狐火バーベキュー【毎週ショートショートnote】
「よう、タヌ公。暑いな」
「これはお狐様。こうも毎日だとたまんないですねえ」
「おかげでうちの社も閑古鳥でよ。例によって、まぁたウチの主神がしょげちまってな」
「おやおや、ウカノミタマ様は寂しがりでいらっしゃいますからねえ」
「そんで俺ぁ考えたんだ。賑やかしと暑気払いを兼ねて境内でバーベキューでもやろうってな。どうだ、乗らねえか。そっちの一族、ずらっと連れてきねえな」
「ああ、チビどもが喜びます。でもお狐様、境内でバーベキューなんざやっていいんですかい?」
「固いこたぁ言いっこなしよ。どうせ狐火でやるんだ、滅多なことじゃあ人間どもには見えねえさ」
さて満月の宵、子狸たちはお狐様の灯す青い狐火に大はしゃぎ。
「狐のおいちゃん! おあげ焼いたよ、食べて!」
「違うよ、おいちゃんは僕の茹でたお蕎麦を食べるんだい!」
子狸たちに囲まれたお狐様は、すっかりおひげが下がりっぱなし。
「よしよし、そんじゃ蕎麦の上に焼いたおあげをのっけるか。そしたらいっぺんに食べられらぁ」
嬉しそうに蕎麦をすする音に合わせて、ぼうっと灯る狐火がふらりふぅらりと揺れました。
とっぴんぱらりのふう
(475字)
【あとがき】
稲荷神社の主祭神は宇迦之御魂神と言われております。本作は、私のルーツであるショートショートガーデン(SSG)にて、過去に掲載した『お狐様とタヌ公』シリーズをベースにしております。
もう4年以上前の作品ですが、よろしければこちらもぜひぜひ~!
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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