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『写真家 白洲次郎の眼:愛機ライカで切り取った1930年代』──“時代”を纏った男の、静かなまなざし

“プリンシプルの人”として知られる白洲次郎
政界や文化人との交流、戦後日本の立役者というイメージが強い彼が、実は**“写真家”としての顔を持っていた**。
それも、1930年代、愛機ライカを手に世界を旅しながら切り取った、400点に及ぶ未発表モノクロ写真という貴重なアーカイブとして。

本書**『写真家 白洲次郎の眼』は、そんな埋もれていた“時代の視線”を、現代に蘇らせた写真芸術の記録**です。


🔶 若き日の白洲がシャッターを切った“リアルな欧州”

1930年代、30代の白洲が商用で滞在したロンドンやパリ、ドイツ、そして船上や家族とのひととき。
これらの風景が、彼自身の手によって撮られたというだけで、ページをめくる手が止まらない。

  • ベルベットのようなトーンで捉えたロンドンの街角

  • クルーズ船の甲板でくつろぐ白洲正子

  • 青春を共にした仲間や家族との一瞬のスナップ

どのカットにも、時代の空気と白洲の美学が封じ込められている。


🔶 “記録”を超えた“芸術”──写真家・白洲次郎の真価

これらの写真が驚くべきなのは、単なる記録写真ではないということ。
そこには、

  • 構図へのこだわり

  • ライティングの意識

  • 距離感の妙
    など、明らかに写真家としての“眼”が存在しているのです。

それもそのはず。白洲が愛用していたのは、当時最先端だったライカカメラ
携帯性と描写力を兼ね備えたその名機を使い、彼は世界を“自分の目”として写し取った


🔶 まるで白洲自身が現代にフォトブックを出したかのような構成

本書は、ただの写真集ではありません。

  • テーマ別構成(正子/クルーズ/ロンドン/ファミリー etc.)

  • 愛用品の紹介(スーツケース、スーツ、小物)

  • 青柳恵介氏によるエッセイ「白洲次郎の流離譚」

──まるで本人が現代に写真集を出すならこうする、という想定で編集されているのです。
“写真家・白洲次郎”という新たな人物像に出会える構成が秀逸です。


🟡 総評:これは、白洲次郎という“美意識”の肖像である

『写真家 白洲次郎の眼』は、

  • 写真集としての完成度

  • 昭和史のドキュメントとしての価値

  • 白洲次郎という一人の人間の“思想と趣味”を知るための手がかり

──このすべてを併せ持つ、比類なき一冊

白洲ファンはもちろん、クラシックカメラ愛好家、モノクロ写真の美を知る人にとっても、**“手元に置いておきたい永久保存版”**となることでしょう。

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