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癌の治療を終えた後も、生き抜かなければならない。労働にキツさを感じていたら

こんにちは、aicoです。

本日は栄養の話ではなく、癌サバイバーの治療後の就労について記事にしたいと思います。

私のパートナーは、昨年stageⅢBの大腸がんが見つかり、大腸と多くのリンパ腺の切除を行っています。

現在32歳。若いです。

仕事に真面目な人です。

現場仕事で、夏は暑く、冬は寒い環境での体力仕事。

本来、弱音を吐くのは格好悪いと思うタイプで、限界が来るまで「仕事を辞めたい」なんて言う人ではありません。

最近は早退や欠勤が増えています。

体調最優先と思っていますが、本人は経済的な不安が大きいようで、帰ってきても心から休めている様子ではありません。

もしも、同じような方がいたら・・・

パートナーやご家族が、同じような状況に立たされている方がいたら・・・

癌サバイバーが相談できる窓口や、利用できる可能性のある制度をまとめました。

退職を考えるのは、あなただけではありません

癌が見つかったショック、遠く感じる治療の終わり、職場へかけてしまうであろう迷惑・・・

様々なものを原因に退職を考える人は、あなただけではありません。

決して自分を責めないでください。

① 東京都「がん患者の就労等に関する実態調査」(2019年公表)

東京都が、がんと診断された時点で就労していた都民を対象に実施した調査です。

② 労働政策研究・研修機構(JILPT)「治療と仕事の両立に関する実態調査」(2022年公表)

厚生労働省の要請を受けて実施された、疾患(がんを含む)を抱えながら働く労働者の全国WEB調査です。

③ 国立がん研究センター「がん体験者の悩みや負担等に関する実態調査」などの知見

  • 「がん告知直後の離職(びっくり退職)」の課題 がん診断から「初回治療開始前」までの極めて早い段階で、動揺や「職場に迷惑をかけたくない」という思い込みから自ら退職を選んでしまうケースが、退職者のうち約3〜4割にのぼることが複数の研究で指摘されています。 本来は休職制度や時短勤務を利用して就労継続が可能であったにもかかわらず離職してしまうこの現象は、医療機関や職場における「早期の両立支援相談」の重要性を裏付けています。

  • 出典国立がん研究センター がん情報サービス「がんと仕事」


就業継続や8時間労働が難しくなってしまった場合の支援

がんの治療(抗がん剤、放射線、手術など)による副作用(強い倦怠感、末梢神経障害、認知機能低下、リンパ浮腫など)により、従来の「フルタイム(8時間労働)」や同一業務の継続が困難になったサバイバーに対しては、「企業の制度・配慮」「経済的補填(社会保障)」「相談・伴走体制」の3つの側面から重層的な支援が用意されています。

① 企業による勤務制度の配慮(労働環境の柔軟化)

厚生労働省の「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」に基づき、企業は産業医や主治医の意見を聴取した上で、以下のような就業配慮を行うことが強く推奨(また努力義務化)されています。

  • 短時間勤務(時短勤務)制度の適用:1日の所定労働時間を6時間に短縮するなど、体力に合わせた勤務を可能にします。

  • フレックスタイム制・時差出勤:通院スケジュールや、朝方の倦怠感といった体調の波に合わせて勤務時間を柔軟に変更します。

  • テレワーク(在宅勤務)の導入:通勤に伴う身体的負担を排除し、また化学療法中の免疫力低下時における感染リスクを低減させます。

  • 時間単位の休暇取得・病気休暇制度:通院や体調不良時に、半日や時間単位で細かく有給休暇(または失効有給の積立休暇)を取得できるようにします。

  • 業務内容の調整・配置転換:身体的負担の大きい肉体労働や外回り業務から、事務職などのデスクワークへの変更、残業・深夜労働の免除を行います。

  • 出典厚生労働省「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」

② 社会保障による経済的支援(収入減少への対策)

勤務時間を短縮したことによる収入の減少(基本給のカットやボーナスの減額)に対しては、以下の公的支援制度が活用されます。

  • 傷病手当金の「支給期間の通算化」(2022年1月1日法改正)

    • 支援内容:病気療養のために労務不能となった場合、直近の標準報酬月額の約3分の2が支給されます。

    • 画期的な法改正:これまでは「支給開始日から暦の上で1年6ヶ月」で終了していましたが、法改正により「実際に支給された日数の合計が1年6ヶ月に達するまで」通算して支給されるようになりました。これにより、「抗がん剤治療の通院日だけ数日休み、残りは時短勤務で働く」といった、がんサバイバーの治療パターンにフィットする形で無駄なく経済支援を受けられるようになりました。

    • 出典厚生労働省「身近な年金・医療保険に関する法改正(傷病手当金)」

  • 障害厚生年金(特に「3級」の適用)

    • 支援内容:がんは障害年金の対象です。特に厚生年金加入者の場合、「障害厚生年金3級」が存在します。これは「日常生活には大きな支障はないが、病気や治療の副作用によって、労働に著しい制限を受ける(時短勤務に変更せざるを得ない、負担の軽い業務に制限されている等)」状態でも受給できる可能性があります。

    • 働きながらでも受給が可能なケースがあり、時短勤務による減収分を補填する強力な手段となります。

    • 出典日本年金機構「障害年金ガイド(悪性新生物による障害について)」

③ 専門家・相談窓口による伴走支援

患者・医療機関・企業の3者が適切に連携を取るためのコーディネート体制が整備されています。

  • がん相談支援センター(全国のがん診療連携拠点病院等に設置) 患者や家族だけでなく、雇用主(企業)からの相談も受け付けています。社会福祉士や看護師、キャリアコンサルタントなどが在籍し、就労や社会保障制度の手続きについて無料・匿名で相談可能です。

  • 両立支援コーディネーターの介入 医療機関のソーシャルワーカーや、企業の総務担当者、産業保健スタッフなどが「両立支援コーディネーター」としての研修を受けており、主治医の意見(勤務可能条件)を基に、企業と労働者(患者)の間に入って具体的な勤務配慮プラン(勤務時間の短縮や残業制限)を調整する役割を担います。

  • 産業保健総合支援センター(産保センター) 独立行政法人労働者健康安全機構が運営。両立支援の進め方が分からない中小企業や個人に向けて、専門家が無料で個別調整のサポートや両立支援プランの作成支援を行います。

  • ハローワークの「がん患者等就労支援ナビゲーター」 もし元の職場への復帰が叶わず離職せざるを得なかった場合でも、ハローワークに配置された専門のナビゲーターが、がん相談支援センターと緊密に連携し、治療スケジュールや副作用への配慮が受けられる求人開拓やマッチング、履歴書の書き方等の個別支援を行います。


私のパートナーは、術後1年の治療期間を経て、現在就労中です。

通院と検査を定期的に行っていますが、数値だけでは測れない倦怠感に苦しんでいます。

仕事復帰当初は「障害と名の付くものの申請は、精神的なハードルが高い」と言っていましたが、今日の夜、医師への診断書の相談と障害厚生年金3級の申請を、改めて提案してみようと思っています。

「障害者手帳を取得するのではなく、治療を続けながら働くための『国の減収補填制度(障害厚生年金)』を申請するだけだよ」と。

3級の申請が通ったとして、最低保障額年額 635,500円(月額 約52,900円)

これだけで生活できる金額ではありませんが、数日休んだとしてもその分の賃金はあると思えれば、心持やストレスは違うのではないかと思っています。


障害厚生年金は、特別なケースを除いて、本人が開示しない限り職場に通達されたり、マイナンバーカードに記載されることはありません。
※記載はされませんが、内部でデータとしてはリンクしています。

障害厚生年金と障害者認定(手帳の所有)は全く別物ですが、プライバシーが守られる仕組みは同様です。
これも、本人が開示しない限り社会生活に影響はありません。
※例外として、健康保険の傷病手当金と障害厚生年金を同時に受給する場合などは、併給調整の手続き上、会社への開示が必要になる場合があります。

もしも、困っているのに心理的ハードルや社会からの見られ方が気になってしまって、申請をためらっている方がいたら、ご自身が納得できるものかどうか、詳しく調べてみて下さい。

本当に困った時は、制度に頼ってよいのです。


障害厚生年金とは別の話ですが、私の周りには障害者手帳を持っているバリバリの管理職や、素人ではまったくもって理解できない高度なシステムを組むエンジニアがいます。

本来、人を守るはずの制度や証明が、人を傷つけることがありませんように。

生きづらさを、皆で解決して行きたいです。


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