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消えたレジャープールと、猛暑の夏に大人が童心に帰った日

連日、息をするのも苦しいほどの
猛暑が続いています。

これだけ気温が高いと、
休日に子どもを公園で遊ばせることすら
危険を感じてしまう時代になりました。

エアコンの効いた部屋で過ごすのも限界があり、
「今日はどこへ行こうか」と
頭を悩ませる日々。

そんな週末、ふとしたきっかけで、
家から車で20分ほどの場所にある
プール施設へ出かけることになりました。

妻と子ども、そして妻の姉夫婦と
その子どもたち。

にぎやかに出かけたその場所は、
前から存在していたらしいものの、
今までまったく気づかなかった穴場施設でした。

到着してみると、
子どもの年齢に合わせて水深が工夫された
3つのプールと、立派なウォータースライダー。

「こんなに充実した場所が近くにあったなんて」

外の酷暑を忘れて、
大人も子どもも一瞬でテンションが上がりました。

そのプールには、
朝10時から12時までの2時間枠で、
12時から13時までは完全な休憩時間となり、
水に入ることができません。

自分が子どもの頃、
そんな厳格な休憩時間があったかどうかは
思い出せませんが、今では一般的のようです。

親になったいま、
このルールのありがたさが身に沁みました。

プールでの付き添いは、
想像以上に体力を奪われます。

親としても長時間の水遊びに付き合うのは
かなりの重労働。

そして何より、
「12時でおしまい」という明確なルールがあるおかげで、
子どもたちも「12時になったから上がる」と
すんなり切り替えができたのです。

いつもなら「まだ遊びたい!」とグズるところが、
ルールとして提示されていることで
拍子抜けするほどスムーズに終了。

熱中症対策としても、親の体力維持としても、
本当に助かる仕組みだと感動してしまいました。

実は、ウォータースライダーがあるような
大型プールに来たのは、
私自身かなり久しぶりのことでした。

少なくとも、子どもが生まれてからは
一度も行っていません。

水しぶきと歓声に包まれる空間に身を置いていると、
いつの間にか自分の中の「童心」が
ひょっこり顔を出してくるのが分かりました。

どうしてもスライダーに乗りたくなった私。

妻が子どもをトイレに連れて行った
一瞬の隙を見逃さず、
私はウキウキしながらスライダーの階段を駆け上がりました。

「よし、久しぶりに滑ってみよう!」

胸を躍らせて踊り場までたどり着いた私を
待っていたのは、無情な現実でした。

スライダーに乗るには、
専用の別料金チケットが必要だったのです。

チケットを持っていなかった私は、
係員さんの前で静かに引き返すしかありませんでした。

昔はスライダーに別料金を払った記憶がなかったので
少し驚きましたが、
冷静に考えれば当然のことです。

設備の安全を守り、
運営を維持するためには相応のコストがかかるはず。

恥ずかしさと切なさを抱えて階段を下りましたが、
そんな失敗も含めて、
久しぶりに大人であることを忘れてワクワクできた瞬間でした。

帰り道、ふと思いました。

自分が子どもの頃、夏休みになれば当たり前のように
あちこちのレジャープールへ通っていた記憶があります。

公園代わりにプールへ行き、
真っ黒に日焼けして帰るのが夏の定番でした。

しかし、かつて通っていた思い出の施設は、
そのほとんどが閉鎖され、今では姿を消しています。

「なんだか昔より、こういうプールが減った気がするな……」

気になって調べてみると、
その違和感は気のせいではありませんでした。

バブル期前後に建てられた施設の老朽化と、
数十億円規模にもなる莫大な修繕・更新費用。

スライダーの安全基準を維持するための膨大なコスト。
さらに少子化による利用者の減少。

それに加えて、近年の「酷暑」です。

暑すぎるがゆえに水温が上がりすぎて営業できなくなったり、
熱中症リスクから利用控えが起きたりと、
屋外プールを取り巻く環境は年々厳しくなっているのが現状でした。

かつてどこにでもあった「夏の日常」は、
今や維持することすら困難な「貴重な場所」に
なっていたのです。

帰宅してからも子どもは、
「またプールに行きたい!」と
嬉しそうに何度も繰り返していました。

公園で遊ぶことすら難しい日本の夏。

屋外で涼しく、思い切り体を動かせるプールという場所は、
子育て世代にとって本当にありがたい存在です。

時代とともに、
思い出の場所が減っていくのは寂しいことです。

だからこそ、今こうして元気に営業してくれている施設があり、
子どもと一緒に笑顔になれる時間を過ごせることのありがたさを、
深く実感しました。

昔のように「いつでも行ける」わけではないからこそ。

今この手の中にある「当たり前の夏」を、
子どもたちの笑顔と一緒に、
全力で大切に楽しんでいきたいと思います。

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