたのたいせつな場所に
やさしい風のように
届きますように…
こころから 願いながら🌿✨
感謝のひかりと祈りを込めて
— mimiおとのわ 🎻—
