社交ダンスのプロに勧められて観た『10DANCE』
社交ダンスのプロに勧められて、
Netflixで『10DANCE』を観ました。
撮影で使われているロケ地が
The Blackpool Tower Ballroom で、
世界的な競技ダンスの聖地でもあると聞いて。
「かなり本格的よ」
その一言に背中を押されるように、再生しました。
正直、
社交ダンスをかじったことがある程度の私が、
どこまで楽しめるのだろう
という気持ちはありました。
けれど観終わってみて感じたのは、
この作品は
ダンス:ストーリー=8:2
くらいの比重だということ。
セリフで説明するよりも、
ダンスそのもので
感覚や気持ちを重ねていく物語でした。
『10DANCE』は、
社交ダンスの世界で
それぞれの道を極めてきた
二人の男性ダンサーが、
ペアとして向き合うことになる物語です。
異なるスタイル、
異なる身体感覚、
そして譲れないプライド。
同じ目標を共有しながらも、
二人の間には
常に緊張と距離があります。
言葉にすれば
壊れてしまいそうな感情を、
彼らは
ダンスという身体表現のなかで、
少しずつ
すり合わせていきます。
そこに描かれるのは、
恋愛とも
友情とも
簡単には言い切れない関係性と、
それでも
離れられない結びつき。
踊ることでしか
分かり合えない何かが、
二人の間に
確かに生まれていきます。
私自身も、
ほんの少しだけ
社交ダンスを齧ったことがあります。
心地よさを
十分に感じられるほど、
上手に踊れていた
わけではありません。
それでも、
踊っている最中に、
ふっと
「ぴったりくる」
瞬間は
確かにありました。
音楽と、
ペアの男性と、
そして自分の動きが噛み合って、
一体になったように
感じる瞬間です。
そういうときは不思議と、
相手も
「今の、よかったよね」
と
同じ感覚を共有していて。
言葉を交わさなくても、
ダンスを通じて
分かり合える感覚が、
そこにはありました。
言葉では言えないけれど、
確かに
通じてしまうものがある。
だからダンスシーンでは、
かつて踊っていたときの
その感覚を思い出しながら、
思わず
息を呑んで見てしまいました。
観終わったあと、
ふと
将来の自分を想像しました。
いつか、
カルチャースクールで、
無理のないペースで
踊っているおばあちゃん。
上手じゃなくても、
身体と折り合いをつけながら、
音楽を浴びて
踊っている人。
今は
時間もお金もないけれど、
また
社交ダンスをしたくなりました。
『10DANCE』は、
音楽と身体が一体になる感覚を、
そっと
思い出させてくれました。


