DB Gruppe-62客車の系譜:Apmz 121(1962-1983)
はじめに
1962年のF-Zug "Rheingold"向けに、DBと車両メーカーが戦後西ドイツの総力を傾けて開発した全長26.4mのGruppe-62客車の登場は、1等区分室客車(Av4üm-62)、1等開放室客車(Ap4üm-62)、食堂車(WR4üm-62)、ドームカー(AD4üm-62)の4形式で組成されています。
座席車については、それまで最新車両の全長26,4 mの1等区分室車(A4üm-61)とは一線を画した車両となり、座席客車として初めてエアコンを搭載し、客室は室数を減らした区分室客車の他に、TEE気動車として開発されたVT11.5で登場した回転式リクライニングシートと同様のシートを備えた新たにオープンサロンタイプの開放室客車が用意されました。インテリアは、2+1の座席配置の回転式リクライニングシートが並ぶ定員48名分の座席が配置されています。区分室客車の定員54名よりも少ないのは1,170 mmのシートピッチによるもので贅沢な座席レイアウトとなっています。座席列数と同じ16枚の各座席に合わせた900 mm幅の小型窓が並ぶ姿は独特の存在感を示しています。窓は一部を除き固定式でガス封入ペアガラスになるなど断熱性は高く、季節を問わず快適な車内空間を提供しています。
この客車が運用されたF-Zug "RHEINGOLD"は、それまでの戦前製区分室客車(Gruppe-39)から戦後新たな標準客車を模索してきたDBや車両メーカーが総力を挙げて取り組んできた集大成とも言えるGruppe-62客車がその任に就きました。オープンサロンタイプの新たな開放室客車の導入は、それまでの長距離客車とは一線を画した意欲的な試みと豪華さに挑んだ答えの1つでもありました。それは、新しい看板列車のF-Zug "RHEINGOLD"が利用者に新たな選択肢が増えたことをも意味します。これにより、座席予約時には「区分室・開放室」の選択が可能になりました。
もちろん"Rheingold"の象徴的なバー機能や荷物室も設備されたドームカーは、運行路線の風光明媚なライン左岸線の車窓風景を満喫できるとあって好評を博した利用者の反響もあり、DBが戦後初の長距離優等客車誕生を世界に知らしめた出来事となり、その後のTEE客車への進化と続くなかでGruppe-62客車は区分室・開放室客車とも1等座席客車の標準的車両として認知されるほど長く親しまれました。
本稿では、1962年に登場したGruppe-62客車4形式のうち、長距離優等列車用客車としてDBで初めて開発、導入したオープンサロンの1等開放室客車Ap4üm-62(後のApmh(z) 121)について、可能な限りのこの形式車両の変遷を記すことを試みています。
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