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創作とライティング

こんにちは。
まもなく9月も終わりますね。1年があっという間にすぎていくので毎日びっくりしています。

今日は、私がずっと関わってきた創作についてお話ししようと思います。
そもそも創作とは何か?というところからですが、広い意味では「物を作ること」すべてが創作だと思います。ただ、ここで私が話す創作は「物語を作る」創作です。


ずっと人を書くことが好きだった

今は取材ライターとしてお仕事をしていますが、その原点は「人を書くことが好きだった」という一点にあります。

新卒で航空会社のグランドスタッフとして働いていた頃、日々たくさんの方と出会いました。当たり前のことなのですが、「この世界にはこんなにも多くの人がいるんだ」と気づき、それが自分にとって面白くて仕方なかったんです。

そして、そのころ夢中になって読んでいたのが、山本文緒さんの小説でした。人の心の奥深くをえぐり出すように描かれる作風は、若い頃の私にはまさにドンピシャで。当時のツイッターで思い切ってメッセージを送ったところ、なんとお返事をいただいたこともありました。

特に好きな作品がこちらです。

そんな経験を重ねるうちに、「自分でも物語を書いてみたい」と思うようになり、ふわっと短編小説を書き始めました。(正直、今振り返ればひどい出来でしたが)

同じ会社の同期に読んでもらったところ、みんな優しくてとても褒めてくれました。その嬉しさが次の一歩につながり、「また書こう」と思う。その繰り返しのなかで、「やっぱり私は書くことが好きなんだ」と、だんだん自覚するようになったのです。

脚本との出会い

「物を作ることが好きなんだ」と気づいた私は、航空会社のグランドスタッフから雑誌の編集者へと転職しました。編集の現場では企画や構成を徹底的に学び、結果的に今の仕事につながっているのですが、忙しさのあまり、自分の創作や読書の時間を失ってしまったんです。

そんな日々のなか、仕事の合間に入ったカフェでふと目にしたのが「脚本学校」のチラシでした。脚本?小説と何が違うんだろう――正直、その程度の理解しかなかったのですが、なんだか面白そうで心を惹かれました。仕事は激務でしたが、「もしかしたら両立できるかもしれない」と思い、思い切って挑戦してみることにしたのです。

脚本学校には、ディレクターや映画監督、大学で脚本を学んでいた方、俳優さん、会社員…本当にさまざまな人が集まっていました。お互いに刺激を受け合いながら、とても仲良くなって、みんなで作品を撮影する機会もありました。

コンクールに応募してみる

脚本学校で作品を作り始めた当初は、原稿用紙10枚を書くだけでも本当に苦戦していました。それでも少しずつ慣れていき、やがて30枚を書き上げられるようになった頃、「コンクールに応募してみよう」という気持ちが芽生えたんです。

というか、当時は今みたいにYouTubeが発展しておらず、脚本ってテレビ、ラジオ、映画などの脚本コンクールに応募しないと自分の作品を発表できる機会がなかったんですよね。

手はじめに、30ページのラジオドラマに応募しましたが、かすりもせず。その後、フジテレビのヤングシナリオ大量に応募してみたんです。すると、ビギナーズラックだったのか、2000本近い応募のなかで上位100本にまで残していただくことができました。

正直、このときは自分でも驚きました。「あれ、もしかしていけるのかな?」と心が揺れた瞬間です。そこからは定期的にコンクールへ挑戦し、最終選考まで残ることもありましたが、受賞には届きませんでした。

でも、受賞される方って本当にすごいんですよね。数千本の応募から、たったひとつを選ばれる世界。その難しさを感じながらも、書くことそのものが楽しくて、夢中で書き続ける日々でした。

舞台脚本にチャレンジしてみる

そんなふうに、マイペースで創作を続けていました。当時はあくまで「仕事の息抜き」として楽しんでいたので、これでお金をいただけるとか、仕事にできるなんて、まったく考えていなかったんです。

そんなとき、当時住んでいた地元の福岡で、ご縁がありました。演出家の先生が若手の脚本家を探されていて、ありがたいことに私に声をかけてくださったのです。

同年代の脚本仲間が集まり、先生が手がける舞台作品の脚本を担当させていただけることになりました。結果的に全部で4作品ほど書かせていただき、そのうちのひとつはメインの脚本を任せていただくことにもなりました。

執筆だけでなく、俳優さんの本読みや舞台稽古、本番まで全てに立ち会わせていただきました。「ああ、作品ってこうやって形になるんだ」とか、「このセリフは俳優さんには言いにくいんだな」とか。机に向かって書くだけでは気づけなかったことを本当にたくさん学ばせていただき、今振り返ってもとても貴重な経験だったと思います。

そして、このとき初めて脚本で原稿料をいただくことができました。

小説も書いてみる

脚本を書く経験を重ねるなかで、プロット(物語の設計図)やセリフづくりの力がついてきました。すると、「もう一度小説に挑戦してみたい」と思うようになったんです。今までは短編ばかりでしたが、この頃には100ページ単位で物語を書き切れるようになっていて、「もしかしたら以前とは違うものが書けるかもしれない」と感じていました。

ただ、いざ書いても「どのコンクールに出せばいいんだろう」と迷うばかり。それでもまずは形にしてみようと、恋愛ものと推理もの、まったくジャンルの違う2作品を書き上げました。友人に読んでもらったりして、感想を聞くのも新鮮でうれしかったことを覚えています。

書いていくうちにどんどん筆が進み、長い方はなんと原稿用紙600枚に。あまりに膨大で「これはどう扱ったらいいんだろう」と自分でも困ってしまうほどでした。でも、せっかく生まれた物語ですし、いつか必ず世に出したいと心のどこかで温め続けています。

審査員のお仕事


ここ数年は、自分の脚本や小説をじっくり書く時間はなかなか取れていません。それでも、ご縁をいただき、脚本コンクールの審査員として関わらせていただいています。

今年も担当をさせていただき、多くの作品を読ませていただきました。どれも作者の思いが込められた作品ばかりで、拝読する時間は本当に楽しいものです。ただ、コンクールなので必ず「数作品を選ばなければならない」というルールがあり、そこが少し切ないところでもあります。選考から漏れてしまった作品のなかにも、心を動かされるものがたくさんあるからです。それでも、一つひとつの作品をできるかぎり丁寧に、誠実に読みたいと思っています。

また、YouTubeドラマなど、新しいメディアから執筆のお声をかけていただく機会もありました。こうして脚本に関わり続けられるのは、これまでの出会いやご縁のおかげだと感じています。振り返るたびに感謝の気持ちが大きくなり、「やっぱり物語と関わることが好きなんだ」と改めて思うのです。

マダミスに挑戦

最近もっぱら私が挑戦しているのが、マダミスのシナリオ作成です。
マダミスについてはこちらの記事に詳しく書いています。

マダミス(マーダーミステリー)は、登場人物になりきって事件の真相を探る体験型ゲームです。参加者の会話や行動で物語が変わり、同じ作品でも一度きりの結末になるのが大きな特徴です。

推理だけでなく、キャラクターの心情や人間関係を味わえる点が魅力で、ここ数年日本でも人気が広がっています。

私自身、これまで脚本や小説を書いてきた経験があるからこそ、「物語を設計し、キャラクターに命を吹き込む」という点でマダミスづくりと自然につながっていると感じています。

はじめはプレイヤーとして楽しんでいたマダミスですが、いろいろな出会いがきっかけとなり、最近は自分でも制作を始めるようになりました。

ベースにしているのは、これまでに書いてきた脚本です。昔の作品をリライトしながら形にできているので、過去のストックには本当に助けられています。10月には完成させたいなと、わくわくしながら創作を続けています。

私にとって「創作」は切っても切り離せないものです。そして今の取材ライティングの仕事も、これまでの創作で学んだ「人の心を描く」という力があるからこそできているのだと強く感じています。

創作のかたちは変わっていっても、根っこにある「人を描きたい」という思いは変わりません。脚本や小説で積み重ねてきた時間が、今の仕事にも、そしてマダミス制作にもつながっているのだと思います。これからも、自分なりに物語を紡ぎながら、人の心にそっと触れられるような作品を届けていけたら嬉しいです。


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