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VIVANT(ヴィヴァン)の最終回に思いを馳せて

【番組宣伝】VIVANTの最終回は、(2023年9月17日 (日) よる 9時00分〜)

 以下には絶対にネタバレはありません。だって観てないからね。一話も観ていないので思いを馳せることなど不可能です。

 皆さんは日曜劇場VIVANTと書いてヴィヴァンと読むをご覧になっているでしょうか? 私はテレビを持っていないので、生放送で日曜劇場を見ることができません。それで、ネットで調べてみたら以下のような見事なキャッチフレイズが書いてありました。

VIVANTとは一体…?

「敵か味方か、味方か敵か―冒険が始まる。」
堺雅人、阿部寛
二階堂ふみ、松坂桃李
役所広司
日本を代表する超豪華俳優陣が集結!!
前例のないエンタメが今夏幕を開ける!
“限界突破! アドベンチャードラマ”始動!

Tokyo Broadcasting System Television, Inc.

『VIVANTとは一体…?』と謎かけのようなキャッチフレイズを読んでしまっては、Netflixなら絶対観たくなります。ここで和製英語の解説をすると、海外でキャッチコピーと言っても通じません。英語ではCatchphraseと書いて、キャッチフレイズと読みます。

 ところで、『敵か味方か』『味方か敵か』にはどんな違いがあるのでしょうか? 疑心暗鬼という意味では、どちらも同じ意味です。ところが、順番を逆にして『味方か敵か、敵か味方か』と言うと違和感がありませんか? これは言葉のマジックですが、この違和感には、何か理由があるはずです。

 世の中には、『性善説』『性悪説』『そもそも善悪などないという哲学的懐疑論的立場』など様々な考え方がありますが、まずは、『性善説』『性悪説』の違いから考えてみましょう。

『性善説』的な考え方では、人間は生まれつき皆善人で、環境によって悪人が発生してしまいます。

『性悪説』的な考え方では、人間は生まれつき皆悪人なので、無理やり矯正して善人にしない限りは悪人だらけです。

 要するに、性善説、性悪説のどちらをとっても、世の中には悪人がいるという大前提が、警察の存在理由レーゾンデートル)です。実際の警察の存在理由は、法律を守ることで社会の秩序を保つためですが、誰かが法律に対する『無知』が原因で、法律を破ってしまった場合は、『無知』『悪』を同等に扱ってよいかどうかについては、哲学者や法学者や法曹関係者の間でも意見が分かれます。

 一般的にソクラテスの名言として知られる『無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つもの英雄なり』という言葉自体が哲学論争のテーマとなっており、現代でも『無知』『悪』の定義をすることは、非常に困難です。

 そのため、人間は初対面の相手は、まずは相手が悪人であり『敵かもしれない』から先に考えるネガティブ・バイアス敵意バイアスが身についているので『敵か味方か、味方か敵か』といった、まずは相手が敵という疑心暗鬼の方がキャッチフレイズとしては、しっくりくるのでしょう。

VIVANTの最終回に思いを馳せて』の釣りタイトルに釣られてここまで読んでいただいた方々は、そろそろ気付いて欲しいのですが、私はVIVANTを一度も観たことが無く、この番組の内容について語る気などさらさらありません。

 釣りタイトルからPV至上主義フォロワー至上主義の問題点を浮き彫りにするとともにAIリテラシー情報リテラシーの重要性を認識していただくことが、本稿の目的です。

 哲学や論理学では、『善か悪か』のような二択の考え方は、『二分法(Dichotomy)』ではなく、『二項対立(Binary Opposition)』で扱われることもありますが、二分法で取り扱うことも多く、両者の違いが分からないことがあるので、これらの違いについて説明します。

二分法(Dichotomy):数学、科学、哲学などの様々な分野で使われる一般的な概念です。ある集合や概念を二つの相互排他的なサブセット、またはカテゴリーに分割することを指します。たとえば、数学において、整数は『奇数と偶数』に分けられます。ただし、奇数と偶数は整数に限定されます。『0は偶数か奇数か?』『2.5は偶数か奇数か?』と聞かれてピンと来ない人は、プログラマーには向きません。小学生の算数からやり直す必要があります。0は正数でも負数でもなく、偶数です。2.5は実数ですが、整数ではないので、偶数でも奇数でもありません。

二項対立(Binary Opposition):論理学、哲学、社会科学、言語学、文化研究、文学研究などの分野で使われる概念で、2つの相対的、あるいは、対立的な要素の関係を表すものです。これらの要素は相互に依存していて、一方の存在が他方の存在を意味しています。

 二項対立問題では、対立的な要素として頻繁に使われる『善か悪か』『真か偽か』『黒か白か』などが代表例です。このような二項対立問題は、議論を単純化し、理解し易くする一方で、現実の多様性や複雑さを無視する危険性も持っています。『男か女か』も半世紀前までは典型的な、二項対立問題でしたが、近年では性の多様性の概念をどこまで受け入れるかで、国際世論が紛糾するほどの重要課題になっています。

 VIVANTのホームページによると二階堂ふみという超豪華俳優が登場するようですが、私に対して、この俳優は『有名か無名か』の二項対立で聞かれても、私にとっては初めて聞く名前なので、ここに『有名か無名か分からない』という立場もあります。『若者あるいは高齢者の間では有名かも知れない』といった条件付きの分からなさや、『二階堂ふみファンクラブの間では、二階堂ふみは絶対的に有名である』といった条件付きで断言できる場合もあります。

 このような二項対立質問に対してひろゆき的思考法(詭弁にすらなっていない屁理屈)で『はいかいいえで答えてください。はい論破』とかやっているYouTubeの視聴者は、どんどん頭が悪くなっていくでしょう。ま、しらんけど。

 それでは堺雅人はどうでしょうか? 堺雅人は20年くらい前に大河ドラマ 『新選組!』に山南敬助役で出ていたので、流石に知っています。新選組はロサンゼルスのJATVでも放映されていて、私も20年前はテレビを観ていたことがあるんです。寧ろ、いまだにテレビを観ている人がいることの方が驚きです。今時テレビ放送は都市伝説だと思っていました。倍返しの人だと言われても何のことだか分かりません。

 漫画の半沢直樹なら知っていますが、実写版作っていたなど、私が知るわけがないではないですか! 半沢直樹は漫画の架空のキャラで実在している人物ではないんです。

 阿部寛仲間由紀恵トリックという番組(劇場版も全部観ています)に出ていましたが、トリックも新選組の後にやっていた番組なので知っています。他にもテルマエ・ロマエ IIIの劇場版も最高でした。コミック版も良いですが、映画版には映画版の良さがあるんです。

 松坂桃李は名前を何と読むのかさえ分かりません。桃李と書いて『ももり』という女優かと思ったら、ネットで調べたら外見は男のように見えるので意外でした。でも、本人は女性や中性や疑問に思っているかも知れないので、人は外見だけでは判断できません。

 役所広司が出演した『Shall we ダンス?』という1996年の日本映画は、ロサンゼルスの映画館でもヒットしましたが、役所広司よりも、寧ろ、共演者の竹中直人が良い味出していました。それでリチャード・ギアジェニファー・ロペス出演で“Shall We Dance?”としてハリウッドでリメイクして2004年にリリースされたほど有名です。この説明では有名なのが、役所広司、竹中直人、『Shall we ダンス?』の何れか分かりませんが、本稿がミステリー小説だと思えば、分からなくても問題ありません。

VIVANTとは一体…?

 私の専門地域の北アフリカ諸国では、フランス語やアラビア語を少しは知っていないと、生活に支障をきたします。フランス語で『VIVANT』は『生者』で、『MORT』『死者』という意味で、死者が検死解剖の前に連れていかれる場所が『MORGUE』です。『VIVANT OU MORT』『生者か死者』かという二分法、もしくは、二項対立になりますがリアルファイトの修羅場を潜っていると、こういう単語から覚えるものです。

 欧米ではラテン語を知らないと教養を疑われるという説と、今時ラテン語を使うのは植物学者だけだという説がありますが、ラテン語で『Viva』『Vita』は生命や生きていることに関連しています。ヴィヴァ『Viva』はラテン語で『生きている』または『生き生きとしている』という意味です。一方、ヴィタ『Vita』はラテン語で『命』または『生命』を意味します。

 ラテン語のヴィタ(vita)と、アミン(amine)を組み合わせるとビタミン(vitamin)になります。これはポーランドの生化学者カシミール・フンクが1912年に命名したもので、『vita=命』『amine=アミン』を組み合わせた造語ですが、全てのビタミンがアミン構造を持っているわけではありません。

 ビタミンB群にはB1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12があります。B4、B8、B10、B11が抜けているのは、最初はビタミンとして分類されましたが、後にそれらの化合物がビタミンとしての要件を満たさないことが判明したため、現在ではビタミンB群として認識されていないからです。B群に欠番があるのは科学が正しいとは限らない証拠です。逆説的には科学が正しいからこそ、科学的な間違いを発見することができた証拠とも言えます。

 なぜ、このような話を知っているかと言うと、『栄光なき天才たち』という漫画に、カシミール・フンクよりも1年前に、スパコンの『富岳』『語岳』で有名な理化学研究所鈴木梅太郎がビタミンB1を発見していたと書いてあったからです。

 これで読者の皆様は『VIVANTとは一体…?』なんなのかお分かりいただけたでしょうか? 多分、この説明内容とは全然違う話のはずなので、興味のある方は、最終回を楽しみにしていてください。私はNetflixAmazon Prime Videoで配信されるのを楽しみにしています。だってU_NEXTなんて誰が使うんですか?

文・武智倫太郎

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