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連休【せりふ三題噺】【新幹線花びらレモンスカッシュ】

窓から入る木漏れ日がグラスに反射してテーブルに微かに色づいた影を落としていた。グラスの中のプチプチの小さな泡たちは、上へ上へと上昇して水面上の薄切りレモンにたどり着くと、プチっと爆け消えた。
店内の古い壁掛け時計は丁度3時を示していた。新幹線が着くまでまだ少し時間があった。

今日はゴールデンウィーク初日。彼が4か月ぶりに帰ってくる。駅通りに面した昔ながらの喫茶店のいつもの席で、これから過ごす1週間のことを思い、私の表情筋は先程から緩みっぱなしだ。
いけないいけない。1人ニヤニヤしてるのは。
咳払いをして、レモンスカッシュで喉を潤す。まあまあ効いてるレモンの酸味と炭酸で、逆に咽せた。赤面しながらワタワタしてると、クスクス笑う声。よく知っている笑い方。
見上げると、よく知ったくしゃりとした人懐っこそうな笑い顔があった。
「ただいま」
ポカンと間抜けな表情であろう私を優しく見つめると、一本前の新幹線に空席が出たから時間を早めて乗っちゃったと言いながら、椅子に腰かけた。
急に嬉しすぎる感情が押し寄せてくるのに、表情の準備が追いつかず、ぎこちなくソウナンダーとしか言葉が出なかった。
いつの間にか注文していたらしいアイスコーヒーが彼の前に届くころに、やっと通常に戻った私は最近のことを軽く報告しあいながら、久々の再会の喜びを噛み締めた。
はい、おみやです、とテーブルにコトッと置かれた小さめの袋。中を覗くと青い花。そっと取り出すと、白い小さな鉢に植えられたブルーデイジーだった。さっきそこの曲がり角の花屋で買ったと彼。青い花びらに黄色の花芯のコントラストが映える。大好きな色の大好きな花。
ありがとうと笑顔で言うと、今日初、彼が照れた表情を見せて、オウと小声で言った。
店を出てわたしの家へ向かう。そっと手をつなぐと、よく知った彼の少し硬くて温かい大きな手。ずっと離さないでいてね。繋いだ手に少し力をこめた。

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