【@妄想日記】個室ブース
オンラインの会議、最近では当たり前になりました。
在宅勤務があるので、毎日のようにオンラインで会議があります。
カメラをオンにしたり、しなかったり。
その会議の内容や、会議相手とのコミュニケーションの必要性などで、カメラのオンオフはきまる感じでしょうか。
もちろん、私はそれを決める立場ではなく、決められたことに従う立場です。
その日はカメラオンが求められる会議でした。
こちらの部署の参加者は、私と課長。
実務者同士の顔つなぎと、業務の連携についての擦り合わせです。
いくつかの営業所がオンラインで繋がれての会議です。
カメラオンなので、ブースを予約して会議に臨みます。
3人くらい座れるベンチシートのタイプで、それぞれのノートパソコンを持ち込んでの会議です。
開始時間の少し前に、ブースに入って会議が始まるのを待ちます。
オンライン会議の前に、まずは課長と30分程度すり合わせを行う予定です。
私は共有する資料などのファイルを開いたりもするので、その10分前くらいにブースに入って準備です。
ちょっと遅れて課長がブースに入ってきて自分のノートパソコンを開きます。
「俺のノート、カメラが壊れちゃってるみたいで、最近動かないんだよ。だからカメラオンはあいかわだけ。俺は声だけ参加になるから、よろしく」
「はい。わかりました」
狭い個室に課長と二人です。
ブースは声が漏れて周りの人に迷惑にならないように防音で、狭い会議室とおなじです。
息がつまる という感じですが、仕方ありません。
「お、今日はストッキング履いてるのか?」
「え? あ…、はい……。履いてます…」
課長が急にそんなことを言います。
なにしろセクハラ課長です。
これくらいはご挨拶というところです。
ドアを閉めて密室に二人でいると、小さなブースなのでちょっと気温が上がるような気がします。
カメラオンの会議なので、ちゃんとビジネスっぽい服を着てきました。
だから、ストッキングも履いています。
課長は私の顔と、太ももを交互に見ながらにゃにやしています。
「なんですか?」
その視線に気づいた私は、ちょっと棘のある声でききます。
「いや、なんでもない。でもお前、結構いやらしいい太ももなんだな」
だんだんとセクハラ課長の本性が発揮されてきます。
普通ならこの時点で既に問題発言で、ハラスメントです。
でも、課長はこういうことばっかり言ってるけど面倒見のいい、じつはあったかい上司なんです。
仕事でミスをしても、注意はするけどしっかり部下を守ってくれます。
だから、部下の女の子(と言っても私ともう一人しかいないけど)たちは、それをコミュニケーションの一つとして受け入れて、聞き流しています。
開始時間が近づいてくるなかで、課長とすり合わせをします。
資料の説明を求められ、課長が説明に関してのアドバイスをくれます。
私の発表は多分5分くらい。あとは他の人の発表を聞くというような会議です。
密室のブースで、二人でそれぞれのパソコンの画面を見つめています。
課長が手を伸ばして私の座っている側にある照明のスイッチを調節します。
白いシャツの腕が伸びてきて、私の前を横切ってスイッチを操作します。
課長の右肩が私の視界を遮ります。
(あ…、やっぱりそうだ…)
近寄った課長の体から、課長の匂いがふわりと流れます。
前にも何度か感じたことがあるし、満員電車でも気づいたのですが、課長、いい匂いがします。
実はこれが、私が課長のセクハラ発言を許している大きな理由なんだろうと気づきました。
その一つ一つの発言に、性的な意味があればあるほど、私は密かに課長に興味を持ってしまうんです。
この狭いブースで二人きりになったことで、それをはっきりと自分でも認識しました。
わたし、課長の匂いが好きなんです。
ブースの中は、どんどん課長の匂いで満ちてきます。
一度いい匂いだと思い始めてしまうと、もうだめです。
私は、会議に向けての説明をしてアドバイスを受けながら、だんだん息苦しくなってきます。
ちょっと頭がぼーっとしてきています。
「ん?大丈夫か?」
課長はそんな私に気づいて、顔を覗き込むようにして心配してくれます。
「大丈夫です…」
そう答える私の顔は、どんな顔だったのでしょう。
課長も何かに気づいたようでした。
擦り合わせをしながら、だんだん課長との距離が近づいていきます。
課長が私のパソコンの画面を覗き込むように顔を寄せてきます。
私はその課長の顔を、見つめています。
課長が振り返り、私の視線に気づきます。
振り返ったまま、課長は私を見つめています。
静かに近づいてきて、課長の顔がアップになり、わたしはそのまま目を閉じました。
優しいキスでした。
そうなることに、私はなんの違和感も感じませんでした。
そっと唇をついばむように重ね合わせ、少しずつ舌が互いを探り合い、絡み合っていきます。
濃密な課長の匂いにまみれたまま、私の身体は反応を始めていました。
身体の中心が熱くなり、溶け始めていくのがわかります。
課長はキスをしながら、手のひらを私の太ももにおきます。
ストッキングをなぞるように、ゆっくりと撫でていきます。
「だめ…」
唇を離し、私は課長を見つめながりいいます。
「大丈夫。これ以上しないから」
そう言って、また唇が塞いできます。
たぶん、私ずっと前から課長とこうなりたかったんだと思います。
別に自分を制御していたつもりはないけど、きっかけがなかった。
そのきっかけが、今やってきた というだけです。
これ以上しない なんて言っていながら、課長の手はスカートの裾から這い登ってきます。
太ももの上をなぞっていた手のひらは、内側の柔らかい肉へと忍び込み、そしてゆっくりと、じわじわと奥へと進んできます。
私は膝を閉じ合わせてそれを避けようとしますが、それは形だけの抵抗です。
なにしろ身体は求めているんです。
狭いブースの中で抱きしめられるような形になりながら、キスをし、太ももに手が這っている。
そして会議の時間が近づいてきます…。
つづく

