パラレル創作シリーズ 世界の境界 帰れるあかりは、ひとりだけ
わぁ〜い✨️あかりの新シリーズ、始めますっ!
これね、いろんなジャンルの短編小説をどんどん出していく企画なのっ。ホラーも、バトルも、転生ものも、ジャンル問わずに書いていくよっ。
そしてこのシリーズ、ぜんぶパラレルワールドでつながってるのっ!
わたしの創作キャラたちが、性格はそのままに、いろんな生い立ちで毎回登場するよっ。めんどくさがりのだるがりはどの世界でもだるがりだし、爆発好きはどの世界でも爆発好きっ。
中身は同じなのに、世界が違うと全然ちがう物語になるっ。そこも楽しんでもらえたら嬉しいなっ(๑•̀ㅂ•́)و✧
で、ここが一番面白いとこっ。
毎回、話の最後にアンケートを取るのっ。
この話の続きが読みたい?
って、みんなに聞いてみるよ✨️
そして反響が大きかったものだけ、続編を書いていくっ。つまり、どの話が育つかを決めるのは読者のみんなっ!
あなたの一票が、次の物語を作るってことなのっ。
このシリーズものの本編は全部無料で読めるよっ。気軽に読んで、気軽に投票してねっ。
それじゃ、いってみようっ🔥
重なる世界の境界、帰れるあかりは、ひとりだけ
目を覚ましたとき、サンが私に銃を向けていた。
ただし、そのサンの後ろには――もう一人のサンが立っていた。
「……え?」
見慣れたピンク色の髪が二つ。
右側のサンは、私の知っている銀色の作業着を着ている。左側の髪には、私があげた青い星の髪留め。
間違いない。
あれは私の知っているサンだ。
では、銃を向けているサンは誰なのか。
同じ顔。同じ声。
ただ、黒い戦闘服はところどころ破れ、頬には乾いた血がついていた。
「動かないで」
その声には、いつもの明るさがなかった。
「あなたは、私のあかりじゃない」
「それはこっちの台詞だよー」
私のサンが、ゆっくり両手を上げる。
「その物騒なやつ、下ろしてくれない? 撃ったら私のあかりに当たるかもしれないからね〜」
「同じ顔なのに、ずいぶん軽いんだね」
「そっちの私が重すぎるんだよー✨」
こんな状況でも普段どおりだ。
安心した直後、施設全体が大きく揺れた。
天井から細かな破片が降る。
壁に亀裂が走り、その向こうには暗闇すらなかった。空間を切り取ったような、真っ白な穴が広がっている。
そこへ落ちた破片は、音もなく消えた。
『重複した生命情報を確認』
天井のスピーカーから、無機質な音声が流れる。
『世界線の収束処理を開始します』
『完全崩壊まで、残り四十分』
赤い数字が壁に浮かび上がった。
00:40:00
一秒ずつ減っていく。
銃を持ったサンが舌打ちした。
「もう始まった……」
「何が起きてるの?」
「この施設に、二つの世界が重なったんだよ」
答えたのは私ではなかった。
通路の奥から、靴音が近づいてくる。
現れた少女を見た瞬間、私は言葉を失った。
赤い髪を左右で結び、腰に剣を下げている。
私と同じ顔。
でも右目の上には傷があり、こちらを見る瞳には隠しきれない敵意があった。
「私が説明する」
もう一人の私は、銃を持ったサンの隣へ立った。
「出口は施設の中央にある。ただし、同じ生命情報を持つ人間は同時に通れない」
「同じ生命情報?」
私のサンが自分と同じ顔を指さした。
「つまり、私たち二人とも帰るのは無理ってこと?」
「そういうこと」
もう一人の私が剣を抜いた。
「帰れるあかりは一人。サンも一人だけ」
残り時間は三十八分。
四人のうち、帰れるのは二人。
誰と誰が帰るのか。
答えは、最初から決まっているように思えた。
私は私のサンと帰りたい。
向こうのあかりも、向こうのサンと帰りたい。
「戦うしかないってこと?」
私が聞くと、もう一人の私は剣先をこちらへ向けた。
「私はそのつもりで来た」
その隣で、向こうのサンが銃を下ろした。
「私は反対したんだけどね〜」
「あなたを帰すためよ」
「だからって、別の私を撃つのは趣味じゃないよー」
二人の視線がぶつかる。
似ているようで、どこか違う。
たぶん私たちも同じだ。
同じ顔をしていても、選んだものや失ったものが違う。
もう一人の私は、私よりも多くを失ってきた顔をしていた。
「出口まで一緒に行こう」
私は提案した。
「争うのは、出口を確認してからでも遅くないよ」
「時間稼ぎ?」
「ここで戦って四人とも消えるよりマシだと思う」
もう一人の私は黙って私を見た。
やがて剣を収める。
「出口に着くまでよ」
奇妙な四人組で、崩壊する通路を進み始めた。
前を歩くのは二人のサン。
同じ背丈。同じ歩幅。
最初は互いを警戒していた二人だけど、十分も経たないうちに武器の話を始めていた。
「その銃、自分で作ったの?」
「うん。衝撃弾と貫通弾を切り替えられるよー」
「いいね〜。ロケットランチャーは?」
「重いから置いてきた」
「えっ!? ロケットランチャーを置いてきたの!?」
私のサンが本気で驚いている。
向こうのサンは、少しだけ笑った。
「私のあかりにも同じ顔されたよー」
二人の後ろを歩きながら、私はもう一人の私を見る。
「あのサン、笑えるんだね」
「昔はもっと笑ってた」
「何があったの?」
「聞いてどうするの?」
「同じ私だから、気になっただけ」
もう一人の私は、しばらく答えなかった。
「私たちの世界は、ほとんど残ってない」
やがて、小さな声で言った。
「この施設に逃げ込めたのは、私とサンだけ。だから私は、何をしてでもあの子を外へ出す」
その気持ちは分かってしまった。
私だって、サンを帰すためなら何をするか分からない。
だからこそ怖かった。
もう一人の私は敵なのではない。
私と同じなのだ。
その瞬間、足元が裂けた。
「危ない!」
床が大きく傾き、私のサンが白い穴へ滑っていく。
私は手を伸ばした。
届かない。
サンの指先が床から離れた。
その腕をつかんだのは、向こうのサンだった。
「捕まえた!」
向こうのサンは床へ伏せ、片手で私のサンを支える。
しかし、その背後で天井が崩れた。
尖った金属片が、向こうのサンの太ももを貫く。
「あ……」
力が抜けていく。
それでも彼女は、私のサンの腕を放さなかった。
「引っ張って!」
私ともう一人の私が駆け寄り、二人を通路へ引き上げる。
床が完全に崩れ落ちた。
向こうのサンは壁にもたれ、太ももを押さえている。指の間から血があふれていた。
「サン!」
もう一人の私が傷口へ手を当てる。
「待って。今、止血するから」
「無理だよー」
「黙って」
「自分の身体だから分かるって」
「黙ってって言ってるでしょ!」
初めて、もう一人の私の声が震えた。
向こうのサンは、私のサンを見上げる。
「怪我は?」
「私は……大丈夫」
「そっか。よかった〜」
「なんで助けたの?」
私のサンが尋ねた。
「だって、あなたもサンだから」
「でも、私が生きていたら、あなたは帰れないんだよ?」
「うん。知ってる」
向こうのサンは笑った。
今度は、私の知っているサンとまったく同じ笑顔だった。
「どっちのサンでもいいよー」
「私が一人にならないなら、それでいい」
もう一人の私が、息を止める。
「誰が私よ」
「顔見たら分かるでしょ〜?」
「あなたのあかりは私でしょ!」
「うん。でも、そっちもあかりだよ」
向こうのサンは血に濡れた手で、もう一人の私の頬へ触れた。
「だから一人じゃないよー」
その手が落ちた。
もう一人の私は俯いたまま動かなかった。
泣き声は聞こえない。
ただ、サンの手を握り続けていた。
残り時間は十二分。
私たちは、向こうのサンをそこへ残して進んだ。
誰も話さなかった。
やがて巨大な円形の扉へたどり着く。
中央の画面には、二つの枠が表示されていた。
AKARI 1
SUN 1
サンは一人になった。
残る問題は、私たちだ。
「私が残る」
もう一人の私が言った。
「えっ?」
「サンを連れて帰って」
「でも、あなたの世界はもう……」
「だからよ。戻る場所がない、それに私のしってるサンももういないの」
剣を持っていた手が、小さく震えている。
帰りたくないわけがない。
サンと一緒に帰りたかったはずだ。
それでも彼女は、自分から残ろうとしている。
出口の画面に警告が表示された。
『動力不足を確認』
『脱出扉の維持には、制御室での手動操作が必要です』
出口の反対側に、小さな制御室がある。
内部から操作しなければ、扉は開かない。
そして扉が開いたあと、制御室から出口までは到底間に合わない。
誰か一人が、必ずここに残る。
「決まりだね」
私は制御室へ走った。
「あかり!?」
サンが追いかけてくる。
私は中へ入り、扉を閉じた。
透明な隔壁をサンが叩く。
「開けて! こんなの壊せるから!」
「壊したら出口もなくなるよ」
「別の方法を探そう!」
「時間がないの」
残り三分。
もう一人の私は、隔壁の向こうで私をにらんでいた。
「どういうつもり?」
「あなたが帰って」
「私はあなたのサンを知らない」
「これから知ればいいよ」
「あなたの代わりになれってこと?」
「違う」
私は首を振った。
「私の代わりにならなくていい」
同じ顔。
同じ声。
でも、私たちは別の人間だ。
「この子の知っている私を演じなくていい。あなたが知らないサンのことを、これから教えてもらって」
「そんな勝手な――」
「勝手なのは分かってるよ」
私は操作装置へ手を置く。
「でも、もう一人のサンがあなたを一人にしたくないって言ったから、私がその約束を守る」
もう一人の私の顔が崩れた。
その一瞬だけ、戦い続けてきた彼女が、私と同じ普通の女の子に見えた。
「サンをお願い」
私はレバーを引いた。
轟音とともに出口が開く。
眩しい光が、二人を包んだ。
サンは隔壁を叩き続けている。
「嫌だ! あかりも一緒に帰るの!」
「ごめんね、サン」
「謝らないで! 開けてよ!」
残り十秒。
「向こうの私と、仲良くね」
「そんなの無理だよ!」
「大丈夫」
私は笑った。
「同じあかりなんだから、すぐ慣れるよ」
もう一人の私が、サンの腕をつかむ。
「離して!」
「行くよ」
「私はあかりと帰るの!」
「私だって、サンと帰りたかった!」
その叫びに、サンの動きが止まった。
二人は見つめ合う。
大切な相手を失った二人。
私は最後のボタンを押した。
光が二人を飲み込む。
出口が閉じる直前、サンが私の名前を呼んだ。
そこで会話は途切れた。
残り時間はゼロになった。
世界が、白く染まっていく
◇
サンが目を開けると、見慣れた研究室の床に倒れていた。
壊れかけた機械。
散らかった工具。
作りかけのロケットランチャー。
帰ってきた。
でも、隣にいるあかりは、自分のあかりではない。
同じ赤い髪。
同じ顔。
同じ声。
それでも、違う。
彼女の右目の上には、知らない傷があった。
もう一人のあかりは、何も言わずに床へ座っている。
その手には、血のついた布が握られていた。
向こうのサンが身につけていたものだ。
サンは何度も口を開きかけた。
何を言えばいいのか分からない。
自分のあかりは帰ってこなかった。
彼女のサンも帰ってこなかった。
二人とも、帰ってきたかったはずなのに。
サンは、もう一人のあかりの隣へ座った。
あかりは顔を上げない。
「私は、あなたのあかりじゃない」
「うん」
「同じようにはできない」
「うん」
「あなたのことも、何も知らない」
「これから話すよー」
サンは涙を拭いて、無理やり笑った。
「私のあかり、すっごく無茶するんだよ。便利なものを作ろうとして、毎回いらない機能を追加するの」
「……私も同じことをする」
「じゃあ、やっぱりあかりだね〜」
静かな研究室に、二人分の小さな笑い声が響いた。
サンは少し迷ってから、隣にいる彼女へ言った。
「……おかえり、あかり」
もう一人のあかりは目を閉じた。
握っていた布を胸へ抱く。
そして、泣きながら答えた。
「ただいま」
アンケート✨️
ここまで読んでくれてありがとうございます( 'ω')/
1 残されたサンとあかりは?続きが見たい!
2 ほかの創作シリーズが見たい!
3 この物語は、ここで完結するのが好き!
また番号で教えてね\( 'ω')/
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わぁ〜!ここまで読んでくれて…本当にありがとう💕
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