発散(ベクトル解析)



発散(divergence)

発散(divergence)の式は、ベクトル場 $${\mathbf{F} = (F_x, F_y, F_z)}$$ の各成分について、次のように定義されます。

$$
\text{div}  \mathbf{F} = \nabla \cdot \mathbf{F} = \frac{\partial F_x}{\partial x} + \frac{\partial F_y}{\partial y} + \frac{\partial F_z}{\partial z}
$$

この式は、ベクトル場が空間の各点でどれだけ「湧き出している」か、または「吸い込まれている」かを示すスカラー量であり、ベクトル場の源泉や吸収の度合いを表します。

2次元の場合、ベクトル場 $${\mathbf{F} = (F_x, F_y)}$$ の発散は次のようになります。

$$
\text{div}  \mathbf{F} = \frac{\partial F_x}{\partial x} + \frac{\partial F_y}{\partial y}
$$

ベクトル場 $${\mathbf{F}}$$ の各成分を $${F_x(x, y, z)}$$、$${F_y(x, y, z)}$$、$${F_z(x, y, z)}$$ として、発散の式を省略せずに書くと。

$$
\text{div}  \mathbf{F} = \nabla \cdot \mathbf{F} = \frac{\partial F_x(x, y, z)}{\partial x} + \frac{\partial F_y(x, y, z)}{\partial y} + \frac{\partial F_z(x, y, z)}{\partial z}
$$

時間t

時間 $${t}$$ を含めて、ベクトル場 $${\mathbf{F}(x, y, z, t)}$$ の各成分を $${F_x(x, y, z, t)}$$、$${F_y(x, y, z, t)}$$、$${F_z(x, y, z, t)}$$ と表すと、発散の式は次のようになります。

$$
\text{div}  \mathbf{F} = \nabla \cdot \mathbf{F} = \frac{\partial F_x(x, y, z, t)}{\partial x} + \frac{\partial F_y(x, y, z, t)}{\partial y} + \frac{\partial F_z(x, y, z, t)}{\partial z}
$$

あるいは

$$
F_x(x(t), y(t), z(t), t), \quad F_y(x(t), y(t), z(t), t), \quad F_z(x(t), y(t), z(t), t)
$$

であって、
このとき、発散の式は次のようになります。

$$
\text{div}  \mathbf{F} = \nabla \cdot \mathbf{F}\\
= \frac{\partial F_x(x(t), y(t), z(t), t)}{\partial x} + \frac{\partial F_y(x(t), y(t), z(t), t)}{\partial y} + \frac{\partial F_z(x(t), y(t), z(t), t)}{\partial z}
$$

ただし、ここでは時間変化も含まれるので、各成分が時間 $${t}$$ に依存して変動することが前提となります。

ガウスの発散定理

ガウスの発散定理は、ベクトル場 $${ \mathbf{F} }$$ の発散と、閉曲面 $${ S }$$ を通る流束との関係を示します:

$$
\iint_{S} \mathbf{F} \cdot d\mathbf{S} = \iiint_{V} (\nabla \cdot \mathbf{F})  dV
$$

ここで

$$
\mathbf{F}(x, y, z) = (F_x(x, y, z), F_y(x, y, z), F_z(x, y, z))
$$

また、微小変位がベクトルであって、ベクトル場との内積をとっていたら線積分・面積分。そうでなければ通常の積分・重積分になります。
今の場合、左項は面積分、右項は三重積分です。
三重積分のことを体積積分ということもありますが、両者は完全に一致します。

あるいはインテグラルの記法はみんなバラバラに書くもんで

$$
\int_{S} \mathbf{F} \cdot d\mathbf{S} = \int_{V} (\nabla \cdot \mathbf{F})  dV
$$

あるいは

$$
\oint_{S} \mathbf{F} \cdot d\mathbf{S} = \iiint_{V} (\nabla \cdot \mathbf{F})  dV
$$

あるいは

$$
\oint_{\partial V} \mathbf{F} \cdot d\mathbf{A} = \int_V (\nabla \cdot \mathbf{F}) \ dV 
$$

フラックス

フラックス(flux)は「ベクトル場の出入り具合」を表す概念です。具体的には、ベクトル場の出力やその流れが、特定の面や体積を通過する量として考えられます。

たとえば、電場や磁場といったベクトル場において、フラックスは次のような意味を持ちます:

  • 電場のフラックス:電場ベクトルがある表面を通過する際、その電場の「量」を示します。これは、電場がその表面をどれだけ「貫いているか」を表しており、電荷の影響を示す指標になります。

  • 磁場のフラックス:磁場ベクトルがある表面を通過する際、その磁場の「量」を示します。磁場は閉じたループを形成するため、閉じた面を通るフラックスはゼロになります(ガウスの法則における磁場に対する法則)。

フラックスの具体的な意味

フラックスは「ベクトル場の方向と強さが、ある面を通ってどのように出入りしているか」を測る量であり、次のように計算されます:

$$
\text{フラックス} = \int_S \mathbf{F} \cdot d\mathbf{A}
$$

ここで、

  • $${\mathbf{F}}$$ はベクトル場(例えば電場や磁場)、

  • $${d\mathbf{A}}$$ は面積要素ベクトル(面の微小領域の向きと大きさ)です。

内積 $${\mathbf{F} \cdot d\mathbf{A}}$$ を取ることで、その面に対してベクトル場がどれだけ垂直に貫いているかを計算しています。

導出

発散定理の導出は、微小な体積を考えることで行われます。この方法で、体積の内部での発散(ベクトル場の源)と、それを囲む境界面を通る流束の関係が見えてきます。ここでは、立方体の微小体積を使って発散定理を導きます。

微小体積上のフラックスの計算

まず、直交座標系で、小さな立方体(各辺の長さを $${ \Delta x}$$, $${ \Delta y}$$, $${ \Delta z}$$ とする)を考えます。この立方体の中心を $${(x, y, z)}$$ とします。

ベクトル場 $${\mathbf{F}}$$ の各成分を $${(F_x, F_y, F_z)}$$ とし、立方体の各面を通過するフラックスを計算します。

x方向の面

立方体の左側の面($${x = x - \frac{\Delta x}{2}}$$)でのフラックスは、$${F_x(x - \frac{\Delta x}{2}, y, z) \Delta y \Delta z}$$ です。

右側の面($${x = x + \frac{\Delta x}{2}}$$)でのフラックスは、$${F_x(x + \frac{\Delta x}{2}, y, z) \Delta y \Delta z}$$ です。

したがって、x方向の総フラックスは、両側のフラックスの差として表せます:

$$
\left( F_x \left( x + \frac{\Delta x}{2}, y, z \right) - F_x \left( x - \frac{\Delta x}{2}, y, z \right) \right) \Delta y \Delta z
$$

この差をテイラー展開で表すと、次のようになります:

$$
\frac{\partial F_x}{\partial x} \Delta x \Delta y \Delta z
$$

y方向と z方向のフラックス

同様にして、y方向および z方向の総フラックスも求められます:

$$
\frac{\partial F_y}{\partial y} \Delta x \Delta y \Delta z
$$

$$
\frac{\partial F_z}{\partial z} \Delta x \Delta y \Delta z
$$

微小体積のフラックスの総和

この微小立方体の全ての面からのフラックスの総和は、次のようになります:

$$
\left( \frac{\partial F_x}{\partial x} + \frac{\partial F_y}{\partial y} + \frac{\partial F_z}{\partial z} \right) \Delta x \Delta y \Delta z
$$

これは、ベクトル場の発散 $${\nabla \cdot \mathbf{F}}$$ を表しているため、

$$
\nabla \cdot \mathbf{F} \cdot \Delta V
$$

と書けます。ここで、$${\Delta V = \Delta x \Delta y \Delta z}$$ は立方体の体積です。

体積全体に対する積分

この関係は、微小体積で成り立っているため、任意の体積 $${V}$$ に対しても成立します。体積 $${V}$$ にわたるベクトル場の発散の積分が、体積 $${V}$$ の境界面でのフラックスの合計に等しいという関係が得られます:

$$
\int_V (\nabla \cdot \mathbf{F}) , dV = \oint_{\partial V} \mathbf{F} \cdot d\mathbf{A}
$$

これが発散定理です。この定理は、微小体積でのフラックスと発散の関係を、任意の体積に一般化したものです。


ガウスの法則

ガウスの法則は、電場や磁場の分布に関する基本的な法則の一つで、電気や磁気の分野で重要な役割を果たします。この法則は、特定の閉じた表面を貫く電場や磁場の総和が、その内部に存在する電荷や磁荷によって決まることを示しています。ガウスの法則は、以下のように表現されます。

電場に対するガウスの法則
電場に対するガウスの法則は、「閉じた表面を通る電場の流束が、その内部にある総電荷量に比例する」という内容です。式で表すと次のようになります:

$$
\Phi_E = \oint_S \mathbf{E} \cdot d\mathbf{A} = \frac{Q_{\text{enc}}}{\epsilon_0}
$$

ここで、
$${\Phi_E}$$ は閉じた表面 $${S}$$ を貫く電場の流束、
$${\mathbf{E}}$$ は電場ベクトル、
$${d\mathbf{A}}$$ は微小な面積ベクトル、
$${Q_{\text{enc}}}$$ は閉じた表面内部の総電荷量、
$${\epsilon_0}$$ は真空の誘電率です。

ガウスの法則は、対称性のある問題で特に役立ち、電場の強度を簡単に求めるのに使われます。

磁場に対するガウスの法則
磁場に対するガウスの法則は、「閉じた表面を通る磁場の流束はゼロである」という内容です。これは、磁極が「単極」ではなく「双極子」として存在するためです。式で表すと次のようになります:

$$
\Phi_B = \oint_S \mathbf{B} \cdot d\mathbf{A} = 0
$$

ここで、$${\mathbf{B}}$$ は磁場ベクトルです。この法則から、磁場は必ず閉じたループを形成することが示されています。

ガウスの法則は、電磁気学のマクスウェルの方程式の一部であり、電場や磁場の性質を理解するための基盤となっています。


ガウスの発散定理とガウスの法則

ガウスの法則は、ガウスの発散定理においてベクトル場 $${\mathbf{F}}$$ を電場 $${\mathbf{E}}$$ に置き換え、発散が電荷密度 $${\rho}$$ に比例することを利用しています。具体的には、マクスウェル方程式の一つとして、次の関係が成り立ちます:

$$
\nabla \cdot \mathbf{E} = \frac{\rho}{\epsilon_0}
$$

これを発散定理に適用すると、ガウスの法則の積分形式が導かれます:

$$
\oint_{\partial V} \mathbf{E} \cdot d\mathbf{A} = \int_V \frac{\rho}{\epsilon_0}  dV = \frac{Q_{\text{enc}}}{\epsilon_0}
$$

この結果、閉じた表面を通る電場の流束は、その内部の総電荷量に比例する、というガウスの法則が得られます。


閉路積分・閉曲面積分

インテグラル記号に「丸」を付けるかどうかで、積分の意味が少し異なります。

丸付きインテグラル $${ \oint }$$ の意味
$${ \oint }$$ は「閉じた曲線」や「閉じた曲面」上、すなわち領域境界上での積分を表すために使います。

境界が曲線である線積分の場合:閉じた経路(例:円周など)の線積分を示す際に $${ \oint }$$ を使います。
境界が曲面である面積分の場合:閉じた曲面(例:球や立方体の表面)の面積分を示す際に $${ \oint }$$ を使います。

したがって、丸付きのインテグラル記号 $${ \oint }$$ は「閉じた領域」を強調する意味を持ちます。

丸なしインテグラル $${ \int }$$ の意味
一方で、通常のインテグラル記号 $${ \int }$$ は、開いた領域や任意の領域での積分を表すときに使われます。例えば:
・開いた区間や線分上の線積分
・一部の面に限られた面積分

ガウスの発散定理の場合
左項は境界である閉曲面に沿った面積分
右項はそれに包まれた、閉じてはいるが境界ではない領域全体にわたる体積積分。境界は含まない。

線積分・面積分・体積積分

ガウスの発散定理の場合
左項は面積分(閉曲面)であって、単純な二重積分とは異なる。
右項は(閉じてはいるが境界ではない領域の)体積積分であるが、体積積分と三重積分は完全に一致するので同じである。
多分、線積分や面積分と違って、つかいどころの問題で、体積積分を三重積分と区別して活躍させる場もメリットもないのだと思われる。

重積分は基本的にはスカラー場に適用される。
線積分・面積分はスカラー場にもベクトル場にも適用されるが、教科書に載ってるやつはだいたいベクトル場である。

線積分は曲線に、
面積分は曲面に沿う。
体積積分は任意形状の空間に沿う。
これらはとかく空間と、それにおける位置$${\mathbf r}$$が意識される。

単純な積分や二重積分や三重積分の定義域は局所的な微小領域における直線、矩形、立方体であり、あるいは逆に大局的には空間全体を切り取った領域である。同時に、微小領域を敷き詰めると考えるなら、その定義域は任意形状に適用できる。

微小領域敷き詰めの一つの例は線積分と面積分である。


線積分

線積分はベクトル場 $${ \mathbf{F}(x, y, z) }$$ が曲線 $${ C }$$ 上でどのように働いているかを積分する方法です。例えば、電場や重力場の中で物体が曲線上を移動するときに、その力の影響を計算するのに使用されます。物理的に言うと仕事の総和の極限です。
保存力場の場合: 力場が保存力場(例: 重力場や静電場)のとき、線積分の値は経路によらず始点と終点のみで決まります。これはエネルギー保存則に関連しています。
非保存力場の場合: 摩擦力のような非保存力場では、経路の形状が仕事の総和に影響を与えます。

線積分は、曲線 $${ C }$$ 上の各点におけるベクトル場 $${ \mathbf{F} }$$ の成分と、曲線の接線成分との内積を取り、曲線全体にわたって積分することで求められます。

つまり内積値の総和の極限です。
物理的に言うと仕事の総和の極限です。

いわゆる普通の積分が微小変位と関数出力の積の総和の極限であるなら、
線積分は経路に沿ったベクトルと、場に充満していると考えられる出力ベクトルとの内積値の総和の極限です。
スカラーの場合に積として定義された演算が、ベクトルの場合内積に対応するということです。よってインテグラルは総和の極限として分離され、

$${f(x)dx}$$なら積
$${\mathbf F \cdot d\mathbf r}$$なら内積
という解釈になります。

線積分の定義は次のようになります。

$$
\int_C \mathbf{F} \cdot d\mathbf{r} = \int_C \mathbf{F}(x, y, z) \cdot \frac{d\mathbf{r}}{ds}  ds
$$

ここで、
$${ \mathbf{F}(x, y, z) = (F_x, F_y, F_z) }$$ はベクトル場。
$${ d\mathbf{r} = (dx, dy, dz) }$$ は微小な位置ベクトル。
$${ ds }$$ は曲線 $${ C }$$ 上の微小な長さです。

より具体的には、曲線 $${ C }$$ がパラメータ $${ t }$$ で表される場合、積分は次のように書けます。

$$
\int_C \mathbf{F} \cdot d\mathbf{r} = \int_{a}^{b} \mathbf{F}(x(t), y(t), z(t)) \cdot \frac{d\mathbf{r}}{dt} , dt
$$

内積の総和の極限として解釈すると

$$
\int_{C} \mathbf{F} \cdot d\mathbf{r} = \lim_{n \to \infty} \sum_{i=1}^{n} \mathbf{F}(\mathbf{r}_i) \cdot \Delta \mathbf{r}_i
$$

となります。ここで、$${ \Delta \mathbf{r}_i }$$ は経路の微小な区間を表し、$${ \mathbf{F}(\mathbf{r}_i) }$$ はその区間におけるベクトル場の値です。

ここで場がスカラー場だった場合、つまり温度とかだった場合。
線積分は関数出力と微小変位(ただし経路に沿う)の積の総和になります。

スカラー場に対する線積分

$$
\int_C f(x, y, z)  ds
$$

ここで、

$${ f(x, y, z) }$$ はスカラー場(各点でスカラー値を持つ場)です。
$${ ds }$$ は曲線 $${ C }$$ 上の微小な弧長要素です。

具体的な計算方法:

曲線 $${ C }$$ がパラメータ $${ t }$$ で表されるベクトル関数 $${ \mathbf{r}(t) = (x(t), y(t), z(t)) }$$ により定義されている場合、線積分は次のように表せます。

微小弧長要素 $${ ds }$$ の表現:

$$
ds = \left| \frac{d\mathbf{r}}{dt} \right| dt = \sqrt{\left( \frac{dx}{dt} \right)^2 + \left( \frac{dy}{dt} \right)^2 + \left( \frac{dz}{dt} \right)^2} , dt
$$

線積分の計算式:

$$
\int_C f(x, y, z)  ds = \int_{a}^{b} f\big(x(t), y(t), z(t)\big) \left| \frac{d\mathbf{r}}{dt} \right| dt
$$

ここで、$${ t }$$ は曲線の始点から終点までのパラメータ範囲 $${ [a, b] }$$ を走ります。

スカラー場に対する線積分も、総和の極限として理解できます。

$$
\int_C f  ds = \lim_{n \to \infty} \sum_{i=1}^{n} f(\mathbf{r}_i) \Delta s_i
$$

ここで、

$${ \Delta s_i }$$ は曲線 $${ C }$$ を $${ n }$$ 等分したときの各小区間の弧長です。
$${ f(\mathbf{r}_i) }$$ は各小区間におけるスカラー場の値です。

物理的な意味合い:

例1: 温度分布がある棒の長さに沿って温度を積分すると、全体の熱量に関連する値が得られます。
例2: 質量密度が位置によって変わるワイヤーの全質量を計算する際、密度(スカラー場)を弧長で積分します。


面積分

面積分は、ベクトル場が曲面 $${ S }$$ にわたってどのように作用しているかを調べるための積分です。これは、ガウスの発散定理のような定理に利用され、流体力学や電磁気学などで頻繁に現れます。

面積分は、曲面 $${ S }$$ 上の各点におけるベクトル場の成分と、曲面に垂直な単位法線ベクトル $${ \mathbf{n} }$$ の内積をとり、それを曲面全体にわたって積分することで求められます。

面積分の定義は次のようになります。

$$
\iint_S \mathbf{F} \cdot d\mathbf{A} = \iint_S \mathbf{F} \cdot \mathbf{n}  dA
$$

ここで、
$${ \mathbf{F} }$$ はベクトル場。
$${ d\mathbf{A} = \mathbf{n}  dA }$$ は曲面の微小な面積要素で、単位法線ベクトル $${ \mathbf{n} }$$ に面積 $${ dA }$$ を掛けたものです。

もし、曲面 $${ S }$$ がパラメータ $${ (u, v) }$$ で表される場合、面積分は次のように書けます。

$$
\iint_S \mathbf{F} \cdot d\mathbf{A} = \iint_D \mathbf{F}(\mathbf{r}(u, v)) \cdot (\mathbf{r}_u \times \mathbf{r}_v) , dudv
$$

ここで、
$${ D }$$ は $${ (u, v) }$$ の定義域。
$${ \mathbf{r}_u }$$ と $${ \mathbf{r}_v }$$ は、パラメータに関する位置ベクトルの偏微分で、これらの外積 $${ \mathbf{r}_u \times \mathbf{r}_v }$$ が面積要素の方向と大きさを表します。

重積分

1重積分 $${ \int }$$
一変数関数の積分や1次元の線積分などに用います。

$$
\int f(x, y)  dx
$$

2重積分 $${ \iint }$$
平面領域での積分(二重積分)に用いられることが一般的です。例えば、関数 $${ f(x, y) }$$ を領域 $${ D }$$ 上で積分する場合:

$$
\iint_{D} f(x, y)  dxdy
$$

3重積分 $${ \iiint }$$
体積領域での積分(三重積分)に用いられることが一般的です。例えば、関数 $${ g(x, y, z) }$$ を体積領域 $${ V }$$ 上で積分する場合:

$$
\iiint_{V} g(x, y, z) dxdydz
$$

ここで、$${ V }$$ は $${ S }$$ によって囲まれた体積領域です。体積領域 $${ V }$$ を微小な体積要素に分割し、各要素について流束を考えます。微小体積要素での流束は、各方向の流束の和として表されます。$${ x }$$ 方向の流束は

$$
\Phi_x = [F_x(x + \Delta x, y, z) F_x(x, y, z)] \Delta y \Delta z
$$

同様に、$${ y }$$ 方向と $${ z }$$ 方向の流束は

$$
\Phi_y = [F_y(x, y + \Delta y, z) F_y(x, y, z)] \Delta x \Delta z
$$

$$
\Phi_z = [F_z(x, y, z + \Delta z) F_z(x, y, z)] \Delta x \Delta y
$$

となります。総流束は

$$
\Phi = \Phi_x + \Phi_y + \Phi_z = \left( \frac{\partial F_x}{\partial x} + \frac{\partial F_y}{\partial y} + \frac{\partial F_z}{\partial z} \right) \Delta x \Delta y \Delta z = (\nabla \cdot \mathbf{F}) \Delta V
$$

ここで、$${ \Delta V = \Delta x \Delta y \Delta z }$$ です。全体積について積分すると、

$$
\iint_{S} \mathbf{F} \cdot d\mathbf{S} = \iiint_{V} (\nabla \cdot \mathbf{F})  dV
$$

となり、ガウスの発散定理が導かれます。


電場E


電場 $${ \mathbf{E} }$$ は、クーロンの法則に基づき、電荷 $${ q }$$ から距離 $${ r }$$ 離れた点における電場の大きさとして表されます。

電場の議論はクーロンの法則において、電荷のかたっぽを固定することから始まりますが、そうしてできあがった電場という名のフィールドを考える時は電場の中心が点電荷であるとか単位電荷であるとかに限定する必要はありません。なんか電荷の塊がどっかにおるせいで、そこいらの電荷はゴリゴリにフィールドの影響を受ける、という話になります。

電場ベクトルは次のようになります。

$$
\mathbf{E} = \frac{1}{4 \pi \epsilon_0} \frac{q}{r^2} \hat{\mathbf{r}}
$$

ここで、
$${ \epsilon_0 }$$ は真空の誘電率、
$${ r }$$ は電荷からの距離、
$${ \hat{\mathbf{r}} }$$ は電荷からその点までの単位ベクトルです。

これをデカルト座標系に変換すると、各成分 $${ E_x }$$、$${ E_y }$$、$${ E_z }$$ に分解できます。

$$
E_x = \frac{1}{4 \pi \epsilon_0} \frac{q x}{(x^2 + y^2 + z^2)^{3/2}}
$$

$$
E_y = \frac{1}{4 \pi \epsilon_0} \frac{q y}{(x^2 + y^2 + z^2)^{3/2}}
$$

$$
E_z = \frac{1}{4 \pi \epsilon_0} \frac{q z}{(x^2 + y^2 + z^2)^{3/2}}
$$

これらの成分を各方向で積分することで、スカラー場のように扱うことも可能です。

電場強度

電場の出力は、通常「電場強度」として表され、単位電荷あたりに作用する力の大きさと方向を示すベクトル場です。電場強度 $${ \mathbf{E} }$$ の単位は ニュートン毎クーロン(N/C) または ボルト毎メートル(V/m) です。

電場強度の定義
電場強度 $${ \mathbf{E} }$$ は、電荷 $${ q }$$ に対して、次のように定義されます。

$$
\mathbf{E} = \frac{\mathbf{F}}{q}
$$

ここで、
$${ \mathbf{F} }$$ は電荷 $${ q }$$ に作用するクーロン力(N)です。
$${ q }$$ は電荷量(C)。

したがって、電場の出力は「単位電荷あたりに働く力の方向と大きさ」という物理的意味を持ちます。

電場の役割と物理的解釈
電場の出力である電場強度は、以下のような役割や解釈があります。

力の媒介:電場が展開している場所に別の電荷を置くと、その電荷は電場から力を受けます。電場強度が強い場所ほど、電荷に対して強い力が作用します。

電位の勾配:電場は、空間における電位の勾配としても解釈できます。電場 $${ \mathbf{E} }$$ は電位 $${ V }$$ の勾配(負の方向)に関連し、次のように表されます。

$$
\mathbf{E} = -\nabla V
$$

ここで、電場は電位が急激に変化する場所(高い勾配を持つ場所)で強くなります。

仕事:電場の中を電荷が移動するとき、電場がその電荷に対して仕事を行います。この仕事は電位差に依存し、エネルギーの移動や変換に関わります。



電場強度の絶対値

電場強度 $${ \mathbf{E} }$$ の絶対値 $${ |\mathbf{E}| }$$ は、次のように定義されます。

$$
|\mathbf{E}| = \sqrt{E_x^2 + E_y^2 + E_z^2}
$$

この絶対値(大きさ)は、電場の強さを示し、単位電荷(1クーロンの正電荷)をその位置に置いたときに受ける力の大きさを表します。絶対値 $${ |\mathbf{E}| }$$ の単位は ニュートン毎クーロン(N/C) または ボルト毎メートル(V/m) です。

電場強度の絶対値が意味するもの

単位電荷への作用力:ある位置での電場の絶対値が大きいほど、その位置にある電荷が受ける力も強くなります。例えば、電場が強い場所に置かれた電荷は、強い力で引かれたり押されたりします。

電場の強さの指標:絶対値は、その場所での電場の強度を示す指標であり、空間の異なる場所での電場の強弱を比較するために使用されます。例えば、電場が強い場所では電荷の運動が顕著であり、弱い場所ではあまり動かないか、力がほとんど働かないことになります。

例:点電荷による電場の大きさ

点電荷 $${ q }$$ による電場 $${ \mathbf{E} }$$ の絶対値は、クーロンの法則に従い次のように与えられます。

$$
|\mathbf{E}| = \frac{1}{4 \pi \epsilon_0} \frac{|q|}{r^2}
$$

ここで、
$${ |q| }$$ は点電荷の大きさ(クーロン)、
$${ r }$$ は電荷からの距離です。

この式からわかるように、電荷から離れるほど電場の絶対値は小さくなります。これは、点電荷が作る電場が距離の二乗に反比例して弱くなるためです。


電場Eの積分

(a) 電場の線積分

電場の線積分は、ある経路に沿った電場の仕事を計算するために用いられます。電場ベクトル $${ \mathbf{E} }$$ を経路 $${ C }$$ に沿って線積分すると、次のように表されます。

$$
\int_C \mathbf{E} \cdot d\mathbf{r}
$$

電場が静電場であれば、この積分の結果は経路の始点と終点の電位差 $${ V }$$ になります。

$$
\int_C \mathbf{E} \cdot d\mathbf{r} = \Delta V
$$

特に、閉じた経路で積分すると電場の循環はゼロとなります(保存場であるため):

$$
\oint \mathbf{E} \cdot d\mathbf{r} = 0
$$

(b) 電場の面積積分(ガウスの法則)

電場の面積積分は、閉曲面 $${ S }$$ 上のフラックスを計算する際に用いられ、ガウスの法則として知られています。これは、閉曲面 $${ S }$$ 上の電場 $${ \mathbf{E} }$$ の面積積分が、内部に含まれる電荷 $${ Q }$$ に比例することを示します。

$$
\oint_S \mathbf{E} \cdot d\mathbf{A} = \frac{Q}{\epsilon_0}
$$

この式は、電場が閉曲面を貫く「流れ」の総量が電荷に依存することを示し、クーロンの法則の積分形でもあります。

(c) 電場の体積積分

電場 $${ \mathbf{E} }$$ の発散(電荷密度に関連する量)を体積 $${ V }$$ 上で積分すると、ガウスの法則から次のようになります。

$$
\int_V (\nabla \cdot \mathbf{E}) , dV = \frac{Q}{\epsilon_0}
$$

ここで $${ Q }$$ は体積 $${ V }$$ 内の総電荷量です。ガウスの発散定理を用いると、面積積分の結果と一致します。



重力場g


重力場 $${ \mathbf{g} }$$ は、万有引力の法則に基づき、質量 $${ M }$$ から距離 $${ r }$$ 離れた点における重力場の強さとして表されます。重力場ベクトルは次のようになります。

$$
\mathbf{g} = \frac{G M}{r^2} \hat{\mathbf{r}}
$$

ここで、
$${ G }$$ は万有引力定数、
$${ M }$$ は重力源(中心にある質量)、
$${ r }$$ は質量からの距離、
$${ \hat{\mathbf{r}} }$$ はその点までの単位ベクトルです。

これもデカルト座標系に分解できます。

$$
g_x = \frac{G M x}{(x^2 + y^2 + z^2)^{3/2}}
$$

$$
g_y = \frac{G M y}{(x^2 + y^2 + z^2)^{3/2}}
$$

$$
g_z = \frac{G M z}{(x^2 + y^2 + z^2)^{3/2}}
$$

同様に、各成分を積分することでスカラー場のようなスカラー値を得ることができます。


重力場gの積分

(a) 重力場の線積分

重力場の線積分は、質量に対する重力のポテンシャルエネルギーを計算するために用いられます。重力場 $${ \mathbf{g} }$$ に沿って質点が移動する際に行われる仕事として表されます。

$$
\int_C \mathbf{g} \cdot d\mathbf{r} = -\Delta \Phi
$$

ここで、$${ \Phi }$$ は重力ポテンシャルです。閉じた経路で積分すると、重力場が保存場であるため、仕事はゼロになります。

$$
\oint \mathbf{g} \cdot d\mathbf{r} = 0
$$

(b) 重力場の面積積分(ガウスの重力法則)

重力場の面積積分は、閉曲面 $${ S }$$ を通る重力場のフラックスを求めるもので、ガウスの重力法則に基づきます。閉曲面 $${ S }$$ 上の重力場の面積積分は、内部にある質量 $${ M }$$ に比例します。

$$
\oint_S \mathbf{g} \cdot d\mathbf{A} = -4 \pi G M
$$

ここで、$${ G }$$ は万有引力定数で、負号は重力が吸引力であることを示しています。

(c) 重力場の体積積分

重力場の発散を体積 $${ V }$$ 上で積分することで、ガウスの重力法則から次のようになります。

$$
\int_V (\nabla \cdot \mathbf{g}) , dV = -4 \pi G M
$$

ここで $${ M }$$ は体積 $${ V }$$ 内の総質量です。この結果は、面積積分によって得られたものと一致します。

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