見出し画像

勘当ガイドブック【毎週ショートショートnote】

【今月の特集 多額の借金を作った三十代の子供を勘当する!!】

「……やれやれ、しょせんガイドはガイドなんだよな」

俺はため息とともにガイドブックを無造作に放り投げた。
テーブルに乗り損ねた本は、ばさりと音を立てて床に落ちる。

「ええ、ええ、やりましたとも。家の鍵も取り上げた。勝手に使っていた親名義のクレカも没収した。『二度とこの家の敷居をまたぐな!』とかいう決め台詞も叩きつけたさ。なのに、あいつが……!」

その時、リビングのドアが開いた。

「あの、お父さん? ハルくんがね……」
「いい歳した息子をそんなふうに呼ぶな!」
「はいはい、それでね。アナタは勘当とか言うけど、やっぱり体壊したらアレだし……」
「そうやっておまえが甘やかすから! どうせ今日もあいつにメシ食わせたんだろう!」
「だってほら、ハルくんは繊細だから食べるものも……」
「その呼び方はよせって言ってるだろ!」

せっかくガイドどおりにやっても、片っ端からぶち壊しにする母親がいたら何の役にも立たん。頼むからガイドブックに「息子べったりの母親の取説」も書いといてくれ。

(456字)


【あとがき】
うひゃー、ギリギリで提出!!!
なんかいろいろ用事が立て込んでまして(言い訳)
でも出せてよかったー! これで文フリでたらは師匠にお会いしても、ハサミで突かれなくてす……まないだろうな、きっと(涙)

*この記事は、以下の企画に参加しております。


いいなと思ったら応援しよう!

秋田柴子 お読み下さってありがとうございます。 よろしければサポート頂けると、とても励みになります! 頂いたサポートは、書籍購入費として大切に使わせて頂きます。