テイクアウトと松尾豊の英語は通じない――和製英語が世界で迷子になる理由
・『テイクアウト』と言っても通じない。
・『英語論文』を書いても、まともに国際学術誌に通じていない。
この二つに共通しているのは、日本人が言葉が通じる原理を理解せず、形だけを模倣している点である。本稿では、ファストフードのレジから学術論文の世界まで、なぜ日本人の英語が世界で迷子になるのかを、できるだけやさしく解き明かしていく。
序章:論文が通じない人々
私は日本国内にとどまらず、アメリカ西海岸から中国、インド、さらには湾岸諸国やアフリカまで事業領域と学術領域を広げてきた。国際学術論文は、海外の大学教授たちと共著で英語で執筆することが多い。だからこそ、英語が苦手な松尾豊のように、下手な英文を校正業者に丸投げするような愚は犯さない。
修正しなければならない貧相な英語では、海外の研究者と対等に議論することすらできない。共同研究など成り立つはずがないのだ。
この時点で明白なのは、松尾豊が『海外の研究者とまともに共同研究すらできない人物』であるという事実である。私の定義では、これはもはや学者の端くれですらない。
松尾豊の『英語論文教室』の実態
彼自身のサイトに掲載されている『英語論文の書き方』を見れば、その惨状は一目瞭然だ。
英文校正
・英文校正の業者に出します。
・返ってきたのを最後にチェックします。おかしくなっているところは修正してください。
投稿
・投稿します。ビールを飲んで、満足感に浸ります。
これが『日本のAI研究の第一人者』と呼ばれる人物の指導内容である。要するに、英語もAIも苦手な人物が、なぜか日本の旗手として扱われている。この構造が、日本にどれほどの不利益をもたらしているかは想像に難くない。
実力ある研究者は他にいるのに
実際、日本国内には世界のトップレベルで通用する情報工学の研究者や科学者は大勢存在する。問題は、彼らが正当に評価されず、ソフトバンク・グループ(SBG)取締役という肩書きを持つ松尾豊が『第一人者』として政府やSBGに重用されている点である。御用学者としての便利さだけが、彼を持ち上げているのだ。
カタカナ英語の伝道師という害悪
松尾豊がYouTubeなどで拡散しているのは、中身の薄いカタカナ英語である。
AIも英語もまともに扱えない人物が、カタカナを並べ立てるだけで『最先端』に見せかける。その欺瞞に、多くの企業や政策担当者が振り回されてきた。
結果として、日本の産業競争力を弱体化させる最大の元凶となっている。
ファストフードを食べない私の『ファストフード英語講座』
私は長年、健康的なスローフード中心の生活を続けてきた。自ら吟味して選んだ雑穀や有機野菜を使った自炊が基本で、外食するときも、地元の小さなレストランや、食材を丁寧に調理する店ばかりを選んでいる。マクドナルドやバーガーキングといったファストフード店とは、ほとんど縁がなかった。
そのため、自分がハンバーガーを買うために列に並んだ経験は極僅かに過ぎない。だが、日本人の友人や同僚に頼まれてファストフード店に同行する機会は少なくなかった。そして、そこで目の前に広がる光景は、いつも私に強い衝撃を与えるのだった。
カウンターに立った日本人が、自信満々に『テイクアウト!』と告げる。だが店員は怪訝な顔をして首をかしげ、会話は成立しない。或いは、飲み物の注文で『コーラ、ワン』と言ってしまい、相手に “Excuse me?” と聞き返される。日本国内では通じそうな和製英語やカタカナ発音が、国境を越えた瞬間にまったく役に立たなくなるのだ。
さらに滑稽なのは、電源を借りようとして『コンセント』と口にする場面である。もちろんアメリカの店員には通じない。彼らにとってそれは “outlet” か “socket”。『コンセント』という単語は存在すらしない。日本人が当然のように使っている言葉が、外国では存在しない記号になってしまう。
即席レッスンの効果
こうした場面を何度も目撃してきた私は、『ファストフード英語講座』と題して、その場で即席レッスンをするのが恒例となった。
『テイクアウト』と言っても駄目だが、“to go” と言えば一発で通じる。“take it out”でも理解はされるが、アメリカでは文脈的には、“to go” の方が自然といった基本を、その場で解説してきた。
面白いのは、ほんの少し言い換えるだけで相手の反応が劇的に変わることだ。店員がすぐ理解して注文が通ると、日本人の同行者は『え、そんな簡単なことでよかったの?』と驚き、同時に赤面する。何年も学校で英語を学んできたはずなのに、最も実用的な『通じる表現』を誰も教えてくれなかったことに、その瞬間気づくのである。
教育の欠陥と『原理志向』
もちろん、書店の英語学習本やネット上の教材には『通じないカタカナ語』と『通じる英語表現』を解説したものは多数ある。だが、なぜ、“it”を入れるだけで通じるのか、その原理を説明しているものにはほとんど出会わない。
原理や法則を理解すれば、一つ覚えるだけで何百もの応用が利く。逆に、原理を知らずに千の単語を暗記しても、千回分の無駄にしかならない。英語教師にとっては、その『千の無駄』を教材にして千回分の授業料を稼ぐ方が都合良いのかも知れない。
だが私は金儲けを目的にしていない。だから最も効率の良い方法を、このシリーズで一気に伝授する。なぜなら、同じ質問を千回繰り返されることは、私にとって苦痛以外の何物でもなく、時間の浪費だからである。
結論:迷子になる日本人の英語
私はファストフードを食べない。しかしだからこそ、『ファストフード店で日本人が通じない英語を連発する姿』を外部の観察者として冷静に記録できた。そこから浮かび上がるのは、単語力や発音の問題ではなく、言葉が通じる原理を理解していないことこそが最大の欠陥だという事実である。
この『ファストフード英語講座』は、実際のメニューや会話を素材にして、日本人がどこで躓き、なぜ誤解されるのかを解剖する絶好の教材となる。私が同行してきた数々の事例は、笑い話であると同時に、日本の英語教育がいかに実用から乖離しているかを示す実証的データでもある。
結局、私がファストフードを食べないことなど些末なことだ。重要なのは、ファストフードでの最も単純な会話ですら、日本人の英語は迷子になるという現実である。そして、その迷子の根本原因こそ、和製英語の氾濫と『原理志向』の欠如なのだ。
つづく…
武智倫太郎

