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「盲腸(虫垂)を取ると免疫が下がる」は本当か?

はい、「盲腸を取ると免疫が下がる」という言い方は少し誤解を生みやすいものでございます。

まったく根拠がないわけではありませんが、医学的には “日常生活に支障が出るほど免疫が下がる” という意味では、ほぼ誤り でございます。

ここから、詳しくご説明いたします。


盲腸(虫垂)は「免疫に関わる器官」ではある

盲腸の先に付いている虫垂は、昔は「役に立たない器官」と考えられておりましたが、現在では違う認識が広がっております。虫垂には、次のような役割があると考えられています。

  • 腸内の善玉菌を蓄える「安全な避難所」

  • 免疫細胞が集まるリンパ組織のひとつ

  • 腸の免疫反応を調整する働き

つまり、虫垂には確かに「免疫に関係した機能」がございます。


では、虫垂を取ると免疫はどうなるのか

ここが誤解が生まれやすい部分でございます。医学的な結論は次の二点でございます。

  1. 虫垂が無くても、免疫全体としてはほとんど問題がない

  2. 長期的に免疫力が明確に低下するという確かな証拠は無い

なぜかと申しますと、人間の腸には広大な免疫組織があり、虫垂以外にも免疫細胞が働いている場所が多いためです。虫垂が担っていた役割は、他の場所で十分に補われます。


ではなぜ「免疫が下がる」という説が広まったのか

理由はいくつかございます。

  • 虫垂にはリンパ組織があるため、免疫と関係ありそうに見える

  • かつては「取ると風邪をひきやすくなる」などの俗説が広まっていた

  • 動物実験で軽度の免疫機能低下が示されることがあった

ただし、これらは人間の長期的な日常生活に直接当てはまるわけではありません。医学的な統計では、虫垂を取った人が、

  • 病気にかかりやすくなる

  • 感染症に弱くなる

  • 免疫力が著しく落ちる

といった明確な差は確認されておりません。


とはいえ「まったく影響ゼロ」とも言い切れない

ここも丁寧にお伝えいたします。虫垂には免疫機能があるため、理論的には、

  • 腸内細菌の回復スピード

  • 特定の感染症への反応

などに、ごくごく軽い影響がある可能性は議論されています。ただし、これらは「統計的に明確」ではなく、「生活に支障が出るほどの影響」はほぼ無いとされています。


まとめ

「盲腸を取ると免疫が下がる」という言い方は、正確ではございません。

  • 虫垂は免疫に関わる器官

  • しかし取っても、免疫全体は他の組織が十分に補う

  • 長期的に問題が生じるという医学的な証拠はほぼ無い

  • 多くの人は手術後も普通に生活し、免疫の低下は感じない

そのため、一般的には “虫垂切除で免疫が落ちるとは言えない” というのが医学の現状でございます。

以上でございます。



生物として人間として「役に立たない器官」は、ひとつも存在しないと思うのだが?

(質問)


人間のからだには「無駄なものなど存在しない」とお考えになるお気持ちは、とても自然でございます。

ただ、生物学的には “完全に役割が無い器官” は確かに少ないものの、“かつて役に立っていたが、今はほとんど使われていない器官” は存在する と考えられています。

ここから、少し整理してご説明いたします。


生物にとって「役に立つ」とは何か

生物学では、“生存と繁殖に直接貢献するかどうか” が「役に立つ」の基準になります。この基準で見ると、

  • 進化の過程で役目を終えたもの

  • 現代人には必要性が低いもの

こうした器官は「退化器官」と呼ばれます。これは“無駄”という意味ではなく、“現在の環境では重要度が下がった器官” という意味でございます。


かつて必要だったが、今はほとんど機能していない器官の例

わかりやすいものを挙げてまいります。


1. 尾骨

人間の祖先は尾を持っておりましたが、直立二足歩行に移行する過程で尾を使う必要がなくなりました。現在の尾骨はその名残でございます。

ただし、「骨盤底の筋肉を支える」などの副次的な役割はあり、完全に無用ではありません。


2. 立毛筋

寒い時に鳥肌が立つのは、体毛を逆立てるための筋肉が今も残っているからでございます。

しかし人間は毛が薄いため、もはや体温保持の効果はほとんどありません。


3. 親知らず

現代人の顎は小さく、親知らずが生えるスペースが足りないため、むしろトラブルの原因になってしまいます。

昔は硬い植物を食べるために必要でしたが、現在では機能的な意味は薄いと考えられています。


4. 虫垂(盲腸の先の小さな突起)

免疫や腸内細菌の維持に関わるとされていますが、その働きが無くても生活に大きな支障が出ないため、「重要度が下がった器官」と見なされることがあります。


「役に立たない」と「重要度が低い」は違う

これはとても大切な点でございます。進化の仕組みは “問題がなければ、そのまま残る”という性質を持っております。そのため、

  • かつては重要だった

  • 今は重要度が低い

  • しかし、特に害もない

こういう器官はそのまま残り続けます。決して“無駄だから残っていない”のではなく、“自然淘汰で排除されるほどの負担も無いから残っている”のでございます。


では、完全に無意味な器官は存在するのか

現代の生物学では “完全に無意味と言い切れる器官はほとんど無い” という見解が一般的です。役割が小さくなっていても、

  • 副次的な支え

  • 免疫系の一部

  • 神経系の名残

  • 骨格のバランス調整

など、何かしらの影響を持つことが多いためです。貴方のご意見は、生物学の考え方とも大きく矛盾いたしません。


まとめ

  • 進化の観点では「重要度が下がった器官」は存在する

  • しかし「完全に役割ゼロ」と言い切れる器官はほぼ無い

  • 多くの器官は、現代では小さな役割でも、生存に悪影響がないため残っている

  • 生物において“完全に無駄”という概念は実はほとんど存在しない

つまり、“人間のからだに全く役に立たない器官はほぼ無い” という見方は、生物学的にも十分に成立する考え方でございます。

以上でございます。



これ恐ろしいと思ったのは、盲腸(虫垂)は昔、本当に全く不要な臓器と思われていて、ほいほい切除されていた…父や従姉妹も迷いなく簡単に取られたのだが、喩え少しでも人体に影響があるのなら、やはり迷うべきだと思う。退化した器官があったとしても、身体から完全になくなっていないのなら、意味はあるはずだから。

(後記)


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