第5弾 Garden of Remembrance
ラブリーサマーちゃんというシンガーソングライターが好きです。生活を大事にされているアーティストさんで、親しみのある詩と、宅録で培われた温かくも楽しいサウンドが僕は好きです。
僕がこのアニメを知ったのはそれこそラブリーサマーちゃんのおかげ。ラブリーサマーちゃんを好きでなくとも、たどり着くことはできたでしょうが、ラブリーサマーちゃんが好きだったからこそ、より「Garden of Remembrance」は、僕の心に刺さったのだと思います。
記憶の花の庭はどこにあるのでしょうか。その花園が一面彩られるのはいつなのか。そういうことを考えさせてくれる優しい作品です。
Garden of Remembrance
この作品は、山田尚子監督脚本による日本のショートアニメーションです。初上映されたのは2022のアニメコンピらしいですが、リリースは、今年の夏です。
製作は最近話題のサイエンスSARU。音楽はラブリーサマーちゃん。キャラクターデザインは水沢悦子さんです。
そしてなんと、声優さんがいない無声映画でもあります。
監督の山田尚子さんはみなさんご存じの作品に様々、携わっております。京都アニメーションに入社されていて、「けいおん!」を手掛けております。そして「たまこまーけっと」、「聲の形」と続きます。
どの作品も、ゆったりとした空気感の中での緩急が気持ちのいい作品だと思います。幻想的なアニメーションで身近なことを描いてくれるそんな監督だと思います。
そして近年サイエンスSARUに拠点をを移されまして、「平家物語」、「きみの色」を手掛けられました。
山田尚子 - Wikipedia
を皆さん読んでほしい。とても誠実にアニメに向き合っていらっしゃることが分かると思います。オリジナルアニメから、原作物まで幅広く手掛けられる山田監督は、様々な人を魅了しているでしょう。
そんな山田監督にとって、初めての短編アニメーション作品が「Garden of Remembrance」です。山田監督の手腕は短編アニメーションの中でも、遺憾なく発揮されています。何なら、短編だからこそ凝縮されているといってもいいかもしれません。
この作品の肝は何と言っても、音楽でしょう。「Garden of Remembrance」を語るということは、ラブリーサマーちゃんの2楽曲を語るということとニアリーイコールな気がします。ショートアニメーションの中でも、音楽との距離が密接な作品です。無声映画なので、言葉の持つ力はすべてラブリーサマーちゃんの楽曲に込められています。
あらすじ
あらすじで語るべきことはあまりにも少ないというか、20分弱の作品なので、どうも言えないというか。
普通の生活をする女の子。彼女の部屋は一人で住むには少し大きい。男の子と暮らしたこの部屋に、今女の子は一人で暮らしている。暮らしの中には様々な思い出があって、、、、、、
みたいな感じでしょうか。まーじでむずかしい。
僕の言葉で、一言でまとめると「君の不在で、君の存在を強く感じる」っていうところでしょうか。
無声なので、少し難解なところがあると思います。モチーフも様々で、物語に直接関係してなさそうなもう一人の女の子も出てきたりします。ですが、分からなくても感じることが出来る作品です。ぜひ!!!!!!
ラブリーサマーちゃん
ラブリーサマーちゃんは、「かわいくてかっこいいピチピチロックギャル」。東京都出身のシンガーソングライターで、ジャンルはロックとPOPS。宅録出身のシンガーソングライターで、メチャクチャ人気だ!
私はこのアルバムが好きです。
ふと思ったけど、作家性はどこか山田監督に似ているかもしれない。二人とも優しい生活を大事にして、その中での心の動きを切実に。
ラブリーサマーちゃんの手掛けた楽曲が「Garden of Remembrance」中に二曲使われている。
「歌詞のない日常」と「Garden of Remembrance」。この二曲が順に劇中では流れます。
「歌詞のない日常」は劇中の色彩とすんごい馴染んでいる気がします。あと、そのタイトルの通り、言葉にするでもない日常を大切に。途中のコーラスが、小さな幸せを表しているようで、不思議と幸せな気持ちになる曲です。
「Garden of Remembrance」はちょっとすごすぎる曲なので、はい。本編を話しながら、話していきたいなと思います。
ーーーーーーーーーーーーネタバレーーーーーーーーーーーーーー
ないちゃうよーーーーー
最初から抽象的なシーン。三つの色の花がたくさん飛びます。色実が綺麗。そこからすーーーと現実に。
私空中から家を眺め、部屋に入りみたいなカメラワークがめっちゃ好きなんですよ。好きなんですよ。
アンプとエフェクターとギターとが移ります。私の予想ですが、これは、女の子のものではなく、男の子のものなんじゃないかな??
延長コードの配置とか、ロクヨンのコントローラ二つとか、脱ぎ捨てられた靴下とかが、すんごいリアルに移ります。
部屋を移してから、「歌詞のない日常」が流れます。
映像も、曲名の通りです。眠気眼をこすりながら、生きる準備をして、ただ生きる。彼女の生活は誰かの影響を受けたような、そんな雰囲気があって、何か足りない。
絵文字の表現がシンプルにかわいいし、いいアクセント。第三者の意識が絵文字になってるっぽい?
Tシャツがかわいいのは山田尚子作品のあるあるなのかな?けいおん!の唯ちゃんしかり。
朝ごはんの描写は、トースターの描写からわかるようにやっぱり何か足りない。
繰り返しの中で、私たちは彼女に親近感を覚えていく。
いやぁ最高なんだよなぁ、生活の見落としているところとか、日々の調子の違いによって変わる朝ごはんだとか。やっと変えたスマートフォン。今日はチョコレートでいいやとか。割り箸を割るのは毎日うまくいかない。
線のやわさと、動きのやわさですごくおちつく。
もう一人の女の子は、一人で花を眺めながら、ちゃんとした食事。
テンポ感がマジで心地いい。
お酒を飲んでポヤポヤしている女の子のシーンは、意外性を伴って印象的にやってくる。曲は気づいたら変わっている。
「Garden of Remembrance」だ。
最初の1節「いつか、命は消え。僕の形が変わる」。なんだかこの作品のこの時点までを説明しているような気までしてしまいます。
あーーーーーーまじでいい。私は正直この曲さえあれば、向こうに三年は元気でいられます。
「いらないよ。きゅうりの馬、茄子の牛なんて」。その歌詞と共に女の子は赤と青の花を買ってきます。そのあとは男の子との回想です。そういうのを鑑みるに、この曲は男の子の目線も持ち合わせているのかなーって思います。その言葉の通りに、女の子はきゅうりの馬とかの代わりに花を。
そしてここからは勝手な憶測ですが、眼鏡の女の子は男の子とかかわりのある女の子だったのではないでしょうか。
花に何か粉を上げている女の子。「骨粉」、「肥料」この二つが思い浮かびますが、選択するのはあなたです。
ここら辺から、ギターがディストーションをひそかに強めていきます。いわば力をためている状態。
ファンタジーみたいに、ふすまのおくに何かの存在を感じます。
歌もマジで!!!!!!!!!!!!!!!!!!いい!!!!!!!!!!!!!!!!!ギターの泣いて、どなっているようなサウンドも最高。
ドアを開けた瞬間からはもう。もう。記憶の花の庭です。あふれだしたら止まらない。爆発してしまう。かけていってしまう。そんな時間。僕らにもきっとあるそんな時間。こんなにもロマンティックに。素晴らしすぎる。「Garden of Remembrance」の11:45分時点は私のアニメ史の中で、とってもとっても大事なものです。
これ以上は
これ以上は、みてください。ホントに。ホントにみてほしいです。小学校の20分休憩くらいの時間で見れますから。どうか見てほしいです。よろしくお願いします。本当に。私は「Garden of Remembrance」の話がしたいだけなんです。見たいです。ラブリーサマーちゃんの話がしたいです。はい。よろしくお願いします。
書いた人 らーゆ
Twitter @yunotatemae
