ひかりのとびら(絵本)
この絵本をひらいてくださった方へ
ひかりのいのりを
絵本にしてみました。
この場所に立ち寄ってくださった
方のもとへ
やさしいひかりが
そっと届きますように。
—ひかりのとびら—

ある ところに
静かな森のなか
ひっそりと
立つ
古いおうちが
ありました。
その 家の奥に
ひとつだけ
とびらが
ありました。
その
とびらは
ずっと
閉ざされたまま
開けられたことは
ありませんでした。

そこには
ひとりの女の子が
住んでいました。
女の子は
毎日
家の中を歩きながら
とびらの前を
通りすぎていました。
ときどき
立ちどまっては
こう
思っていました。
「この とびらの
中には何が あるんだろう」
「きっと
何も ないんだろうし…」
「だから
開けてみなくてもいいよね」
「それに、なんだか、あけるの…
怖い気がする…」
でも
その とびらのことは
いつも
心のどこかに
残っていました。

そんな
ある 日
女の子は
ふと
立ちどまりました。
いつも 通っていた
とびらの 前で
なぜか
心が
ゆれたのです。
それは
とびらの すきまから
ほんの 少し
ひかりが
もれていた
からでした。

女の子は
しばらく
その 場所に
立っていました。
今までの ように
何ごとも
なかった ふりをして
通りすぎる ことも
できました。
でも
心の どこかで
何か
大切な ことを
「思い出していた」
自分が
いたのです。

その とき
女の子は
決めた わけでも
なく
でも
怖さを
こえてでもひらきたい
何かが
心の
奥にありました。
聞こえてくる
小さな
心の 声に
もう
うそをつけなく
なっていたのです。
気づくと
そっと
手をのばして
いました。
怖さが
なくなった わけでは
ありません。

とびらは
思っていたよりも
静かに
ひらきました。
中に
何が あったのかは
まだ
うまく
言葉にできません。
でも、その中にあった
ひかりは
もう
どこかに
探しに
行くもの
ではなくなっていました。
そして
そっと
こちらに向かって
やさしいひかりを
放って
いました。

それでも
女の子には
まだ、心に重く
残っている
言葉がありました。
「わたしなんて」
「わたしには何もない」
「ひかり なんて持っていない」
そう
思い込んでいた
時間が長すぎたのです。

とびらの むこうには
新しい 世界が
あったわけではありませんでした。
ただ
気づいて
くれることを
長い時間…
静かに
信じて待ってくれていた
ひかりが
そこに
あっただけでした。
どこか
なつかしく
安心する
やわらかな時間が流れる場所
わたしのままでいれる場所

そのとき
女の子に
ひとつの言葉が
風にのって
そっと
届きました。
それは
ずっと
近くで見守って
くれていたような
とても
あたたかい言葉でした。
「わたしなんて」
ではなくてね。
「わたしだからこそ」
その言葉は
女の子のこころの中に
深くしみこんでいきました。

はじめから、
ずっと、
ここにいて、
静かに
待ってくれていた
ひかり
女の子は
少し微笑んで
「やっと逢えたね」
と、つぶやいていました。

This piece is written in Japanese, but I hope its feeling reaches someone, somewhere.
やさしいひかりに愛を込めて
— mimi おとのわ 🕊️✨ —
