見出し画像

かもしれない弁天【毎週ショートショートnote】

*サムネの七福神イラストと見比べてお楽しみください!


弁財天は、とにかくモテた。
何しろ宝船に乗る七福神の紅一点なのだ。モテないわけがない。


「ほら、君の好きな鯛だよ。今釣ったばかりなんだ」
「あら、恵比寿様。それは美味しいかもしれないわねえ」

「弁天殿。我に貴女を守らせてくれぬか」
「まあ、毘沙門天様。それは心強いかもしれませんねえ」

「弁天ちゃん、今度二人でクルーズしない?」
「ええ、大黒様。それも楽しいかもしれないわねえ」


にっこり笑えど煮え切らない弁財天の態度に、他の六柱の神様はやきもきするばかり。


「あーあ、男ってめんどい。一人にいい顔すると非難轟々だもん。みんなハゲだしお腹出てるし、そもそもジジイだし。毘沙っちはまだマシだけど、実は意外とモラかもしれないし。ヒゲじいたちの鹿と鶴は可愛いんだけどな……」

ぶつぶつ愚痴る弁財天のもとへ、六柱連名の手紙が届いた。

かもしれない弁天殿
あなたの思わせぶりな態度は非常に怪しからぬと、我々一同……

「きーーーっ、ガチでウザい! もう二度と愛想笑いなんてするもんかっ!!」

手紙を破り捨てた弁財天は、以降『男に目もくれない弁天』と呼ばれるようになったと言う。

(467字)


【あとがき】
ご無沙汰しております。そろそろぼちぼちと再開していきたいと思います。
またお付き合いいただけましたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします!

*この記事は、以下の企画に参加しております。


いいなと思ったら応援しよう!

秋田柴子 お読み下さってありがとうございます。 よろしければサポート頂けると、とても励みになります! 頂いたサポートは、書籍購入費として大切に使わせて頂きます。