米国の集団訴訟の変貌の生物学
米国における集団不法行為訴訟が、高度に組織化された収益性の高い産業へと変貌を遂げていることはすでに書きました(米国の集団不法行為訴訟の産業化 – NPO法人 国際環境経済研究所|International Environment and Economy Institute)。
今回は、その歴史をたどってみました( 弱者救済から投機へ・米国の集団訴訟の変貌の歴史 – NPO法人 国際環境経済研究所|International Environment and Economy Institute )。
簡単に言うと、1960年代に確立された不法行為法理を起点として、米国の法律事務所は、製造物責任の厳格化、懲罰的賠償制度、および陪審員制度という米国特有の法的土壌を最大限に活用し、企業に対する強力な交渉力を構築してきました。1980年代は「身体傷害の集団訴訟」の時代になり、何十万人もの原告が、有害物質や欠陥製品による被害を主張して巨大企業を提訴する潮流が定着しました。この時期以降、訴訟は単なる個別紛争の解決手段から、少数の「エリート法律事務所」が数千、数万の案件を統括し、多額の投資を回収する「高度に金融化されたビジネス」へとパラダイムシフトを遂げているのです。
