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100点を取る子どもに欠けている大切なもの

親として、子どもが失敗する姿を見るのはとてもつらいものです。転んで泣いている姿や、挑戦してうまくいかず落ち込んでいる顔を見ると、「代わってあげたい」と思うことさえありますよね。

でも、そんな私たちの優しさや守りすぎる気持ちが、実は子どもをもっと大きな危険にさらしているかもしれない、というお話をしたいと思います。


多様性と「違い」を受け止める力

私は以前、別のブログで「多様性」についてお話ししました。多様性が存在しているということは、社会の中には「違い」があるということ。そして、その違いを受け止める力がないと、社会という枠の中で共に生きていくことは難しいということです。

しかし、「違い」を受け止める力というのは、誰かに教えてもらってすぐに身につくものではありません。

自分と違う価値観や視点に直面したときに、その違和感や戸惑いをどう乗り越えるか。その練習を、子ども時代に経験していないと、社会に出たときに大きな壁にぶつかってしまうのです。


チャレンジする場=居心地の良い場所

私は「違い」を受け止めようとすることを「チャレンジ」と呼んでいます。

ここで大切なのは、チャレンジというものは「居心地のいい場」でしかできないということです。子どもにとって、失敗が許され、安心してやり直せる環境があるからこそ、自分の殻を破って挑戦することができる。

その「居心地の良さ」を家庭で、学校で、そして地域でどう作っていけるかが鍵になります。


100点を取る子どもが直面する問題

中学1年生の時に学校に通っていた娘から先日聞いた話です。クラスに、社会のテストで90点を取った女子がいたそうです。その子がある日、教室でシクシクと泣いていました。理由を聞くと、「テストで100点ではなかったから叩かれた」と話していたと言います。

私はその子の親御さんのことも知っています。話を聞いたとき、ただため息が出るばかりでした。もちろん親御さんには親御さんなりの思いがあったのかもしれませんが、ここでは私の持論を展開させてください。


「100点を取る」という要求の背景
親が子どもに100点を取るよう要求する理由はさまざまでしょう。「将来のため」「しっかりと学んでほしい」「努力を身につけてほしい」といった願いが込められていることもあると思います。素直なお子さんは、「お父さんやお母さんが言うことだから正しいんだ」と信じ、一生懸命に暗記をして、100点を取り続けるかもしれません。

一見すると、その子は「完璧」で、何も問題がないように見えるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?実際には、その子が「失敗の仕方」を知らない可能性があります。


失敗を知らないことのリスク
失敗しないことを求められ、失敗が許されない環境で育つと、子どもは「間違えること」を恐れるようになります。その結果、新しいことに挑戦する意欲を失ったり、失敗する場面を避けるために自己表現を抑え込んだりすることがあります。

「100点」という結果の裏側にあるのは、「失敗しても大丈夫だ」という安心感を得る機会を失っているという現実かもしれません。100点を取ることを「成功」として評価する一方で、100点以外を「失敗」として扱う。こうした環境では、子どもたちは次第に挑戦を恐れ、自分の限界を試そうとする意欲を失っていく可能性があります。


例外はあるけれど…
もちろん、親が要求しなくても、自発的に100点を取ってくる子どももいるでしょう。そうした場合はまた別の話です。子どもが自ら興味や好奇心を持ち、自主的に努力しているならば、それは素晴らしいことです。

しかし、100点を取ること自体が「親の期待に応えるための手段」になっている場合、それが子どもの健全な成長を阻む可能性があることに目を向ける必要があります。


なぜ失敗体験が必要なのか?

たとえば、子どもが友達と衝突したり、自分の意見を否定されたりすること。これらは一見するとつらい出来事ですが、実は「違い」を受け止め、折り合いをつける力を育てるための絶好の機会です。この小さな失敗体験を積み重ねることで、将来社会に出たとき、本当に危険な状況や困難な場面に直面したときに、自分で解決する力を養うことができます。

逆に、子どもを失敗から守り続けるとどうなるでしょうか?自分の意見が否定されたとき、どうやって相手と向き合えばいいのかわからず、孤立してしまうかもしれません。誰かが助けてくれるだろうという無意識の期待が、結果的に大きな危険を招くこともあります。


違いが増える日本で、私たちができること

手元にあるデータによると、2012年からの10年で日本に住む外国人は70%も増えている一方で、日本人の約80%は普段から外国人と接する機会がないと言われています。このギャップが示しているのは、日本という社会が急速に多様化している一方で、多くの人がその「違い」と向き合う機会を持てていない、という現実です。

さらに、日本は少子化が進み、子どもたちの数が減少しています。この現実を補う形で、多くの外国人の方々が日本で生活し、働き、社会を支えてくれています。それはつまり、私たちの周りにある「違い」が確実に増えているということ。多様性が増える中で私たちが直面する課題は、「どうやってこの違いを受け止め、乗り越えていくか」という点です。


違いを受け止め合うことの大切さ

だからこそ、冒頭で申し上げた「違いを受け止め合う=チャレンジ」が、これからの時代においては知識を得ること以上に重要なのだと感じています。情報があふれる現代では、知識そのものは簡単に手に入るようになりました。しかし、違う価値観や文化を持つ人々とどう向き合い、対話し、共に未来を作り上げていくかという力は、知識だけでは得られません。それは体験を通じて初めて培われるものだからです。


結びとして:100点を超える学びを提供するために
親として、私たちが目指すべきなのは、子どもが「100点」を取るためのサポートではなく、その先にある「失敗を乗り越える力」を育むことです。違いを受け止め、共に歩む力は、これからの多様な社会において不可欠なもの。
親としてできる小さな一歩が、子どもの未来をより豊かなものにする大きな力になると信じています。

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