見出し画像

【1日で40件】激増する「空き家窃盗」のリアル。あなたの実家は大丈夫ですか?

先日、山梨県甲府市でこんな事件が起きました。
1日のうちに、40件もの空き家が立て続けに荒らされた。
しかも、道具はガスバーナー。
窓ガラスを炙って破り、堂々と侵入していったというのです。

しかしこういう犯罪が後を絶たないのは、根本的な対策が必要な段階にきているんじゃないかとも思うんですよね。

ということで今日は、事件の中身と、そこに見えてくる空き家管理の現実を、ぼくなりに整理してみます。
所有者の方にも、空き家ビジネスに関わる事業者の方にも、読んで少し「動きやすくなった」と感じてもらえたら嬉しいです。

わずか1日で40件。ガスバーナーを使う、大胆な手口

まず今回の事件を簡単に整理します。

逮捕されたのは、元技能実習生を含む外国人グループ。
甲府市内の空き家を1日で40件以上回り、金品を持ち去っていきました。
件数もさることながら、今回ぼくが驚いたのはその「手口の堂々ぶり」です。

窓ガラスをガスバーナーで焼き切って侵入する。
普通の住宅でそんなことをすれば、音や煙でたちまち気づかれます。
でも彼らは平然とそれをやってのけた。なぜか。

答えはシンプルで、「絶対に誰も帰ってこない」と確信していたからです。

空き家は、人の気配がありません。
隣家も距離があって、多少の音が出てもだれも不審に思わない。
時間をかけて丁寧に物色できる、ある意味「安全な場所」として認識されていた。そこが恐ろしいところです。

犯人に「ここは空き家だ」と教えてしまっているのは、実は建物そのものの状態なんです。

犯人はここを見ている。「狙われる空き家」の特徴

現在、全国の空き家は約900万戸にのぼります。
日本の住宅全体のおよそ7軒に1軒が空き家という計算で、これは過去最多の数字です。しかも、空き家を狙った窃盗被害は近年増加傾向が続いています。

では、犯人はどんな空き家を選ぶのか。

ぼくが現場で感じてきた感覚でいうと、「管理されていない空き家」は遠目にも一目でわかります。

雑草が膝の高さまで伸びている。
玄関先に枯れ葉や広告チラシが積み重なっている。
郵便受けがパンパンになっている、もしくはテープを貼っている。
こういった状態は、「ここには誰もいない、誰も気にかけていない」というサインを、むしろ積極的に外へ向けて発信しています。

よく「防犯カメラをつけましょう」「玄関の鍵を二重にしましょう」というアドバイスがあります。
それはもちろん有効です。
でも現場感でいうと、それより前に大事なことがある、とぼくは思っています。

それは「空き家に見せない」ことです。

草が刈られていて、玄関がきれいで、郵便受けが整理されていて、人の気配がある。
そういう状態の物件は、犯人の目線からすると「誰かが管理している、ちょっかいを出すと面倒なことになりそう」という印象を与えます。
防犯グッズよりも先に、「管理されている状態を保つ」ことが、狙われにくくする最大の対策です。

「向き合いたいけど、向き合えない」所有者の本音

ここで少し、所有者の気持ちの話をさせてください。

「実家の空き家を管理しましょう」と言われて、「そうですよね、気をつけます」とすぐに動ける人ばかりではないと、ぼくは現場で痛感しています。

実家が空き家になっているとき、多くの方が抱えているのは「面倒くさい」という気持ちだけではなく、「向き合うのがつらい」という感情です。

親が長く暮らした家。
まだ荷物が残っている。
思い出がある。
売るのも、貸すのも、壊すのも、どれも決断できない。
だから、そっとしておく。

ぼくの周りにも、そういう方はたくさんいます。

でも、「そっとしておく」状態が続くと、今回のような事件のリスクが高まる。
それだけでなく、建物は劣化し、草は伸び、近隣への迷惑も広がっていく。動きたいけど動けない、というジレンマのなかで、時間だけが過ぎていきます。

今回のような事件は、「そろそろ何か動かないといけないかな」という気持ちに、背中を押してくれる出来事でもあります。

事件の背景に、少しだけ触れておきたいこと

逮捕された方々の背景にも、一言だけ。

捜査関係者の分析によれば、こうした犯罪には「職場を離脱→正規就労が困難になる→孤立と生活困窮→犯罪への加担」という流れがあるとされています。
劣悪な環境に耐えかねて働く場所を失い、行き場をなくして追い詰められていく。
その構造の問題は、別できちんと議論されるべきことだと思います。

ただ、誤解してほしくないのは、日本で誠実に働いている大多数の外国籍の方々とは、まったく関係のない話だということです。

ぼくの周りにも、外国の方ですが一生懸命仕事している人が多くいます。
一括りにして偏見を持つのは、あまりにも乱暴です。

この事件で、空き家管理の「市場」はどう動くのか

さて、ここからは少し視点を変えて、事業者・関係者の方向けの話をします。

今回の事件をきっかけに、ぼくが確信しているのは「空き家管理への需要が、これから確実に高まる」ということです。

所有者の方の心理として、「何かあってからでは遅い」という感覚は非常に強い動機になります。

これまで「気になってはいたけど、まあいいか」と先送りしていた方も、こうした事件のニュースに触れると「さすがにそろそろ」と気持ちが動くことが多い。
実際、空き家管理に関する問い合わせは、メディアで大きなニュースが出るたびに増える傾向があります。

警備会社や巡回管理業者にとっては、空き家の定期点検・巡回サービスへの引き合いが増えるタイミングです。
清掃業者にとっては、「草刈りや外観整備を定期的に」という依頼が増えてくる。

「空き家管理パック」のようなサービスを持っている業者は、今後しばらく追い風を受ける可能性があります。

また、空き家管理士をはじめとする専門家や協会の存在も、ますます求められていくと感じています。

所有者が「誰に相談すればいいかわからない」という状態に陥りやすいなかで、「相談窓口になれる」「関係各所をつなげられる」事業者は、地域のなかで確実にポジションを確立できます。

防犯カメラの設置・管理を手がける業者も、空き家オーナー向けのサービスを整えておくと、これから問い合わせが増えてくるかもしれません。

今のうちに、やっておきたいこと

最後に、所有者の方と事業者の方、それぞれに向けて整理します。

実家が空き家になっている方へ

まず確認してほしいのは、今その建物がどんな状態か、です。
草は伸びていないか。
郵便受けはあふれていないか。
玄関まわりに人の気配があるか。
遠方で見に行けない方は、地域の管理業者や知人に頼んでみるのもひとつの手です。

「売る・貸す・壊す」という大きな決断は、すぐにしなくていいと思います。でも「管理する」という小さな一歩は、今日からでも動けます。

空き家ビジネスに関わる事業者の方へ

「管理されていない空き家が多い地域」と「所有者のニーズが高まっているタイミング」が重なっています。
自社のサービスを「空き家オーナー向け」として整理しておくだけで、問い合わせへの対応がスムーズになります。
チラシ一枚でも、ウェブページ一ページでも、「空き家の管理、お気軽にご相談ください」という入り口を作っておくことが、今できる準備です。

というわけで、今日は山梨での事件を入り口に、空き家管理の現実とその先にある話を整理してみました。

「そういえば実家、最近どんな状態かな」と思った方は、この週末、ちょっと確認してみるところから始めてみてください。
それが難しい方はグーグルマップで実家を確認するだけでもいいです。

まずはそれが、いちばん確実な一歩です。

▼最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が少しでも良いと思ったら「スキ」や「コメント」「フォロー」をお願いします。

週末副業と平日複業でつくる“地域ハッピービジネス”のはじめ方
売上が頭打ち、人口減で既存事業が縮小している、地方の中小企業オーナーの方へ。

私は実際に空き家管理事業を展開しながら、「異業種×空き家管理」という副収入モデルを研究してきました。

介護、解体、造園、葬儀、新聞販売…あなたの今の仕事が、そのまま空き家ビジネスの入口になる可能性があります。

20業種の参入シナリオをまとめたマガジン(¥1,480)はこちら↓↓


▼空き家にまつわる様々なトピックスが毎日読める協会HPはこちら↓↓
https://www.akiyakanrishi.org/
▼instagramでは「空き家フォトコンテスト」の作品も見られます↓↓
https:、/www.instagram.com/akiyakanrishi/
▼空き家管理舎では全国にビジネスパートナー募集中です↓↓
https://www.akiyakanrisha.net/
▼youtubeでポッドキャスト始めました↓↓
https://www.youtube.com/@user-ve5wl5gv7k/podcasts
▼LINE公式アカウントを友だち追加できます。ご質問、ご相談などお気軽にご利用ください。↓↓

いいなと思ったら応援しよう!

山下 裕二 空き家ビジネス展開中 よろしければ応援お願いします! いただいたチップはコーンウイスキーに使わせていただきます!