2026 中山グランドジャンプ
レースのポイント
・終盤が外回り+置き。暮れより飛越多くもタフさの中にスピード問われ。
・細部の差があるとはいえ前提は大障害コース。第一に格は重視すべき。
・阪神SJ上位中心に各前哨戦メイン。小倉JSには注目したい。
年に2回のみ使用される大障害コースでだが、外回りコースを使用することにより暮れの大障害より1つ飛越が多く(後半ハードルだが)、バンケットは1つ少ない。このコースらしい持続力勝負を乗り越えた先に最後の飛越と心身の耐久力が求められる一方、平地区間の長さからは暮れよりスピード能力求められるのが特徴。
終盤で外回りを用いる設定は、前哨戦のペガサスJSでも使用するが、コースなりに機動・持続力が求められる。同レースでもビレッジイーグル(Danzigクロス)、GJ連覇のイロゴトシ(ディープ系+Special)、ダイシンクローバー(キンシャサノキセキ+Danzig)、ネビーイーム(キズナ×Special+Danzig系)、インプレス(キズナ×Roberto系)が走っているように、適性面では平地と似たアプローチも可能なコースとみる。
とはいえ、大前提はそれまでの大障害コースへの順応と、そもそもG1という舞台で足りるだけの格。21年には前年大障害の①②③着がそのままの順番で来たり、他の年でも暮れの好走・掲示板組から複数頭好走してくるパターンも多数。もちろんそこには絶対王者の存在もあるのだが。
ローテとしてはG2と格式のある阪神SJ上位馬を中心にペガサスJSも加えた東西前哨戦に暮れからの直行の3択が主流。ただし、昨年4頭いて好走は叶わなかった小倉JSからのローテ、2月から丸2か月間隔を取れるというところで、新たな主流路線になりうる可能性のあるレースとして個人的には注目したい。
各前哨戦等の雑感
中山大障害
軽く促すと半ば押し出されハナにたったネビーイーム。折り合いに苦慮する面もあったが同馬主馬が好位を形成し展開を掌握。緩いところにエコロデュエルが早々に並びかけラスト1周前2頭の展開で押切完勝。プラチナドリームは馬群後寄りから持続力を見せ離れた5着。タンジェントアークは最後方をグルり。脚を使っても前は遠かった。3着にも前に行ったタンジェントアーク。
中山新春JS
序盤は競るも早々に縦長展開から引き付け楽をしたコンテナワールドの逃げ切り。好位ににたフォージドブリック(3着)との間にロンスパを見せたディナースタ。ここは位置取りと後半寄られた不利の分。出負けしたヘザルフェンも早めに中位までは上がったが接触不利もあり4着。
小倉JS
前週には雪による中止もあった冬コクで、超長欠から平地をたたき再入障したサンデイビスがジューンベロシティを下した。平地効果かある程度位置をとったうえで好位へ。やや先んじられたがそこから一伸びする、タフさや持続力を活かした勝利だった。昨年は好走馬が出なかったが、重賞かつ適度な間隔を保てるレースとして今後立場は上がっていくのでは。JRAとしてもその意図もあってのレース設定だろう。
阪神SJ
ディナースタが重賞初制覇。いつも通り中位の競馬から内をついて位置を上げると持ち前の後半スプリント能力で勝利。ネビーイームをマークしたところ、向こうから脚をつかったエコロデュエルが最終障害で勝ち馬によられバランスを崩すも2着。この流れ得意のヘザルフェンが3着。ネビーイームは転厩戦。試走ではあろうが早々に劣勢に。ポリトナリティーは最後方。なお、3着ヘザルフェンは前走OP特別の馬券外。この過程の馬券内は久々だった。

ペガサスJS
今回と同じ外回りを使うレースも、前3頭と水ごうのミスで脱落したシホノスペランツァ以外は勝負圏外と言わざるを得ないレース。勝ったフォージドブリックは3番手→好位外と出すと、外回りコースでの叩き合いを制し、適性を示した。
三木ホースランドパークJS
掛かりも何とか抑え、逃げたスマイルスルーが離れたことで実質逃げのような形になったホウオウプロサンゲが2周目向こうで早々に同馬に並びかけると完勝の形。飛びもスピードあり改善傾向、スピード持続力を示した。
3/7 中山OP/3200m
今年特別戦以外から転戦するのはプラチナドリーム。開幕週も重馬場かつ前掛かりになったレース、中位内内で溜めると勝負所で外に持ち出し持続力を見せて勝利。安定感増したが、この形だと特に強い。
各馬雑感
ポリトナリティー/水沼元輝
除外やら何やらの煽りを受ける中、ここも前週除外からのJG1挑戦という格好。追走面飛越面ともに流石にここに入ると敷居の高さは否めないか...。二度の騎乗歴がある江田騎手ではなく水沼騎手でのチャレンジ。人馬ともに偉大な経験となるのは間違いない。まずはしっかりと走り切り。
フォージドブリック/大江原圭
東京JS6着以外はすべて中山という障害戦のキャリアで、前走は外回りを使用するペガサスJSを勝利。前3頭以外は参加していないともいえるレースだが、外回りで前を交わして勝利したという事実はしっかり評価したい。中山新春の好走もあるザメイダンの下にあたるという血統背景もあり、大型馬のタフさを活かす競馬向きも、エコロデュエルらの追撃をどこまでしのげるか。
ホウオウプロサンゲ/小野寺祐太
入障で気の難しさは見せつつもスピードの違いでまさに別格の走りを披露すると、三木ホースランドパークJSで去勢明けかつ長欠明けの相手とは言えスマイルスルー相手に勝ち切ったのだから立派も立派。気持ちさえクリアならセルキスの子で本質的にはスタミナ型だろうから、ひとえに自分のリズムで走れるか。Fair TrialやHyperionを増幅する血統背景から見る中山外回りへの対応可能性は今年の出走馬でも随一。飛びも改善傾向で、詰まる間隔は矢作厩舎なら。一気の相手強化、早めに後続も潰しにかかるレースは大きなっハードルなのだが、そんなことよりも自分との闘い。そこをクリアなら化け物の可能性は秘める。小野寺騎手が勝ったら泣くと思う。
サンデイビス/上野翔
超長欠明けの平地をたたくと、久々の障害戦となった小倉JSで重賞2勝目。冬コクのタフさも要する馬場や展開とはいえ、同斤量のジューンベロシティに3390mで一発回答したというのは力があってこそのもの。タフなジョーカプチーノ産駒で中山外のペガサスJSの3着歴もあり、そこから距離が延び耐久力の比重が高くなるのは加点。本来の飛越っぷりからすると前走まだ上積み余地も感じた。エコロデュエルが早めの競馬に持ち込めば、この馬はプレッシャーを受ける形にはなるもののその流れへの対応力で相対的に他馬に対し圧倒的優位で飛躍可能性は大幅アップ。近年成績向上上野騎手はここまでリーディング。悲願へ。
プラチナドリーム/石神深一
名手石神騎手のラストライドは、このコンビになってから明確にパフォーマンスを上げた馬に。中山大障害でもやや離れたとはいえ5着。前走中山のOPを勝利しクラス2勝目。当時◎を打ったが、開幕週も重馬場かつ早めの仕掛けもある中持ち味を最大限に生かした。大障害の③④着がいない組み合わせではあるので、大障害コースの経験値を武器に上げられれば。タフ展開での浮上も見込める。有終の美を飾れるか。
エコロデュエル/草野太郎
今年も阪神SJをステップに参戦。前走2着からは24年と同様だがそこから積み重ねてきたものが違う。そのタフさからくる爆発力、ないしは前走も最終障害のミスを持ちこたえた心身の強さが持ち味だけに、正攻法で全体スピードが求められよりトリッキーなコースで良さが相対的に活きる。JG1なら大障害>GJと見るが、今年のメンバー構成を鑑みたときに最上位で間違いないし、その適性差を埋める競馬は昨年既に答えを出している。絶対王者としてやりたい競馬ができるか。
ネビーイーム/小牧加矢太
昨年のJG1はいずれもエコロデュエルの2着。特に大障害ではこちらが前の形で迫られ粘り込みを図り、同馬の作り出す厳しい流れへの適応力は光るものがある。一方、現在9戦(内重賞6戦)で馬券内を外していない安定感やセンスの高さは目を引くものがあるし、特にこれまで課題だったスピード勝負への対応力もつけている印象。しかし、転厩初戦の前走阪神SJは前哨戦としても...という負け方。かつて気持ちの面もあってか崩れかけた時期もあった馬の環境変化。立て直せていれば主役の1頭だが。
ヘザルフェン/森一馬
ディナースタとは3戦戦っていずれも先着されている現状も持続戦への対応力は光るものを見せている。昇級戦は前でディナースタと超ロンスパ戦を演出し2着。イルミネJSは控える形を試しピーターサイトが逃げ切るレースを2着、阪神SJも持ち前のロスの少ない飛越と末の脚を見せていた。中山外は合いそうなGolden Horn産駒、前走の感じだと伸びる分には問題なさそうで、展開向けば逆転候補。森騎手継続し心強く、前の掃除の後続が想定される。
タンジェントアーク/五十嵐雄祐
ドイツ血統にステイゴールドの小柄な馬で、その字面通り追走面の課題は大きいヘヴィーステイヤー。溜めきれた時の爆発力でどこまで来れるか勝負。新潟の3000超レンジを連続好走、イルミネ4着と善戦したあと、短縮と京都で成績を落としたそのままのわかりやすい馬。大障害は距離を伸ばしてもなお最後方、終いの脚は使っても1頭も抜けない安全運転の競馬に。距離が保つのは身をもってわかったはず。勝負圏内に居れるか。
ディナースタ/高田潤
入障後未だ連を外さない堅実派が、前走阪神SJで重賞初制覇。所々詰まり加減になる飛越と、平地時代から持ち味でもあったゼロ発進力の弱さも相まって展開や隊列に左右される面があったが、長距離でOP入りしている脚力とスタミナは本物。早めに位置を上げ始めると、長めの平地区間でのスピード持続力勝負と持ち味をいかんなく発揮。JG1を走るとしたらこちら中山GJの方になるだろうがJG1という感は…。JG1では苦戦続くも名手高田騎手今年はこの馬で。
予想
印
◎サンデイビス
〇エコロデュエル
▲ホウオウプロサンゲ
☆ネビーイーム
✕ヘザルフェン
△⑩
コメント
このレースの主眼は、エコロデュエルの競馬への対応力の如何に尽きよう。草野騎手は完璧に手中に収めているのは勿論、文句なしの現役最強馬になった今となっては周囲もそれを意識した競馬になるのは必然。
どうやって好走するかは実現可能性はさておき3パターン。①「エコロデュエルと同等かそれ以上の耐久力お化けであること」、②「エコロデュエルが前を掃除した後を突くこと」、③「前受けしてそもそも不発を願うこと」だ。お祈り要素の強い3つ目については、大障害よりは可能性があるのがGJではなかろうか。
①の枠から本命サンデイビス。休みはあったが確実に力をつけ、今の人馬の充実度ならやれる。対抗がエコロデュエル。3番手に③かつ①の可能性があるホウオウプロサンゲ。いわゆる逆張りの逆張り。既にエコロデュエルの次点を複数回やっているネビーイームは一度崩れた時のことを想起させるだけにここに置いたが①。ヘザルフェンが②に当てはまる。
