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『光の人』 物語


薄暗い牢獄の中で何年か過ぎた頃に思った。

神はいるのか? いないんじゃないのか。

彼は罪など犯していなかった。ただ普通の生活をしている中でこうなった。それは人々によって作り上げられた罪だった。濡れ衣を着せられたのだ。そんな彼を信じて涙を流すものもいたが少数だった。


牢獄の中で彼は孤独を感じた。体も心も萎えていくようで辛かった。皮肉にもなってくる。怒りや憎しみもあった。寂しさも彼を蝕んだ。


しかし、牢獄から出る数ヵ月前に彼は閃くように目覚める。部屋の高いところにある小さな格子のかかった窓から射し込む光に目を向けた。この光は私を救ってくれる。私を導いてくれるだろう。この体験を彼は強く信じることになる。


私は明らかで 私は光である

牢獄から出ると彼は両親を訪ねた。両親は彼を迎い入れたが牢獄に入れられたことについてはうやむやにされた。また彼は光の存在について伝導を始めたいことを話す。するとこう言われた。

お前は偽善者で、ペテン師だ。

これが私の肉親だということを疑った。この者達には論理感や道徳なるものが備わっているのだろうか? 話しているとどうにも無さそうだ。ただ都合良く口裏を合わせているようにも思える。これが今の世の中なのだ。彼はなおさら自ら教えを始めなければいけない。そう思った。そうだ書も書かねばならない。


ここから彼の旅は始まった───














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