50代ひとり営業が「本業を楽にする」という発想を持てなかった頃の話
部下はいませんが、結果は普通に求められます。
50代、大手メーカーのひとり営業。 それが自分の立場です。
「楽をする」は悪いことだと思っていた
前回、AI副業の「簡単に稼げる」にはピンとこなかったけれど、「AIで本業を楽にできるんじゃないか」という可能性にうっすら気づいた、という話を書きました。
でも正直に言うと、その「気づき」にたどり着くまでに、自分の中にかなり大きな壁がありました。
「本業を楽にする」という発想そのものに、抵抗があったんです。
楽をする=手を抜く。 自分の中には、そういう感覚が染みついていた。
営業という仕事を何十年もやってきて、「泥臭くやるのが正しい」「自分の手で仕上げるから価値がある」という信念がある。先輩もそうやってきた。自分もそうやって成果を出してきた。
だから「楽にする」と聞くと、どこかで後ろめたさがあった。 手を抜いているんじゃないか。サボっているんじゃないか。
その感覚が、ずっと邪魔をしていました。
全部を自分でやることが「誠実さ」だった
振り返ると、自分は「全部自分でやる」ことを誠実さだと思っていました。
提案書は自分の言葉で書く。 メールは相手のことを考えて一通一通丁寧に打つ。 報告書は自分の手で数字を確認しながらまとめる。
それが相手に対する礼儀であり、プロとしての姿勢だと信じていた。
実際、それで信頼を得てきた部分もある。 「あの人は丁寧にやってくれる」と言われて、嬉しかったこともある。
でも、その「全部自分で」が、気づかないうちに自分の首を絞めていた。
提案書に2時間。メールに30分。報告書に1時間。 毎日それを繰り返して、気づけば夜8時。 余白なんて残るはずがない。
丁寧にやっている。誠実にやっている。 でもその「丁寧さ」の中に、本当は短縮できる時間がたくさん含まれていたことに、ずっと気づいていなかった。
あなたにもありませんか。 「自分でやるのが当たり前」だと思い込んで、他のやり方を考えたこともない作業。
きっかけは、たまたま見た動画だった
転換点は、ほんとうにたまたまでした。
AI副業の情報を調べていた流れで、YouTubeが関連動画を勝手に表示してきた。 その中に、「AIで業務効率化」みたいな地味なタイトルの動画があった。
副業じゃなくて、本業の話だった。
なんとなく再生してみたら、営業職の人が「メールの下書きをAIに作らせている」と話していた。
最初は「それって手抜きじゃないのか」と思った。 自分の言葉で書かないメールに、意味があるのかと。
でもその人はこう言っていた。
「下書きをAIに作ってもらって、自分はそれを直す。ゼロから書くより、直すほうが早い。浮いた時間で、お客さんと話す時間を増やした。」
その一言で、頭の中の何かがカチッと切り替わった。
楽をしているんじゃない。 力の入れどころを変えているだけだ。
「やり方を変える」は「手を抜く」とは違った
メールの文面をゼロから考えることに2時間かけるのが誠実なのか。 それとも、AIに下書きを作らせて、浮いた時間で得意先に1本多く電話するのが誠実なのか。
答えは明白だった。
自分が時間をかけるべきなのは、文章の組み立てじゃない。 お客さんとの関係づくりや、判断が必要な場面。 そこに集中するために、それ以外の作業を短くする。
これは手抜きじゃない。順番の整理だ。
でも、この発想が自分の中になかった。 「全部自分でやる=誠実」という思い込みが強すぎて、やり方を変えるという選択肢が見えていなかった。
何十年も同じやり方をしてきた50代にとって、「やり方を変える」は想像以上にハードルが高い。 でも「手を抜く」と「やり方を変える」は、まったく別のものだった。
まだ何も始めていない、でも見え方が変わった
正直に言うと、この時点ではまだAIを本業で使い始めてはいませんでした。
でも「AIで本業を楽にする」という発想を持てた、それだけで景色が少し変わった。
「時間がない」ではなく「時間は作れるかもしれない」。 「全部自分でやるしかない」ではなく「任せていい部分があるかもしれない」。
副業で稼ぐためにAIを使うんじゃない。 まず本業を楽にするためにAIを使う。
その順番に気づけただけで、あの「ギリギリで回している」感覚が、少しだけ軽くなった気がしました。
まだ何も変わっていない。でも、変えられるかもしれないと思えた。 50代のひとり営業にとって、その「かもしれない」は、思った以上に大きかった。
同じように「全部自分でやるしかない」と思い込んでいる人に、この話が届けばと思います。
ここまで読んでくださったあなたへ。 「やり方を変える、か」と少しでも思ってもらえたなら、スキやフォローで教えてもらえると嬉しいです。
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