一穂ミチ 『ツミデミック』
直木賞受賞の大人気作で、図書館の予約400人以上待ちしてやっと読めました〜😊(買わずに申し訳ないですが💦)
パンデミックを生きた人たちの罪のお話。
犯罪がテーマというのに文も内容も何故かポップでフワフワ浮遊感。「これはまさにツミデミック😮」と、不思議なタイトルにめちゃしっくり。タイトルってものすごく重要だといつも思うけど、造語ってすごいな。
6つの章タイトルもそれぞれ秀逸です。
特に好きなストーリーは「特別縁故者」。
妻に昼夜働かせ、幼い子どももいるというのに自分はヒモ状態の主人公。ろくでもないけど、心底料理を愛す腕のいい料理人が傷つき不貞腐れていく気持ちはとてもよく分かった。
そして「お前の腕ならどこでも立派にやっていけるが、あいつは…」と謝りながら腕も情熱も劣る血縁者の甥を選び彼を傷つけた師匠の辛さも、傷ついた夫の代わりに大黒柱を買って出ている妻の思いも。
「鍋に水を入れて昆布を浸す。一時間ほど待ってから火にかける。最初は中火、程よく温まったら弱火にして沸かさないように煮出し、昆布を引き上げてから煮立たせ、火を止め、削り節をわっさと入れて差し水、あく取り…」
たまたま知ったじいさんのタンス預金を狙って近づくため、こんな丁寧に澄まし汁作っちゃって笑
料理という大好きで大切なものがあって良かった。
コロナ禍で忌まわしいものとなった縁故と頑張れという言葉が光となった最後、泣けた🥹
