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4K有機ELで編集した写真がIPS液晶で明るく見える理由──黒が沈む画面と、黒が浮く画面の違い

4K有機ELモニターで写真を編集していると、ものすごく気持ちよく見える。

黒が締まる。
影が深い。
コントラストが立つ。
写真全体に奥行きが出る。

特にポートレートやライブ写真のように、背景が暗く、人物に光が当たっている写真では、有機ELの表示はかなり魅力的に見える。

「これで完成だな」と思って書き出す。
そして、あとからIPS液晶のモニターで見る。

すると、なぜか明るい。

顔が少し浮いて見える。
背景の黒が浅く見える。
暗部がグレーっぽく見える。
有機ELで見た時の締まりが、少し薄くなっている。

これは、写真編集の失敗というより、モニターの表示特性の違いがそのまま見えている状態なのだと思う。


有機ELは黒が本当に沈む

有機ELモニターの大きな特徴は、黒の表現にある。

液晶モニターはバックライトで画面全体を照らし、その光を液晶で制御している。
一方、有機ELは画素そのものが発光する。黒を表示する部分は、基本的に発光しない。

だから黒が深い。

黒い背景、暗い衣装、髪の毛、影の部分。
そういう部分がきれいに沈む。

この「黒の沈み」があると、写真全体が引き締まって見える。
同じ明るさの写真でも、有機ELで見るとコントラストが高く、立体感があるように感じやすい。

ライブ写真なら、ステージの暗い背景がしっかり落ちる。
ポートレートなら、肌の明るさと背景の暗さの差がきれいに出る。
夜景や暗所スナップなら、光の部分だけが浮かび上がるように見える。

つまり、有機ELは写真をかなり美しく見せてくれる。


IPS液晶では黒が少し浮く

一方で、IPS液晶は構造上、黒が完全な黒にはなりにくい。

もちろん最近のIPS液晶はかなりきれいだ。
色も安定しているし、視野角も広い。写真編集に向いているモニターも多い。

しかし、黒の沈み方だけで見ると、有機ELとは別物になる。

IPS液晶ではバックライトの光があるため、暗部が少し明るく見える。
有機ELで深く沈んでいた黒が、IPSでは少しグレーに近づく。

その結果、有機ELで「渋い」「締まっている」「雰囲気がある」と感じた写真が、IPSでは少し明るく、軽く、薄く見えることがある。

これは特に暗めに仕上げた写真ほど差が出やすい。

黒背景のポートレート。
ライブハウスの写真。
夜のスナップ。
影を多く残した写真。
逆光気味の写真。

こういう写真は、有機ELとIPSでかなり印象が変わる。


有機ELで編集すると、少し暗めに仕上げたくなる

有機ELモニターで編集していると、暗部がきれいに見える。

シャドウを落としても、黒が汚く見えにくい。
背景を暗くしても、画面全体が破綻しにくい。
少しアンダー気味にしても、写真に深みが出る。

そのため、無意識に暗め・締まり重視の方向へ編集しやすい。

これは悪いことではない。
むしろ作品としてはかなり気持ちいい。

しかし、その写真をIPS液晶や一般的なノートPC、スマホ、職場のモニターなどで見ると、有機ELで感じていた黒の深さが再現されない場合がある。

黒が浮く。
影が浅くなる。
コントラストが弱く見える。
結果として、写真全体が明るく見える。

有機ELで見た時の完成形は、かなりモニター性能に支えられている部分がある。


IPS液晶の輝度設定が高すぎる問題もある

もうひとつ大きいのが、モニターの明るさ設定だ。

IPS液晶モニターは、初期設定でかなり明るくなっていることが多い。
店頭で見栄えよく見えるような明るさになっていたり、事務作業向けに白背景がはっきり見える設定になっていたりする。

その状態で写真を見ると、当然かなり明るく見える。

有機ELモニター側をやや落ち着いた明るさで使っていて、IPS液晶側が高輝度のままだと、同じ写真でもまるで別物に見える。

写真編集では、モニターの種類だけでなく、輝度設定もかなり大事になる。

特に室内で編集するなら、画面を明るくしすぎないほうがいい。
明るすぎるモニターで編集すると、写真を暗く仕上げすぎることがある。
逆に暗めのモニターで編集すると、写真を明るくしすぎることもある。

写真の明るさを見ているつもりでも、実際には「モニターの明るさ」を見ていることがある。


HDR表示がオンだと、さらに印象が変わる

最近の4K有機ELモニターやMac、Windows環境では、HDR表示が使えるものも増えている。

HDRは映像を見るには楽しい。
明るい部分がしっかり伸びるし、黒も深い。
映画やゲームではかなり気持ちいい。

しかし、写真編集、とくにSNSやnote用の通常写真を作るなら、HDR表示には注意したほうがいい。

HDR環境で見ている写真は、通常のSDR環境よりもリッチに見える場合がある。
明るさ、コントラスト、発色が強く感じられることがある。

その状態で「これでちょうどいい」と編集すると、SDR表示のIPS液晶や一般的な画面で見た時に、印象が変わりやすい。

noteやSNSに載せる写真は、多くの場合、普通のSDR環境で見られる。
だから編集時は、HDRを切ってSDR表示で確認したほうが安全だ。


有機ELは作品確認、IPSは一般表示確認に向いている

有機ELとIPS、どちらが正しいという話ではない。

有機ELには有機ELの良さがある。
黒の深さ、コントラスト、映像としての気持ちよさは本当に強い。

IPS液晶にはIPS液晶の良さがある。
明るさが安定していて、長時間作業しやすく、一般的な表示環境に近い。

写真編集で考えるなら、有機ELは「作品を美しく見るモニター」になりやすい。
IPS液晶は「普通の環境でどう見えるか確認するモニター」になりやすい。

この役割分担はかなり現実的だと思う。

有機ELで写真の雰囲気を作る。
黒の締まり、光の出方、全体のトーンを追い込む。
そのあとにIPS液晶で確認する。

IPSで見て、顔が明るすぎないか。
背景が浮きすぎていないか。
シャドウが浅くなっていないか。
白飛び気味に見えないか。

この確認を入れるだけで、かなり仕上がりの安定感が変わる。


ポートレートでは肌の明るさが特にズレやすい

ポートレート写真では、肌の明るさがかなり重要になる。

有機ELでは、背景が深く沈むことで、肌が自然に浮き上がって見える。
そのため、肌をそこまで明るくしなくても、十分に人物が立って見える。

しかしIPS液晶では背景の黒が浮くため、人物と背景の差が少し弱くなる。
さらにIPS側の輝度が高いと、肌が思った以上に明るく見えることがある。

ライブ写真でも同じだ。

暗い背景。
スポットライト。
黒髪。
白や明るい衣装。
顔に当たる強い照明。

この条件では、有機ELとIPSで見え方がかなり変わる。

有機ELで「いい感じにドラマチック」と思った写真が、IPSでは「少し明るい」「少し平たい」と感じることがある。

だからポートレートやライブ写真では、編集後に複数の画面で確認する意味が大きい。


まず見るべき設定

有機ELで編集してIPSで明るく見える場合、最初に確認したいのはこのあたりだ。

HDRを切る

通常の写真編集なら、まずHDR表示をオフにする。
SNSやnote用の写真なら、SDR基準で見たほうが安全だ。

True ToneやNight Shiftを切る

MacやiPadでは、True ToneやNight Shiftが色味を変える。
普段使いでは便利だが、写真編集では判断がズレる原因になる。

自動輝度調整を切る

周囲の明るさに合わせて画面の輝度が変わると、写真の明るさ判断が安定しない。
編集時は固定したほうがいい。

モニター輝度を揃える

有機ELとIPSで輝度が大きく違うと、当然見え方も変わる。
厳密なキャリブレーションまではしなくても、少なくとも片方だけ異常に明るい状態は避けたい。

色域設定を確認する

sRGB、Display P3、Adobe RGBなど、モニターやOS側の設定によって色の見え方が変わる。
Webやnote中心なら、最終的にsRGB環境でどう見えるかを意識したい。


作品として美しい写真と、どこでも破綻しない写真は少し違う

有機ELで見る写真は、とても気持ちいい。

黒が沈む。
光が立つ。
階調が深く見える。
写真が少し映画的に見える。

しかし、その美しさは、表示装置の性能によって支えられている部分もある。

多くの人は、自分と同じ4K有機ELモニターで写真を見るわけではない。
スマホで見る人もいる。
ノートPCで見る人もいる。
明るさ最大の液晶モニターで見る人もいる。
色味がズレた環境で見る人もいる。

だから、写真編集では「自分の画面で最高に見える」だけでなく、「普通の画面でも破綻しない」ことも大事になる。

特にnoteやSNSに載せる写真なら、こちらの視点はかなり重要だ。

有機ELで作品性を作る。
IPSで一般表示を確認する。
スマホで最終チェックする。

この流れが、今の写真編集ではかなり現実的な落としどころだと思う。


モニターを変えると、写真の癖が見える

面白いのは、モニターを変えると自分の編集の癖も見えてくることだ。

有機ELでばかり編集していると、黒を深く落とす癖がつくことがある。
IPSでばかり編集していると、コントラストを強めにしたくなることがある。
明るいモニターで編集していると、写真を暗めに仕上げることがある。
暗いモニターで編集していると、写真を明るめに仕上げることがある。

写真の仕上がりは、カメラやレンズだけで決まらない。
編集しているモニターにも、かなり影響される。

むしろ、最後に写真を決めるのはモニターかもしれない。

どれだけ良いカメラで撮っても、どれだけ良いレンズを使っても、最後に見ている画面が違えば、判断も変わる。

だから、4K有機ELで編集したあとにIPS液晶で見て「明るいな」と感じるのは、かなり大事な気づきだと思う。

それは失敗ではない。
自分の写真が、表示環境によってどう変わるかを理解し始めたということだ。


写真編集はもう一段深くなる

4K有機ELモニターで編集した写真をIPS液晶で見ると、明るく見えることがある。

理由は単純な明るさの違いだけではない。

有機ELは黒が深く沈む。
IPS液晶は黒が少し浮く。
有機ELではコントラストが高く、写真が締まって見える。
IPSでは暗部が持ち上がり、全体が明るく見えることがある。
さらにモニター輝度、HDR設定、色域、OS側の補正機能も影響する。

有機ELは写真を美しく見せる力が強い。
だからこそ、編集時には少し注意が必要になる。

有機ELで雰囲気を作り、IPS液晶で崩れを確認する。
最後にスマホでも見る。

このひと手間で、写真の仕上がりはかなり安定する。

写真編集は、撮る技術だけではない。
見る環境を知ることも、かなり大事な技術だ。

4K有機ELで気持ちよく仕上げた写真が、IPS液晶で明るく見えた。
その違和感は、たぶん正しい。

そこに気づけるようになると、写真編集はもう一段深くなる。

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