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今日の発酵との出会い③——銀座一丁目で、納豆が光っていた

発酵との出会い②を書いたばかりだった。
だから、少し間を置くつもりでいた。

けれど、
これは書かないわけにはいかなかった。

銀座一丁目を歩いていたら、
ふいに、目の前に
納豆の日が現れた。

銀座一丁目で、茨城の納豆が光っていた。

しかも、都会のビルの大きな画面に、堂々と光っていた。

7月10日は、
納豆の日。

そこは、IBARAKI sense。
茨城のアンテナショップだった。

まさか、銀座一丁目のビルの角で、
納豆に出会うとは思っていなかった。

発酵は、
蔵や台所だけにいるのではなかった。

茨城から銀座へ。

ごはんの上にあるはずの納豆が、
都会の大きな画面に、
どんと映っていた。

獺祭の甘酒が、
少し澄んだ顔をした発酵だとしたら、
納豆は、もっと日常に近い発酵だ。

朝の食卓。
白いごはん。
箸でかき混ぜる音。

納豆と、
軽く炒めた卵。
そこに、
ぬか漬けのきゅうりが少し。

食べ終えたあとの茶碗で、
味噌汁を飲む。

考えてみれば、
朝の食卓には、
発酵がいくつも並んでいた。

納豆。
ぬか漬け。
味噌。

どれも大きな声では言わない。

けれど、毎日の体を、
静かに支えてくれている。

発酵というものは、
本当は静かなものだと思っていた。

けれど今日は、
少しだけ違った。

銀座一丁目の窓で、
納豆が堂々と光っていた。

茨城の発酵が、
都会の真ん中に、
ちゃんと顔を出していた。

そして、その日は7月10日。
納豆の日。

知らなかった。

杜野 灯(もりの あかり)

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