村上春樹のバイト先のレコード店に藤圭子が来た話
エッセイ集、村上春樹著『村上朝日堂』にこんな一節が。
「一度僕の働いているレコード店に藤圭子さんが来たことがあった。でもその時はその人が藤圭子さんだなんて、僕にはぜんぜんわからなかった。あまり目立たない黒いコートを着て、化粧気もなく、小柄で、なんだかコソッとしたかんじだった。」
まさか村上春樹のバイト先に当時スターだった藤圭子が来ていたなんて、そんなことあまり逸話として語られないよね。
そして、文章について。
藤圭子さんが来たことがあった、と事実をぽんと書いて、読者をおっと思わせてから僕はその人だとは知らなかったと書いている。
一旦、打ち上げてから、でも当時の僕は⋯⋯って落としているんだよね。
それで落としてから、目立たない黒いコート、化粧もなくて、コソッとしていてなんて、レンガをひとつずつ積み上げるように人物造形している。
打ち上げて、落として、ジリジリ積み上げる。
このリズムがいいんだね。
わかりますよね。
今日も暑そうだけど、ちゃんと飲み物を飲んでご自愛くださいね。
がんばっていこう!
