子供と観る映画:『Ron's Gone Wrong(ロン 僕のポンコツ・ボット)』が教えてくれた本当の友情
週末に子どもと映画を観ようと思っても、作品選びは意外と難しいですよね。
上の子はストーリーを追いたい。下の子はまだ内容を理解しきれない。しかも大人は、できれば、観たあとに会話が残る作品がいい(欲張り)。面白いだけで終わるのではなく、観たあとに少し会話が生まれる作品だと、おうち時間がぐっと豊かになる気がします。
昨日は、10歳息子と4歳娘と一緒に『ロン 僕の不完全なロボット(Ron's Gone Wrong)』を鑑賞しました。
作品を選んだ決め手は、息子なりに明確でした。
2時間くらいで見れるもの
映像が綺麗でワクワクするもの
内容をよく理解できない4歳の妹も映像を楽しめる内容
この3つを満たす映画って、探してみると案外少ないです。さすが現代っ子。検索力抜群 (笑)!
近未来のテクノロジーが描かれた物語なのに、芯にあったのは「人間らしさ」の話。こちらのnoteでは、心に残ったことをまとめてみます。
完璧なデバイスと、不完全なロボットの出会い
物語の舞台は、子どもたちの誰もが最新式の歩くデバイス「Bボット」を持っている世界。SNSやゲームアプリが一体化したロボットで、持ち主の好みを分析し、世界中の誰とでも繋げてくれる。いわば「最高の友達」になるようにプログラムされています。
主人公の少年バーニーは、経済的な理由からBボットを買ってもらえず、学校で孤独を感じていました。そして、ようやくやってきたのはプログラムが不完全でインターネットにも繋がらない欠陥品のロボット、ロン。他のBボットのような最新機能は使えないのに、ロンはバーニーのことを一生懸命に知ろうとします。
ここで重要なのは、完璧なデバイスから得られる「便利さ」と「つながり」が常に正解ではないということ。ロンのチグハグさが、逆に「本当の繋がりって何だろう?」と問いかけてきました。
息子のひと言から見える子供の感覚と大人の感覚

観ている最中、息子は何度も笑いながら、こんなことを言っていました。
「面白い!人間だったらやらないと思うけどけど、ロンはやってる。」
「おばあちゃんの愉快な感じ最高。」
「未来の学校はこうなるのかなー(興味関心)」
「あまりにポンコツで、でもやってのけてくれて面白い。」
言い換えると、息子が惹かれたのはロボットの完璧さではなく、不完全なのに真っ直ぐなところだったのだと思います。そしてその感覚は、大人よりも子どもの方が素直に掴めるのかもしれませんね。
一方で4歳の妹は、ストーリーを追うというより、動きや表情、画面の楽しさに引き込まれていました。
同じ作品を観ていても、入口はそれぞれ。それでも一緒に笑える。これが家族で観る映画の良さですね。
プログラムで動くロボット、感情を制御する人間
映画を観ながら、息子と話したのは「ロボットと人間決定的な違い」でした。
ロボットは、善悪の迷いというより、プログラムされたことを淡々と実行します。効率的で正しいように見える場面もありますが、そこに人の体温はありません。とはいえ、ロボットの迷いのない真っ直ぐさは、複雑に考えすぎる私たちに純粋さを思い出させてくれます。
一方で人間には感情があります。怒ったり、悲しんだりしながらも、なんとか制御して折り合いをつけて日々を過ごしています。ロボットにはない痛みや葛藤があるからこそ、人間は誰かを深く愛し、思いやれる。そんな当たり前を、親子で言葉にできた時間でした。
「同調」よりも「自分のハッピー」を軸にする勇気
作中の子どもたちは、Bボットを通じて承認欲求の渦の中にいます。
「いかに人によく見せるか」「どれだけいいねをもらえるか」。みんなと同じ流行を追い、同じような投稿をして、同調することに必死です。
でも、不完全なロンにはその世間のルールが通用しません。ロンが見ているのは、目の前の友達バーニーがハッピーかどうか、それだけでした。
つまり、他人の評価ではなく、自分の内側の感情を基準にすること。
息子の「人間だったらやらないと思うけど、ロンはやってる」という言葉は、このテーマをそのまま言い当てている気がしました。恥ずかしさで止まるのか。自分の気持ちで進むのか。
子ども同士の世界でも、大人の世界でも、同じ問いがあるのだと思います。
便利さの中で失ってはいけない「愛と感情」
映画の後半、Bボットを製造した企業は、すべてを管理し効率化しようとします。けれど、バーニーとロンが証明したのは、友情は「効率」や「アルゴリズム」では測れない、ということでした。
便利さはありがたいです。
ただし、便利になったぶんだけ、手触りのある関係が薄くなる瞬間もある気がします…。不便だったり、衝突したりすることもあるけれど、それこそが人間の体温で、生きている証だといえますよね。
次の週末に試したい、親子時間を深める「おうち映画」
最後に、今回の体験を今後も再現できる形にまとめておきます。
ポイントは、作品の感想を正解探しにしないこと!会話の糸口が一つあれば十分◎
まず:作品選びの基準を、子どもに任せてみる
〇〇時間前後で観られる
映像が綺麗でワクワクする
兄妹で入口が違っても楽しめる
子どもが自分で決めた作品は、それだけで参加意識が上がります。これがコツです。
次に:観ながら出てきた言葉を、そのまま拾う
たとえば今回なら、息子の言葉がそのまま会話のきっかけになりました。
「人間だったらやらないと思うけど、ロンはやってる」→「やらないと思う判断基準はなに?」
「未来の学校はこうなるのかな」→「もしそうなったら、何が楽しみ?何が心配?」
最後に:まとめは「行動」ではなく「問い」で終わらせる
大人はつい、次の行動を考えがちです。しかし、子供にそうしてしまうと何かを導き出さないといけないと見えない圧力をかけることにもなりかねない。なので、おすすめは「問い」で終わらせる、です。
あらすじを読んで問いでもいいし、映画で一番心に響いたシーンから問いを立てるのもいい。今回だとこんな感じです。
「みんなと同じ」でいるより、あなたがハッピーかどうか。どっちを大事にしたい?
この問いを残しておくだけで、次に似た場面が来たときに思い出せるかもしれませんね。
まとめ:不完全であることの愛おしさを、家族で分かち合う
バーニーにとってロンは、便利な道具ではありませんでした。
ダメなところも、カッコ悪いところも、全部さらけ出せる。そして丸ごと受け入れてくれる。そんな「自分をフリーにしてくれる存在」こそが、本当の友達なのだと感じます。
今10歳の息子は、これから人間関係はもっと複雑になるでしょう。SNSで繋がっているようで、実は孤独になることもあるかもしれません。
そんなときこそ、おうち映画。
家族で同じストーリーを見て感情を共有し、「どう思った?」を言い合える時間を作りたいと思います。
感じたことを持ち寄って、少しだけ意見を交わしてみる。そして自分と違う考え(視点)に触れたり、相手の立場になってみる。その積み重ねが、心の土台を育ててくれる気がしています。
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