見出し画像

#68 【感覚障害】足の位置が...深部感覚障害にとる治療選択

『Question』

「患者さんが“自分の足がどこにあるか分からない”と言っています…」

歩行練習をしても
・膝折れが怖くて体重が乗らない
・振り出しがぎこちない
・視覚で確認しないと足が出ない

重錘(ウェイト)を試しても変化は乏しい。
視覚代償だけでは歩行が安定しない…。

このような“重度の深部感覚障害”の症例に、次の一手はあるのでしょうか?

急性期の臨床では、この悩みに直面することが少なくありません。


『感覚の入力が必要』

深部感覚障害とは、
関節の位置や運動情報を脳へ伝える経路が障害された状態です。

その結果
「今、足がどこにあるのか」という情報が脳に届きにくくなります。

運動学習には
**持続的な感覚入力(フィードバック)**が不可欠です。

そこで活用されるのが
弾性包帯による圧覚刺激です。

弾性包帯を巻くことで

・皮膚
・皮下組織
・筋膜

持続的な圧刺激が加わります。

この刺激が感覚入力となり

  • 身体所有感の向上

  • 運動制御の安定化

につながると考えられています。

さらに弾性包帯は

静脈還流を促進する作用もあり

  • 起立性低血圧の予防

  • 循環動態のサポート

という側面からも、離床を助ける役割を持ちます。


『臨床で活用する』

臨床で活用する際のポイントは主に3つです。

① 感覚入力の変化を評価する

感覚障害が強い症例では

・LLB(長下肢装具)
・重錘
・弾性包帯

などを試行し、歩容の変化を観察します。

確認したいポイントは

  • 膝折れが減るか

  • 歩行スピードが変わるか

  • 立脚の安定性が向上するか

感覚入力が増えることで歩行が変わるかを丁寧に評価します。


② 巻き方とリスク管理

弾性包帯は

末梢(足部)→近位方向へ均等な圧で巻くのが基本です。

ただし注意点もあります。

心負荷
下肢圧迫により静脈還流が増加します。
心胸郭比(CTR)60%以上や心不全徴候がある症例では慎重に。

動脈血流
足背動脈・後脛骨動脈の触知を確認。
動脈閉塞がある症例では禁忌です。

神経圧迫
腓骨頭部の圧迫は腓骨神経麻痺のリスクがあります。
圧分散を意識しましょう。


『まとめ』

弾性包帯は

「むくみ対策の道具」だけではありません。

急性期においては

  • 感覚入力の強化

  • 循環動態のサポート

を同時に行える有用な介入手段になります。

ただし

  • 心負荷

  • 動脈血流

  • 神経圧迫

などのリスク管理を徹底しながら、

「なぜ今この患者に必要なのか」

という病態理解に基づいた使用が重要です。


最後までご高覧いただきありがとうございました🍀

今後これらの内容などについて、さらに詳細な部分を含めた増量版を予定しています。

急性期リハビリに関する内容を他にも投稿していますので、よろしければゆっくり見ていってください。

いいなと思ったら応援しよう!