本との出会い|タイミングと場所と、そして人と

『根っからの悪人っているの?』


この本を手に取ったのは
自分のことが書かれていると思ったから



「自分は人を不幸にする」

そんな感覚が
前職でチームリーダーをしていた時代に
強く根付いてしまった

”一生懸命”やるほどに空回る
自分だけでなくチームメンバーも疲弊していく
体の不調にあらわれた人
口論が絶えなくなった人
退職した人 もいた

当時のわたしは、何もかもが他責思考で、
「こんなに教えてるのに!」
「どうして言ったとおりにやらないの!」
「やらないならもう知らない!勝手にして!」
という態度

その状態が数年続いても、わたしは気づかず、
自己啓発本を読み続けていた
「成功するチーム」とか
「●●社の心理的安全性プロジェクトの成功例」とか

自己啓発本が悪いとかこういうものを
参考にしてはならないということではなくて
あの時の私は

それだけを頼りにしていた

前々職時代、グローバルマトリックス組織の中、
上司は海外、日本にはチームメイトがいなくて、
自分の責任範囲の仕事を達成するために
スキル・知識を仕入れるには
本が最良の「先生」だった

その時の”成功”体験から、
ひたすら本に頼って
チームを「どうにか変えよう」としていた

チームメンバーのことを、人を、
観て、いなかった



平熱より 0.5-1度 高い微熱が、半年続いた時があった

20代の若手3人をチームにかかえて、
「誰一人、私の言うことをきかない」という状態が
しばらく続いていたときだった

そんなとき、敬愛するヨガの先生からの紹介で、
マインドフルネスの無料ウェビナーを
受ける機会に恵まれた

それまでも、ビジネス自己啓発とは別に、
心理学、認知行動療法、
ヨガ哲学、ヨガの中での瞑想、など、
長い間学んできたつもりだった

マインドフルネスとの出会いは
全く違った

タイミングもあったのだと思う

その時の私は「暗闇の中」にいた

数か月のマインドフルネスの実践によって
「光が差し、目が覚めた」



そこからは、あらゆることが自責になった

自分のやり方が間違っていたことを認めて
うまくいっているリーダーたちの姿勢を観察した
観察して自分の改めるべき点が見つかっても
自分のチームのメンバーに対して
同じようはできなくて
他リーダーのチームに“預けて”
励ましてもらったり
アドバイスをもらうことを繰り返した

わたしが本を読んでも読んでも実現できなかった
「心理的安全性」は
そんなことばを使わなくても知らなくても
そのリーダーたちはすでに作っていた

そうしたら

わたしのところで縮こまっていたメンバーが
生き生きと笑顔で仕事をするようになった

ああ
わたしは彼らの可能性を全て押さえつけていたんだ
彼らの可能性を、彼らの心を、
殺してしまっていたんだ



気づいて選択したことで、彼らを解放できた
(退職してしまったひとりを除いて)

残ってくれていたメンバーは
別のリーダーの下で”息を吹き返し”た

心から、良かった、と思った



なぜ、自責に軸を修正できたのか

それは、マインドフルネスの実践の中で
自分の本心に気づいたことがきっかけだった

「コントロールしたい」
「従わせたい」
「自分の味方を作りたい」
「自分の居場所をつくりたい」

怖れからくる、欲求

それに突き動かされて
わたしはひたすらに学び
ひたすらに何かを植え付けようとしていた

そこには、相手を思う愛も思いやりもなく
かといって
組織のゴール達成を目指す成果主義的視点もなく
ただただ、
孤独からくる恐怖を覆い隠すため、
自分を守るため、
自分の「居場所」を誰かに作ってもらうため、
それだけのために行動していた

表面的な行動は「必要な指導」に見えたとしても
その裏側の本当の動機は、まったく違うものだった



裏側の非言語メッセージは全身から伝わり

表向きの言語メッセージはいかに”立派”でも
伝わらなかった



この時の経験は、今でもトラウマのようにここにある

「気づいたからもう大丈夫」とはならない
(今はまだ)

気づいてしまった自分の自分への評価は
とてもくっきりとことばとなってことあるごとに
自分に語り掛けてくる

「どれだけの人を苦しめたんだ」
「おまえの根っこは腐っている」
「おまえは極悪人だ」
「おまえは存在しないほうがいい」



この本を読み進めていくにつれ、
この声が少し穏やかになっていくような感覚を覚えた

加害者と若者たちの対話は
私の心の中の「加害者」の叫びを鎮めてくれるようだった
被害者と若者たちの対話は
他責から自責に軸をシフトして以来意識的に抑圧していた
「被害者」の声をも癒してくれた



具体的にどの章が?どの一文が?
そういうことではなく

読み進めて
その世界に入り込んでいったことで
体で感じられた感覚



本と同じくらいに大切だったと思うのは、
その本に出合った媒体、タイミング、場所

清浄な空間、人々、余白

この本を、お部屋の本棚に置いてくださった
雄一郎さんと麻子さんに心から感謝します

そして、ご縁をくれた友人まきちゃん
再会のご縁にビッグハグを

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