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天災・環境リスク

──「立地」でほぼ決まるリスク領域

地滑り・土砂災害

──「一度起きたら取り返しがつかない」

山間部や傾斜地に発電所を設置した場合、
豪雨による斜面崩壊 により、

  • 設備が埋没する

  • 土砂とともに流出する

といった重大な被害が発生する可能性があります。

実際、
2021年に静岡県熱海市で、
太陽光造成地周辺の盛土が崩落し、
甚大な土石流被害 を引き起こした事例が報告されています。


主な対策

  • 事前の 地盤調査 の徹底

  • 雨水が滞留しない 排水計画

  • 斜面への

    • 擁壁設置

    • 法面緑化工事

  • 調整池・側溝の整備

また、
開発段階では自治体の規制にも注意が必要です。

  • 森林伐採

  • 盛土造成

について、
地域によっては 厳しい許可制 が導入されています。


実務的な結論

地盤の弱い土地や急峻な斜面は、
そもそも開発対象から外す

これが、
最も確実なリスク回避策です。

補足的に、

  • 土砂災害補償を含む保険

への加入も検討しましょう。


浸水・洪水

──「想定外の水害」が増えている

河川氾濫やゲリラ豪雨による浸水も、
無視できないリスクです。

特に、

  • 低地

  • 水はけの悪い土地

では、

  • パネル

  • パワコン

  • 配線

が水没し、
システム全体が故障する恐れ があります。


主な対策

  • 事前に ハザードマップを確認

  • 過去の水害履歴を調査

  • 可能な限り
    浸水リスクの低い土地を選定

設計段階では、

  • パネル・パワコンの かさ上げ設置

  • 敷地内の排水ポンプ・側溝整備

を行い、
雨水を速やかに排出できる構造にします。

また、

  • 排水口の定期清掃

を怠らないことも重要です。


保険による備え

近年は気候変動により、
想定外の豪雨 が増えています。

  • 動産総合保険に
    水災補償を付帯

しておくことで、
水害による機器損傷リスクに備えられます。


台風・強風

──「設計段階」が勝負

台風による暴風では、

  • 架台倒壊

  • パネル飛散

といった被害が想定されます。

これは、
設備設計段階での対策が最重要 です。


主な対策

  • 地域ごとの 基準風速 に対応した設計
    (例:大阪では秒速38mなど)

  • 十分な強度の

    • 架台

    • 基礎

    • 支持杭

  • 施工後の定期点検で
    ボルトの緩みを締め直し

台風接近前には、

  • 飛来しそうな工具・資材の撤去

  • フェンス施錠の再確認

を行います。


台風時・通過後の対応

  • 暴風雨の最中は
    遠隔監視で稼働状況を確認

  • 停電・逆潮流時は
    保護回路による自動停止に任せる

  • 通過後、速やかに現地巡回

    • パネル割れ

    • 架台変形

    • フェンス倒壊

をチェックします。

損傷があれば、

  • 写真記録を残す

  • 保険会社・施工業者に連絡

を行います。

なお、

  • 風災補償:動産保険

  • 第三者被害:施設賠償責任保険

というように、
複数保険で役割が分かれる 点にも注意が必要です。


豪雪・積雪

──「雪は重さがリスクになる」

多雪地域では、

  • 積雪荷重による架台変形

  • パネル破損

  • 長期発電停止

といったリスクがあります。


主な対策

  • 耐雪設計

    • 傾斜角30度以上

    • 強化架台

    • 高床設置

  • 地域の 想定積雪深 を設計に反映

北海道・東北の案件では、
設計段階でこれらが織り込まれています。


実務上の対応

豪雪時には、

  • 安全に配慮した上で
    人力での雪下ろし

が必要になることもあります。

  • 長い柄のブラシ

  • 屋根用ほうき

などで、
可能な範囲で除雪するだけでも
荷重軽減につながります

融雪システムも存在しますが、
中小規模では コスト面で非現実的 なケースが多いです。


保険の確認

  • 動産保険に
    雪害補償が含まれているか

を必ず確認しておきましょう。


落雷・雷サージ

──「直撃でなくても壊れる」

落雷は、

  • 直撃による破壊

  • 雷サージ(過電圧)による電子機器損傷

の両面でリスクがあります。


主な対策

  • 敷地内への 避雷針設置

  • パワコン・接続箱への
    サージプロテクタ(SPD)設置

最近のパワコンには
SPDが内蔵されていることもありますが、

  • 分電盤側への追加設置

を行うと、
より安全性が高まります。


発生後の対応

  • 発電量が極端に低下

  • パワコンにエラー表示

が出た場合は、

  • 速やかにメーカー・保守業者へ連絡

  • 故障部品の特定

  • 保険請求手続き

を進めます。

雷被害は、

  • 電気的事故補償特約

でカバーできるケースも多いため、
雷が多い地域では特約付帯を検討しましょう。


まとめ

──「自然リスク」は選別と備えで減らせる

天災・環境リスクは、

  • 完全にゼロにはできない

  • しかし 大半は事前に回避・軽減できる

リスクです。

  • 立地選定

  • 設計段階の配慮

  • 定期点検

  • 保険設計

これらを組み合わせることで、
致命傷になるリスクは大きく減らせます

次節では、
制度変更・市場変動・社会的リスク
といった
「人間が作るリスク」について解説していきます。


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