嗜銀顆粒性認知症。70歳以上が発症の、イライラ、怒りっぽい、頑固など性格の変化が特徴的なただの物忘れではない認知症。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
私の父はかなり忘れっぽいです。大体ギリギリにならないと動かず、確定申告も終了の1週間前に、書類を集めて書き出す。
終了ギリギリ前の税務署が閉まる2時間前に行くと、『今日は人が一杯で帰って下さい』と言われる。
また、無駄に次の日、出直し。何とか終わった。
SNSで『今年は時間がかかっている』と書いてあったので、2026年4月下旬まで待っていた。
そろそろかな?と思い、税務署にお問い合わせ。『振り込まれていませんか?』と言われた後、『貴方のお父さんが出されたもの、税金の部分で未完成の部分があります。それでは、こちらで返す分は0円しかなりません』。
えっ⁉︎…。
『ただし、確定申告の有効期限は、5年間です。GWの翌週に、こちらで書類をまとめた後で、ご両親に税務署まで来て貰えますか?』。
と、何と三度手間に。
今まではギリギリに出しても何とか上手く行っていた。今年は、遂に失敗した。会社からも、『確定申告は、早めにやらないと、ミスした時大変よ』、それがそのまま出ました。
父のことは本当に情けないことが多く、確定申告も私がお問い合わせをしなければ振り込みされなかったので、母から父は絞られてましたが、まあ懲りないでしょう。
過去に色々と認知症の記事を書く中で、これ、父に当てはまるかも?と思った認知症の話をします。
嗜銀顆粒性認知症(しぎんかりゅうせいにんちしょう)とは、高齢期に発症する認知症の1つで、脳内に異常タウたんぱくの1つである「嗜銀顆粒」が溜まることで発生する「嗜銀顆粒病」を受けて、認知症の症状が出現した病気です。
これはタウたんぱくという物質の異常が関わっていて、アルツハイマー病と同じ「タウオパチー」に分けられます。
嗜銀顆粒(しぎんかりゅう)とは、脳神経細胞に異常に溜まった微細な構造物のこと。1987年にドイツの神経病理学者のブラーク(Braak)夫妻により見つかった物質です。脳細胞を銀染色法(ぎんせんしょくほう)と言われている金属銀の性質を利用して微量たんぱく質や微細な構造を可視化する染色技術でコンマ状やレモン形の顆粒に染まって、顕微鏡で観察すると見えるため、嗜銀顆粒と命名されました。
嗜銀顆粒病を発症した高齢者の中で、認知症の症状が認められる時には「嗜銀顆粒性認知症」と診断されます。
嗜銀顆粒病は高齢者のおよそ5~9%に認められます。また、認知症患者のおよそ5%は嗜銀顆粒性認知症というデータがあることで、極めて珍しい病気ではありません。特に80歳以上に多く、アルツハイマー型認知症と類似した症状が認められますが、性格の変化が目立つ点が違います。
脳内の嗜銀顆粒状の構造物を特徴とする進行性疾患です。認知症を示さないケースもあることから、嗜銀顆粒病と括られることが一般的です。
嗜銀顆粒性認知症の初期症状は、軽い記憶障害が認められます。特に短期記憶の低下が認められて、会話の内容や朝食に食べたものなどを忘れてしまうことも少なくありません。
嗜銀顆粒性認知症の特徴は、高齢発症で少しずつ進行、記憶障害で発症しますが、些細なことでイライラしやすい・頑固・性格変化など感情の変化・被害妄想・興奮しやすい・暴力行動などの行動の異常(行動心理症状BPSD)が認められるなどがあります。また、感情に落ち着きがなくなるだけでなく、被害妄想や抑うつ状態などの認知症の周辺症状が認められることもあります。
・こだわりが強くなる
・怒りっぽくなる
・気分の落ち込み
・被害妄想
・感情のコントロールが難しくなる
画像検査では、左右差を伴う、迂回回(うかいかい)を中心とする側頭葉内側面前方の萎縮などが報告されています。
現時点では効果のある治療法はなく、診断基準で嗜銀顆粒性認知症が疑われた場合でもアルツハイマー型認知症に準じた治療が実施されます。
認知症の中でも、1番罹患者数が多いアルツハイマー型認知症の主な症状としては、記憶力の低下が言われます。特に、新しい情報を覚えることが困難になり、変化に対して順応することが難しいケースも少なくありません。
その反面、嗜銀顆粒性認知症は進行が緩やかで、記憶力が著しく低下することが認められることは少なく、軽度認知障害の状態に落ち着く時が多いです。
アルツハイマー型認知症の発症年齢は65歳以上で平均であることが多いのですが、嗜銀顆粒性認知症は70歳以上、特に80歳以上になってから発症する傾向です。また、嗜銀顆粒性認知症では性格の変化が認められ、感情の制御が困難になる方も多いです。
まだ一般の方には嗜銀顆粒性認知症は馴染みがない病気ですが、実は認知症外来での診断の中に隠れている可能性があります。
この病気の特徴は、人格障害と記憶障害です。
この2つはアルツハイマー型認知症でもみられるのですが、嗜銀顆粒性認知症では物忘れが軽度で日常生活が十分行えるみたいなレベルでも性格変化が強く現れるという特徴があります。人の意見を聞こうとしない、ささいなことで興奮しやすくなる、非常に頑固になって意見を変えない、怒りやすくなる、嫉妬妄想、暴力的になるなどの性格変化が主体の認知症です。
アルツハイマー型認知症では、家族の話について行けない、記憶障害、場所や時間が分からないなどの症状が進んだ後に少しずつ性格変化が起こっていき、かなり違う症状です。
また、嗜銀顆粒性認知症は、アルツハイマー型認知症よりも高齢で発症することが多く、記憶力障害の進行も少しずつ起きます。発症も遅く、進行も遅いため、80歳以上で発症し、自立はできていますが、自分勝手で頑固、怒りっぽくて対応が困難だと家族が困っていたらまず疑う必要がある病気です。画像診断では海馬の萎縮が左右非対称であることが特徴で、診断をすることに対して、大きな助けになります。
顆粒性認知症の症状は、初期には「年齢のせいかな?」と思う程度の物忘れから始まります。
・実行機能の低下:買い物や料理の手順が分からなくなる。
・物忘れ:同じことを何度も聞く、最近の出来事を思い出せない。
・感情の変化:気分が落ち込み、怒りっぽくなる。
・行動の変化:無気力、徘徊、時に反社会的行動。
アルツハイマー型認知症と区別されるポイントは、感情面や行動面の異常が目立ちやすいところです。MCI(軽度認知障害)の段階で早い段階で気が付けば、進行を遅らせることが可能です。
今回は、嗜銀顆粒性認知症に似ている認知症とは?、どうやって診断するのかをお知らせします。
嗜銀顆粒性認知症の診断基準や治療法などは?

画像引用・参考:嗜銀(しぎん)顆粒性認知症とは? 症状や認知症との違いなどを解説 ガンマ波テクノロジー 認知機能ケアプロジェクト(2025年)
▽似ている病気
認知症外来では以下の病気との区別が大事です。
・アルツハイマー型認知症:1番一般的。物忘れが中心。
・前頭側頭型認知症:社会的行動の障害、人格変化が目立つ。
・レビー小体型認知症:手のふるえや幻視、自律神経症状を伴う。
・正常圧水頭症:尿失禁、歩行障害、認知機能低下の三徴。
これらと区別することで、治療方針が変化します。
嗜銀顆粒性認知症かどうかの判断は、まずMRIやCTなどによる画像診断を活用し、嗜銀顆粒性認知症と“推定する”のが一般的です。また、「性格の変化や、高齢発症が認められ、記憶障害がある」という嗜銀顆粒性認知症の条件を満たしているかを臨床的に判断するというやり方も活用されています。
ですが、アルツハイマー型認知症などのそれ以外の認知症とも症状が似ているため、慎重な診断が要求されます。

▽診断基準
「物忘れが増えたから」と受診された場合、認知症外来では次の様な検査を組み合わせます。
◉認知機能検査・問診
ご本人やご家族からの聞き取りに加え、MoCAやMMSEなどのテストで認知症かMCIかを確認します。
◉画像検査(SPECT、MRI、PETなど)
側頭葉や海馬の萎縮、脳血流の低下を確認します。嗜銀顆粒性認知症は特に扁桃体や側頭葉に異常が出やすいとされています。
◉血液検査
ビタミン不足や甲状腺機能低下など、それ以外の原因による物忘れを取り除きます。
確定診断は難しいですが、「アルツハイマー型認知症と少し違う経過を辿る」時には嗜銀顆粒性認知症が疑われます。
▽治療法
現在、嗜銀顆粒性認知症に効果がある治療法は発見されていません。また、確定診断が困難で、それ以外の認知症である可能性も踏まえながら治療を進めることが必要となります。そのため、嗜銀顆粒性認知症が疑われる時には、進行を遅らせることと症状緩和を目指してアルツハイマー型認知症の治療法を選ぶことがあります。
アルツハイマー型認知症の治療としては、薬物療法に加えて、バランスの取れた食事や適度な運動、ストレス管理という生活習慣の改善も同時に進めていくことが一般的です。また、症状に応じてリハビリテーションや治療薬、日常生活での支援をかけ合わせることで、進行を遅らせたり生活の質を維持することは可能です。
▶︎薬物療法
◉認知症治療薬
アルツハイマー病と同様に、ガランタミン、ドネペジル、リバスチグミンなどのコリンエステラーゼ阻害薬が用いる時があります。中等度以降ではメマンチンが効果がある時もあります。
◉精神症状への対応
不眠には睡眠薬、抑うつには抗うつ薬、興奮や幻覚には少量の抗精神病薬を慎重に使用します。
▶︎非薬物療法
運動習慣:軽いウォーキングや体操で血流改善。
認知リハビリ:音楽療法や回想法などで脳を刺激。
社会参加:地域活動やデイサービスに参加して孤立を予防する。
◉生活指導
嗜銀顆粒性認知症の進行を少しでも遅らせるためには、毎日の暮らしが非常に大事です。
・家事や趣味をできる範囲で続けること。
・規則正しい生活リズムを整えること。
・家の中を整理して転倒を予防すること。
・栄養バランスの取れた食事を心がけること。
・認知症外来では、患者さん本人だけでなく家族へのサポートも重視すること。
・介護者や家族は一人で抱え込まず、介護保険サービスを積極的に利用すること。

◉取れる対策の具体例
・本人の尊厳を維持させる適切なケアや対応を心がける(例:ユマニチュード、パーソンセンタードケア)
・生活リズムや環境を整える(例:毎日のスケジュールの固定化、落ち着ける環境の整備)
・積極的に地域の支援サービスを利用する(例:デイサービス、認知症カフェ)
参考サイト
嗜銀顆粒性認知症について ~物忘れが気になったら認知症外来へ~ 東大阪みき脳神経外科クリニック(2025年)
怒りっぽさが目立つ「嗜銀(しぎん)顆粒性認知症」 松田脳神経外科クリニック(2022年)
高齢者に多い「嗜銀顆粒性認知症」とは?症状や特徴をわかりやすく解説 介護の窓口 ケアまど(2026年)
激昂する父
今はテレビを観ない人が多いですが、父は根から昔の人で、テレビが大好き。ツボが浅く、私から観ると、「なぜ、あれで笑える?」という位笑う。
父の中でテレビを観ている時は、邪魔をされたくない気持ちが強く、私と母が話していると、イライラし出し、パワハラめいて怒鳴り散らし、萎縮した私と母は自室に。
テレビの音以外の、家族の会話も、父の中ではテレビを邪魔する騒音みたいな。
昔から亭主関白ではあるものの、今はどこに怒りのスイッチがあるか分からない。本当に突然怒り出すので。
毎回家族の空気を乱すのは父で、家の中が穏やかではないのは父が大きく絡んでいる。
父の怒りに振り回される家族は健全だと言えようか?いや、言えない。だから、父のことは嫌いです。
いつからあんなに変わったのだろう?私の中では、毎日不機嫌で怒鳴り、口を開けば煙草の話しかいない。30箱以上私が自分の給料の中から買った父の煙草、15個を切った。
また、買わないといけない。お酒は飲まないけど、私では依存度は分かりませんが、かなり依存度が高い気もしますし、最近は父がちまちま1、2箱買うより、私が20〜30箱以上買うから助かるみたいです。
煙草を渡した時だけ、家の中では唯一の笑顔。50年以上の煙草で多分目の病気が誘発された。
後はずっと寝ていますね。狭いソファで、ずっと朝から晩まで寝ている。起きているのはご飯を食べる時と、テレビを観ている時。
最近ご飯が入らないと言いますが、70代の年齢だけではなく、いつも寝ているから、あれで食べたもの消化されて、食べられるのは普通に無理です。
父を見ながら、ただただ寝て、テレビばかり見て過ごす。私はそんな老後にはなりたくないと、反面教師になっています。
父が大の病院嫌いで認知症であっても診断ができません。認知症には物忘れがある。実際父も忘れっぽく、テレビも1週間内に観たものも、初めて観た様に観る人。
それに、怒りっぽく、イライラする、頑固さが増した、性格が変わった面では、嗜銀顆粒性認知症は凄く父に当てはまる。
忘れっぽかったり、できないことも増えましたが、とりあえずまだできることはできますし、とにかくいつもイライラして、穏やかさがない、家の空気が悪い。
そういう点で、医療従事者ではない私が初見で嗜銀顆粒性認知症じゃない?って確信に近い位感じました。
