ショートショート 「竜頭蛇尾」 #毎週ショートショートnote #コブラ参政権
日本国の蛇界隈は、今、ウネりにウネっていた。
突如として、「外来種のコブラを日本に迎え入れ、参政権を与えよう」という動きが巻き起こったのだ。
というのも、昨今の熊騒動の影響で、蛇に対する畏怖の念がすっかり低迷していたからである。
「今こそ我々にはコブラが必要だ! 毒蛇のキングを迎えよう!」
そんな声が各地で高らかに叫ばれ、多くの賞賛と賛同が集まった。
話は蛇行することなく進み、ついに“コブラ参政権”は正式に認められることとなった。
数ヶ月後…。
SNS(スネーク・ネットワーク・システム)を通じて、日本に一本の連絡が入る。
「バーカ、行くわけないじゃん」
キングコブラは舌をチロチロと出し入れしながら、そう言い放った。
日本には四季がある。
変温動物である蛇にとって、それはあまりにも過酷な環境だった。
そう、すべては蛇足だったのだ。
抜け殻のようになったこの話を、いま語る者は誰もいない。
完
(本文384字)
あとがき
田原にかさんの企画『毎週ショートショートnote』裏お題「コブラ参政権」に参加させて頂きました。
